パーパスとは?持続的経営を行うために企業の存在意義が大事な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

現在、ビジネス環境や経済の変動を背景に、世界的な潮流として「パーパス経営」による利害関係の枠を超えたエンゲージメントを強化する取り組みが広がっています。

その理由としては、企業経営を行うに際しては、「ステークホルダー」となる、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会、地域住民 、金融機関、政府や行政機関などから信頼を得ることが欠かせないからです。

そのような際に「パーパス経営」を推進することで、ステークホルダーに自社や自社の商品やサービスに愛着を持たせ、信頼感を育てる効果が期待できます。

そこで、今回は、パーパスとは何か、持続的経営を行うために企業の存在意義が大事な訳について解説します。

「仕事は重荷であって、必要とされるものである。呪いであって、祝福となるものである。仕事を失うことが人を傷つけるのは、金銭ではなく誇りのためである。 

仕事とは人格の延長である、それは自己実現の源である。自らの価値を測り、自らの属性を知る手段である。」

<ピーター・ドラッカー>

■パーパスとは?
パーパス(Purpose)とは、社会との繋がりを強く意識し、社会における企業の「存在意義」を明確に宣言するものです。

経営戦略やブランディングのキーワードとして用いられ、企業や組織、個人が何のために存在しているのかを「ステークホルダー」に表明することを指します。

つまり、社会において企業が「存在する理由」のことを意味します。

企業が何のために存在しており、ビジネスを通じてどのような「貢献」を世の中に対して行うかをコミットし、実践して行くことを指し示します。

パーパス経営とは、パーパスに基軸を置いた経営方針のことです。パーパスを重視した企業活動を行い、社会に貢献していくことを目的としています。

近年、企業がパーパスに注目し始めた要因としては、VUCAの時代の到来、戦略・組織の多様化、社会的意義が重視される風潮など、社会や地球環境の変化は大きいものでした。

そのような急速な変化に対応するため、人々は生活や消費の習慣を見直すようになり、企業もそれを受けて、自社のあるべき姿を見直し始めたことが要因のひとつになります。

時代の変化に対応するため、人々は生活や消費の習慣を見直すようになり、企業もそれを受けて、自社のあるべき姿となる「存在意義」となるパーパスを見直し始めています。

パーパスと似ているものとしては、「ミッション」「ビジョン」などがあります。これらは未来に向けた実現すべき姿であるのに対し、パーパスは今、自分たちが何のために存在しているのか示すものだという点が異なります。

■パーパスが重要な理由
パーパスは、2019年8月19日に米国トップ企業が所属する財界ロビー団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が、「企業のパーパスに関する宣言」を発表したのをきっかけに、注目され始めました。

「企業のパーパスに関する宣言」でコミットが宣言された5点

1.顧客の期待に応える、あるいはそれを超える価値・サービスの提供
2.従業員への投資(公平な報酬、急速な世界の変化に対応した教育の提供)
3.サプライヤーに対する公平かつ倫理的な取引の実行
4.地域社会支援、環境保護
5.企業の投資、成長、革新を可能にするための資本を提供する株主への長期的な価値の提供

アメリカやヨーロッパでは、古くから、企業が持続し、発展するためには社会の持続・発展が必要であるから、企業はそれに貢献すべきという考え方があります。

この考え方を「CSR」といい、企業が組織として活動することで担う社会への責任を意味します。

企業は、利益を追求するだけでなく、現代の社会課題にフォーカスして活動することで、従業員や社会、投資家といったステークホルダーから「信頼」と「共感」を得られます。

その結果、ブランドの認知向上やロイヤリティ(loyalty)の向上、ひいては利益の増加にも繋がります。

変動的な世界情勢や不安定な経済などを背景に、社会に対して貢献したいと考える企業が増え、自社の存在意義を明確にする「パーパス」を重視する傾向になったのです。

■ビジネスの変革のためにパーパスが重要な理由
構造改革を進めていくためには、「ゴール(Where)」や「具体策(What)」に加え、判断軸・動機づけの根幹となる構造改革の「意義・意味合い(Why)」を明確に示すことが重要です。

