顧問弁理士とは?知財戦略に精通した弁理士と顧問契約のメリット

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

様々な業界で、競合との競争が激しさを増す今、近年のスタートアップの経営戦略の動きとして、知的財産権を効果的に獲得するための知財戦略を立てる必要性が増しています。

なぜなら、限られた経営資源の中でビジネスを推進する必要があるベンチャー企業の場合、知的財産権が取得できるか否かは、競争優位性の獲得という観点からも経営に大きな影響を与えるからです。

特に中小企業の経営者は、知財戦略を踏まえたビジネスモデルを考案し、優秀な弁理士と顧問契約を行いビジネスを推進することが競争優位性に繋がる可能性が高いと言えます。

そこで今回、顧問弁理士とは何か、知財戦略に精通した弁理士と顧問契約のメリットについて解説します。

■顧問弁理士とは?
顧問弁理士とは、「特許法」や「知的財産法」などの法律に基づき、産業財産権の取得や産業財産権の紛争解決をスムーズに行うことができる、国家資格者になります。

「知的財産法」の対象は、知的財産などから生み出されるアイデアや発明になります。

特許権の出願時の明細書を作成するためには高度なノウハウとテクニック、そして権利を出願する分野の専門性が求められます。

知的財産権には、特許法、実用新案法、意匠法、商標法があります。それらの申請手続きや取得、ライバル企業との知財による紛争が起きた際の解決は、高度な技術的、法律的、実務的知識を必要とします。

知的財産権を経営戦略に十分生かすためには、ビジネスモデルと結びついた権利を取得することが必要になります。特に自社の事業の中心となる技術に関しては、他社に侵害されないために知的財産権を取得することが必要です。

単純に権利化することを目指すのではなく、要素技術しつつ、周辺特許を抑える必要があるため、パテントポートフォリオを作成し、目的をもって知的財産権を取得することが重要となります。

顧問弁理士と顧問契約を行い自社の事業戦略の一つとして、知財戦略を取り入れ効果的に弁理士を活用していくことが大切なポイントです。

■知的財産権による知財戦略の目的
特許権や商標権などの知的財債権は、自社が独自に開発した商品やサービスを模倣から防ぐ強力な武器になります。

特に要素技術が権利化することができれば、ライバルとの違いを打ち出すための競争優位性の源泉となります。競合他社の参入、追随を退けるのが知財戦略の目的のひとつになると言えます。

パテントの取得により、特定のマーケットでのビジネスを独占的に推進することができれば、それまでの企業努力や研究開発によって得た知識から得られる収益を最大化することができます。

知的財産権は、ライセンス収入を得ることも可能になるため、より効率よく収益に繋げる大事な経営資源となります。

中小企業やベンチャー企業でも、知的財産権を武器にして、ライバル他社の市場参入を阻止することができれば、ビジネスを拡大し大きな収益を得ることが可能です。

なぜなら、特許権や商標権を取得できれば、その分野のビジネスを簡単に真似をすることができなくなります。企業規模に関係なく、特定のマーケットを一定期間、独り勝ちできる可能性が広がります。

■特許が認められるための要件
特許出願よりも前に世の中に知られてしまった発明や、実施された発明は、新規性を有しないとして、特許は認めらません。

発明について、特許が認められるためには、以下の「特許要件」を満たす必要があります。

1、産業上利用することができる発明
特許制度は産業の発展に寄与することを目的としているものですから、産業上利用することができるものでなければなりません。

人間を手術、治療又は診断する方法や、学術的・実験的のみに利用されるもの、実際上、明らかに実施できないものなどは、産業上利用することができる発明に該当しません。

2、新規性のある発明
客観的に新しい発明でなければ特許を受けることができません。自分がした発明であっても、出願前に自らの行為によって世の中に知られるようになった場合は、新規性を失うために特許を受けることができません。

3、進歩性のある発明
その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許出願時に公知となっている技術の水準からして容易に考えつくことができる程度の発明は、進歩性がないとして特許を受けることができません。

このような発明に特許を認めると、かえって日常的に行われている技術的な改良等に支障をきたすおそれがあり、特許法の目的である産業の発達を妨げることになりかねません。

4、先願の発明
我が国の特許法は、一日でも早く特許出願をした者に特許権を与える先願主義を採用しているため、発明の先後にかかわらず、特許庁に先に出願されている他人の特許出願の明細書等に開示されている発明と同一の発明については、特許を受けることができません。

5、公序良俗を害するおそれのない発明
紙幣偽造機械、阿片吸引具等、法律で製造・販売・使用等を禁止されているものの発明は、特許を受けることができません。

特許を受けることができる対象となるものは「発明」ですが、特許法では、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」が「発明」であるとされています。

そして、「発明」であっても、すべてのものが特許を受け得ることになるものではなく、次の要件を満たす「発明」のみが特許を受け得ることになっています。

■顧問弁理士と顧問契約を行うメリット

1、顧問弁理士による迅速な対応。
弁理士に一見客として特許出願や商標の出願を依頼しても、多忙な場合には、緊急を要する特許出願でも対応が後回しになることがあります。

また、ビジネスが上手くいき出してから「貴社の製品は特許を侵害している」などの権利侵害の警告を受けると、大きな損害を受ける可能性があります。経営的に大変な事態になる恐れがあります。

