アジリティとは?意思決定が速いアジリティ組織が成功する理由

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

シリコンバレーの企業の決断スピードは日本の100倍だと言われています。

日本の大手企業が完璧なプロダクトを1つ出す間に、シリコンバレーのユニーコーン企業は、20%の完成度のものを5つ出します。

その上で、競合他社に先駆けて市場にプロダクトをローンチし、「マーケットフィット」した新規事業だけを残し、顧客の声や潜在的なニーズをヒアリングしながら「PDCA」を高速で回転させます。

新規事業の立ち上げや新たなプロダクト開発のシーンでも起業家の決断と、実行、リリースのスピードが異常に速く、「アジリティ」な組織であることが、競争優位性を生み出すキーワードの一つになっています。

そこで今回、アジリティとは何か、意思決定が速いアジリティ組織が成功する理由について解説します。

「素早く行動し破壊せよ。もし、何も変えられていないのであれば、それは行動が遅かったからだ。」

<マーク・ザッカーバーグ>Facebook創業者

■アジリティとは?
アジリティとは、俊敏性とスピード性能を表す言葉になります。

アジリティはスピードの速さだけではなく、課題に対して多くの選択肢があるなかで、「適切なものを素早く選択して速やかに行動する」という意味合いで使われます。

アジリティとは、経営や組織運営における機敏性の意味があります。経営者の意思決定のスピードの速い企業をアジリティが高い企業と呼びます。また、日々発生する問題に対し、社員それぞれが自身の裁量で判断できる組織は、アジリティが高い組織になります。

課題に対しての「対応力」という意味で用いられることが多いのです。その場に合う適切な判断を速やかに行い、いかに自律的に行動できるかどうかという意味合いが強くなります。

■アジリティ経営とは?
日本の大手企業の問題点としては、マネージャーが自身のチームメンバーにあまり情報をオープンにしないことが要因となり、物事の解決スピードが遅くなっていることが挙げられます。

アメリカの企業だと、アジリティを重視しなるべく多くの情報を与え、スタッフが自主的に動くことでリーダーとしての仕事をしやすくするのが一般的ですが、日本の大手企業の場合には、その逆になっているケースが多いです。

市場機会を素早く利益に変換する経営戦略を「アジリティ経営」と言います。アジリティ経営におけるアジル「agile」とは敏捷な様を表します。

アジリティー(agility,敏捷さ)という言葉は、企業経営において意思決定とアクションが速い意味を持ちます。そのため、以下の3つが企業の発展に非常に重要になります。

(1)情報を収集して状況を正確に把握する。
(2)次のアクションを決定する。
(3)実際にアクションを行う。

ただし、十分に品質が安定する前に製品を市場に出せば、クレーム対応やリコールといったコストが発生する可能性もあります。

高品質であることは、アジリティ経営の前提条件になります。

なぜなら、スピードだけが速くても品質という現場の底力がないと戦略も絵に描いた餅にすぎないからです。

品質の向上は歩留まりの向上や原価率の低減といった一次的な効果と同様に、企業の取りうる戦略や競争力そのものにも大きな影響を与える大事な要素になると言えます。

■アジリティの高い組織の3つの特徴
アジリティの高い組織には、共通するいくつかの特徴があります。大きく3つに分けて、それぞれの特徴を解説していきます。

1、組織のビジョンが明確である
明確な判断基準がないと従業員は身動きが取れなくなってしまいます。不確実なVUCA時代だからこそ変化は必ず起こるものと考え、組織の目標に向けて必要な道筋をしっかり立てる必要があります。

アジリティの高い組織は、将来へのビジョンが明確です。チームにも同じ価値観が共有されているため、予定外の出来事が起きても、組織のビジョンに基づき臨機応変に対応できます。

組織のビジョンが明確でないと、何らかの変化が生じた際に対応するための行動指針を持てません。その結果、アジリティの低さからチームが個々の判断によって対応することになるため、組織力が弱くなってしまうのです。

アジリティの高い組織は、企業のビジョンや価値観をきちんと共有できているという特徴があります。

2、組織の置かれている現状を把握する能力が高い
アジリティの高い組織には、問題解決が早いという特徴があります。あらゆる問題に対して速やかに対応できる力は、アジリティの高い企業に欠かせないものです。

目まぐるしく変化する時代の中で的確に立ち回るためには、状況判断が必須です。今、自社がどのような状況下にあるかを客観的に捉えられなくては、組織の内外で起こる出来事に対応できません。

アジリティの高い企業の多くは、トップから末端に至るまで情報共有が徹底し、些細な変化にもすぐに対応できる体制が整っています。また、日頃からチーム間でのコミュニケーションをとる土壌ができていることも、状況判断能力の高さに一役買っています。

3、柔軟な発想力と応用力がある
アジリティが高い組織はコミュニケーションが活発です。従業員ひとりひとりがアンテナを広く張り、積極的に情報を収集して、周りに共有しています。

旧態依然とした考え方の組織では、日々進化する時代の流れについていけません。アジリティの高さは、発想力と応用力の柔軟性に現れます。

あらゆる出来事に組織レベルで適応できる力があれば、不確定な要素にも即座に正しい対応ができます。個人レベルまで柔軟性が浸透している企業は、様々な課題解決に臨機応変に対応することができるため、組織としてのアジリティも高いです。

■組織のアジリティを向上の5つのポイント
変わりゆく時代に対応するためには、組織のアジリティの向上が急務です。

なぜなら、この先、時流の変化はますますスピードを増して行くと、保守的な体制の企業は、変化についていけず生き残れない可能性すらあるからです。

1、裁量を与える
組織として機敏に対応していくには、個人レベルでの俊敏性が高いことが前提となります。従来の働き方では、組織の中で与えられた役割を分担することが一般的でした。