パーパスは、「意義・意味合い(Why)」に当たるものであるため、パーパスに注目する企業が増えてきています。

支援してくれるステークホルダーの数が多ければ多いほど、企業の持続的成長の可能性が高まります。

企業の長期的成長のために「ESG(環境・社会・ガバナンス)」の観点で取り組みを行う企業が増加していることからも明らかなように、本業を通じて社会的課題を解決し、企業の成長や価値向上に繋げて行くという発想が主流になってきています。

パーパスに対して実直に取り組んでいる企業は、信頼できる印象を与えます。消費者や株主など企業のステークホルダーが、パーパスに共感して支持してくれるようになるでしょう。

企業は、信頼と共感で繋がる応援団員を増やすためにも、パーパスを明確にし、「社会とのつながり」「社会的意義」を重要視するパーパスに基づいて社会課題に向き合い続けることが求められていると言えます。

■パーパス経営の5つの条件
自社は何のために存在するのか、在籍する社員は何のために働いているのか、企業や組織、個人の存在意義を意味する概念、パーパスを重視する経営スタイルが、海外企業の間では、トレンドになりつつあります。

1、現在の社会課題を解決するものか
パーパスに必要な条件は「現在の社会課題を解決するもの」であることです。パーパスは「将来どうあるべきか」という理想論よりも、現代社会において顕在化している課題にフォーカスします。

企業の発展のためには、ステークホルダーとの信頼関係が欠かせません。

そのためには、企業が活動したり意思決定したりする上で、ステークホルダーの期待や関心を把握し、それに応えることが必要です。

今まさに自分たちの身の回りに起きている課題に向き合うからこそ、ステークホルダーが自分ごととして捉えられ、共感と推進力を得られるのです。

2、自社の利益に繋がるものか
企業は営利団体です。そのため、パーパスは単なる無償奉仕ではなく、企業の利益に繋がるものでなければなりません。

なぜなら、利益が出ない活動を続けると、企業の存続が困難になる上、投資家や従業員などのステークホルダーに不安を与えてしまうからです。

そのような近年、日本では、産地偽装や粉飾決算といった企業倫理を問われる不祥事や、環境問題の深刻化などによってCSRが注目されました。

CSRのための活動は、本来の事業とは別の社会貢献活動を指すことが多く、環境保護や文化支援などに取り組む企業がよく見られます。

短期的には利益に繋がらなかったとしても、長期的に見てブランドが浸透し、利益に寄与するパーパスを策定することが理想的なパーパス経営だと言えるでしょう。

3、自社が行うことに対し合理性が伴うものか
パーパスでフォーカスする課題は、自社のビジネスに密接に結び付いている課題であるべきです。

自社のビジネスとは全く関連性のない領域にフォーカスしたとしても、市場の理解が得られなかったり、長期的な利益に結び付かなかったりする可能性があるからです。

近年、企業は株主だけではなく、あらゆるステークホルダーの利益に配慮すべきだという「ステークホルダー資本主義」の考え方が世界中に広がっています。それに伴って、ステークホルダーにどれだけ配慮できているかが、企業を評価する指針のひとつとなってきました。

新しい新規事業を立ち上げる際の領域は、知見やノウハウも乏しく、初期投資が高くなりやすいというデメリットがあります。パーパス策定時には、「自社が行うことに対して合理性が伴うものか」という視点が必要です。

4、自社が実現可能なことか
パーパスは、自社が実際に取り組めて、実現可能なことでなければ、掲げる意味がありません。

あまりにも壮大過ぎるパーパスを掲げると、実現不可能であることが目に見えてしまい、ステークホルダーをしらけさせてしまうかもしれません。

パーパスが夢物語にならないよう、「そのパーパスを策定して、実現できる未来を具体的に想像できるか」と考えることが重要です。

企業が持続して発展するためには、ステークホルダーとの良好な関係が不可欠です。

ステークホルダーの意味を理解し、自分自身もステークホルダーである自覚を持って業務を遂行することで、ビジネスパーソンとしての視野がさらに広がるでしょう。

5、従業員をモチベートさせ得るものか
パーパスは、従業員のモチベートに繋がるものである必要があります。一般的に、ブランディングは社外に対して行うイメージがありますが、インナーブランディングは社内に向けて実施します。

この活動を行えば社員の企業に対するイメージが向上し、企業活動に良い影響を与えます。魅力的で社会に対して誇れるパーパスを策定することで、従業員一人ひとりが自分ごととして捉え、その企業で働く意義を見いだせるのです。