以下の産業財産権の取得に関しては、弁理士の独占業務になり、特許明細を書き上げるには、高度なスキルが必要になるため、素人では出願はおろか、権利を取得するのは、非常に難しいと言えます。

・権利の取得
・鑑定・判定・技術評価書
・外国における産業財産権の取得及び対応

2、知的財産活用の一貫体制を構築できる。
中小企業では、社内に知的財産権の専門家がいるケースが少なく、特許を自力で出願し権利取得まで行える担当者は殆どいません。

事業拡大する上では参入障壁となる知的財産の活用するだけでなく、以下のような紛争解決に必要な法的手続きが必要になるケースもあります。

・訴訟
・裁判外紛争解決手続
・輸出差止め

こういった場合に、顧問弁理士がいれば、知的財産の申請などの実務だけでなく、事業に合わせた知的財産権の創造、保護、活用の一貫した知財戦略を描くことが可能になります。

3、知財管理のコストの削減を図ることができる。
顧問弁理士と顧問契約を行うと年間数十万円のコストが必要になります。

知的財産の専門家である弁理士と顧問契約を結んでいれば、社内に人材を抱えるよりも費用も安く、知財のノウハウや人材流出などのリスクもありません。

顧問弁理士は、ライセンス取引関連業務や特許出願に関する以下のようなコンサルティング業務を行います。

・取引関連業務
・契約の締結等
・著作権管理業務

■知財戦略のポイント
弁理士は、優れた技術的思想の創作(発明)、斬新なデザイン(意匠)、商品やサービスのマーク(商標)に化体された業務上の信用等を特許権、意匠権、商標権等の形で権利化をするための特許庁への出願手続代理を主に行います。

中小企業の経営者にとって技術情報を守り、数少ない開発製品を取られないためには、知財戦略が非常に重要になると言えます。

なぜなら、経営資源の乏しいベンチャー企業にとっては、知的財産戦略の有る無しが、経営に与える影響が非常に大きくなるからです。

そのため、予防線を張る意味でも、知的財産権を取得し、他社が侵害できないようにしておく必要があります。

知的財産権があると、特許や商標権を侵害された場合には損害賠償請求などの対応策もできます。

知財戦略などのコンサルティング事業といった付加価値の高いサービスを知財部を持つことができないベンチャー、中小企業などに提供していくことが弁理士には期待されています。

■まとめ
知的財産権を取得することで、中小企業やベンチャー企業も市場で優位に立ち、大手企業と対等に渡り歩くことができるようになります。

特にインターネット領域のスタートアップや製造メーかーの場合、商品を開発する前段階から知的財産権を申請し、権利を確保するための、知財戦略を練ることは、サバイバルな時代に生き残るための鍵になります。

ビジネスを飛躍させるためには、自社がターゲットとする分野に精通したハイスキルな顧問弁理士と顧問契約を行い、ライバル他社との差別化やライセンスによる収益、独自の技術などを生かした経営を目指すことが欠かせません。

長期的な視野を考えると顧問弁理士との顧問契約により、知的財産権を取得することは、自社のビジネスをプロテクトする大きな安全策となります。

どの技術を出願するかの選択も含め、顧問弁理士に相談しながら複数の特許で構成されたパテントポートフォリオを作り上げ、知財戦略を練ることが大切です。

「大事なことは、君の頭の中に巣くっている常識という理性を綺麗さっぱり捨てることだ。もっともらしい考えの中に新しい問題の解決の糸口はない。」

<トーマス・エジソン>

■最後に
特許権などの知的財産権は、生み出された知識を権利として確保し、ビジネスモデルを保護したり、事業を飛躍的に拡大するための強力な武器になります。

知財戦略では、どの企業の経営戦略にも共通する目標が、「投資からより多くの収益を得ること」であり、特にメーカーやインターネットの会社など技術系の企業では、研究開発に投資したコストから生み出された知識をいかに収益に結びつける「ROI」が成功のカギになります。

その際、自社の強みとなるコア技術は侵害されないよう保護することが重要になりますが、自社の事業をプロテクトすことを目的に取得する特許を「守りの特許」と呼びます。

特に開発から製造・販売まで一貫して自社で行う企業にとっては、「守りの特許」最も重要な権利と言えます。

一方、自社の弱みを解消するため、他社との交渉材料として使う特許を「攻めの特許」と呼びます。

他社が欲しがる「攻めの特許」を多数取得していれば、自社の特許をライセンスする交換条件として他社の特許をライセンスしてもらう、クロスライセンスと呼ばれる戦略をとることも容易になります。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」は、知財の専門家である顧問弁理士や事業開発のエキスパートの顧問やプロ人材が5000人以上集結しています。

知的財産権は、様々な特許の使い方が考えられますが、基本戦略として「守り」と「攻め」の特許を押さえておくとスジの良い知財戦略を立てやすくなります。

利益の源泉であるコア技術は独占しつつ、周辺領域の技術は広くライセンスして普及を促すことで成功している企業も沢山ありますが、大手企業とライセンス交渉を行うには、知財の知識だけでなく、ノウハウや人脈も必要になります。

知財戦略立案・実行、新商品開発、新規事業の立ち上げなどでお困りの企業様がいましたら、是非、KENJINSにお気軽にご相談ください。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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