個人の裁量で仕事を進められる範囲が狭いと、仕事を進めるスピードは遅くなってしまいます。これでは、変化する時代の早さについていくことはできません。

アジリティの高い企業は、方向性だけを社員に示し、実際の行動は社員の判断に任せているところが多くあります。

このような働き方は、アジリティの向上だけでなく様々なメリットがあります。社員にとっては様々な仕事を任されるため、成長機会が大きく、やりがいに繋がります。

また、顧客にとってもスピード感ある対応が期待できるため、企業イメージのアップにもつながります。

2、スタッフを信頼し、性善説で物事を進める
そもそも企業が「管理」したがるのは、スタッフを十分に信頼していないからです。

社内のコミュニケーションにおけるスピードを上げたければ、スタッフ同士が強い信頼関係を持てるカルチャーを醸成するのが最も効果的になります。

チームメンバーの仕事の能力についての信頼性が肝になると言えます。

質の高い仕事を定められた時間内に終わらせられるかといった項目について、メンバー同士で相手を確実に信頼することができるかがポイントになります。

そのためには、スタッフ同士が思いやれる環境と、正しい人選が重要になって来ます。

例えば、どれほど優秀だったとしても、自社のカルチャーフィットしておらず、他のスタッフに嫌な思いをさせるような人間は採用せず、社内にいないようになりません。

3、仕事のミッションと目標達成の意味を理解させる。
大きな仕事を成し遂げるには、仕事の意味とゴールを個人及びチームの能力に応じて与える必要があります。その際、その内容は明確で、チャレンジが感じられるもので、かつ成し遂げられるレベルであることが目標達成の鍵になります。

そのため、以下の3つのポイントついて、究極のゴールと組織文化を伝えることが欠かせません。

・与えられている仕事について求められている内容が理解できているか?
・それらを満たすためにどのように仕事しているか?
・個人の仕事がチーム全体のパフォーマンスにどのような影響を与えるか?

個人及びチームの仕事の結果が、どのような影響を与えるかを理解することが重要になります。

なぜなら、チームにおいて自分の働きが他のメンバーにどのような影響を与えているのかについて理解することで、チーム内における存在を確認することができるからです。

4、年に1度の人事査定よりも頻繁なフィードバックが大切。
企業規模を問わず、年一回の人事部による人事評価を楽しみにしているビジネスマンは少ないと思います。特にそれが1年に1回のペースだと、評価する側もされる側にもメリットが少ないと言えます。

なぜなら、数ヶ月前にあった出来事を取り上げて、それに対して良いか悪いかを伝えても迅速な対応に結び付くことが無いからです。

それよりも、その都度フィードバックを出したり、定期的な1on1ミーティングを設けて会社と個々のスタッフの目標と課題設定と、現状に対するディスカッションをする方が健全であり、素早い変化にも対応しやすくなります。

5、心理的安全性の高い組織を作ること。
心理的安全性「psychological safety」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。

組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。

チームで働く上において、自分が正しく受け入れられているかという心理的安全性があるかは、働く上で重要な要素になります。

なぜなら、メンバーから攻撃されたり、非難されることがないチームでは、質問をしたり、新しいアイデアを披露することにためらいが生じないからです。

お互いの信頼関係を高めていけば、「管理職」の必要性すら無くなってくるのです。

■まとめ
変化の激しい現代は、大企業でも耐えられないほどの変化が起こることもあります。企業規模を問わず、どのような変化が起きたときにも、柔軟に対応できるように、組織のアジリティを高めておくことが大切です。

これからの組織運営には、アジリティの高さが求められるようになります。しかし、組織のアジリティを向上させるのは簡単な事ではありません。

アジリティの高い組織は、社員それぞれが決定力や指導力をもって行動する風潮が成り立っています。

そのため、自然とリーダーシップが高い社員が集まります。誰もが迅速に行動できなくては、アジリティの高い組織は成り立ちません。

組織自体もリーダーシップを持った人材育成を重視しているため、よりアジリティの高い人材が増えていく好循環が生まれます。

アジリティ経営を行うには、従業員一人ひとりの意識の改革、組織風土の改革など、個人のことから会社全体のあり方までを見直す必要もあります。

変化の激しい時代を生き抜くためにも、早い段階でアジリティ向上への取り組みを行う事が大切です。それには、細部にわたるまで業務とシステムの見直しを図り、アジリティの高い人材を育成していかなくてはなりません。

アジリティの高い組織を意識的に作り上げることこそが、厳しい時代を生き残るための打開策となり、競争優位性そのものになると言えます。

社員が一丸となりアジリティを意識して、競争力の強い企業を目指しましょう。

■最後に
大手企業を対象にしたBtoBの法人営業では、決裁権を持たない担当者レベルと商談を行うことがあります。その場合、決裁権のあるキーマンが他におり稟議を通す必要があるため、購買の意志決定が遅くなりがちです。

スピーディに商談を運ぶためには、決裁権を持つ役員クラスとアポイントを獲得し、購買のキーマンに対して直接プレゼンテーションを行うことがアジリティの高い営業方法になります。

ですが、キーマンとの商談が有効だと頭では分かっていても、大手企業の最終決裁者に若手の営業マンが代表電話からアプローチしを行い役員クラスとアポイントを取得し、有効商談を行うのはそう簡単ではありません。

そのような際には、大手企業の経営トップとのアポイントやキーマンとの商談設定を推進することが可能な「営業顧問」の人脈を借り「トップダウン営業」を推進することが、アジリティの高いセールスを行う大きな武器になります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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