働く意義が明確になり、モチベーションが上がることで、ロイヤリティ(loyalty)やワークエンゲージメント、そして生産性の向上にも繋がります。

不景気などで会社の危機が訪れたとき、従業員の迷いや不安を払拭する道しるべとなるよう、「自分たちはどこに進むのか」を明確にするパーパスを掲げることが重要です。

パーパスを念頭に入れたインナーブランディングを実施することで、企業理念や自社の価値観を社内に浸透させて共感を得やすくなるでしょう。

■パーパスに取り組むために
パーパスを見直すことのメリットは、企業のサステナビリティ向上に帰着します。

企業は、利益を追求するだけでなく、現代の社会課題にフォーカスして活動することで、従業員や社会、投資家といったステークホルダーから「信頼」と「共感」を得られます。

パーパス経営を始める際には、まずパーパスを再定義することが必要です。自社のミッションやバリューを整理して、経営陣が自らの言葉でパーパスを定義します。

現在の社会課題を解決するとともに、自社の利益に繋がり、自社にマッチしているものであることが大切です。パーパスは斬新さにばかり囚われるのもいけませんが、表面的で人の心に響かないものでも意味がありません。

消費者の心を動かし、従業員のモチベーションが向上する独自のパーパスを定義する必要があります。

社内外の環境が変化している場合、パーパス経営に取り組むことは、時代のや環境の変化に対応するための取り組みとして有効です。企業価値を見直して強化したい時にも、高い効果を発揮します。

自社の価値を再確認して社員が共感を持てるように取り組みましょう。

■まとめ
パーパスとは、「社会の中で企業が何のために存在しているのか?なぜ事業の展開しているのか?」という企業の存在意義を明確に宣言するものです。

現在、VUCAの時代の到来などで、「企業の社会における存在意義を考え、その存在意義を軸にして経営を行う」というパーパス経営を行なう企業が増えています。

パーパスを見直す具体的なメリットとしては、ステークホルダーからの共感を得られることです。

パーパスを設定し、実際に取り組むことで、そのパーパスに共感するステークホルダーからの支持が集まります。

就職活動の際の企業選びの軸としても、ミレニアル世代は社会課題の解決を重視すると考えられています。優秀な人材を確保して生き残っていくためにも、多くの企業がパーパス経営に注目し始めています。

パーパス経営を実施すれば、自社の価値や企業理念について社員の理解を深められます。

自社に対するイメージが向上し、社員同士の連帯感も強化できるでしょう。自分が所属している企業は価値があると認識できれば、社員の自社に対するロイヤリティやエンゲージメントも高まります。

ロイヤリティとは忠誠心、エンゲージメントは愛着のことです。社員の自社に対する信頼が高まると、定着率の向上も期待できます。自社の考え方に共感できる人材が増えるため、離職率の低下に繋がるでしょう。

その結果、目標達成を目指し、社員全員が一丸となって取り組めるようになります。組織としてのパフォーマンスの向上も期待できます。

■最後に
多くの企業では、営業部門が新規開拓の課題に直面し、期待されている成果を出せていないということが少なくありません。

成約率が低い状況が続くことは、営業部門の「存在意義」に関わる重要な問題が発生していると言えます。

営業職の個人の成約率は、そのスキルや経験に依存します。

しかし、営業部門全体の成約率が低い場合は、何か顕在化していない大きな問題があると考えられます。

成約する見込みが薄いなかで営業活動を続けると、営業担当のモチベーションも低下しがちです。成約を重視するあまり無理なアプローチをかけ、結果的に顧客の信頼を損ねてしまうことで、さらに売れなくなるといった悪循環も起こり得ます。

一般的な営業開拓や広告などでのインバウンドセールスに比べて、顧問からの紹介は、最も信頼性の高い新規開拓の手法といえます。

BtoBで営業活動を行う場合、インターネット上での広告展開には限界があります。

特に検索エンジン広告に多額の広告費を投下しても、新規顧客の獲得単価が高騰しているため、費用対効果が合わず、ネット広告では、大手企業のキーマンへのアプローチには適していると言えません。

ですが、信頼する知人からの紹介であれば、大手企業の役員クラスや決裁権限を持つキーマンが製品・サービスの提案についても話を聞いてくれる可能性が非常に高くなります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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