本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「真実は重い。だから、それを小脇に抱えていられる人は、数少ないのだ。」
<タルムード>
現在、みずほ銀行のATMのシステムの不具合が大きな社会問題として、マスコミにも取り上げられておりますが、巨大企業であればある程、大手のシステム開発会社に依頼する傾向が非常に高いです。
最大の理由としては、財務体質が盤石な大手企業への発注であれば、仮にシステム的な不具合が発生した際に責任を転嫁することができ、莫大な損害賠償の請求が可能だからです。
大きなシステム刷新プロジェクトに取り組む際に、社内で提案し稟議を通す担当者にとっても、それを受けて社内で決裁するキーマンにとっても、トラブルが勃発した際に責任を回避でき、将来的に何か不都合な事態が起こっても、瑕疵担保責任の条項があれば、他社のせいにできるからです。
ソフトウェア業界は、古くから展開的なピラミッド構造になっているため、大手企業の下請けで仕事をしている会社が多く、孫請けなどは一般的で、三次受けや五次受けのシステム開発会社も存在していることが以前から、当たり前になっています。
それゆえ、いかに技術力があるベンチャー企業であっても、金融系など大規模な基幹システムの受託開発を任せるケースは、ほぼあり得ません。
もちろん大手ならエンジニア人材が大勢いるため、システムエンジニアやプログラマー、プロジェクトマネジャーが揃っており開発体制が整っているから安心できるためという場合も当然あります。
大手企業が、社運を賭けた経営革新を行う際に数千万~億単位円の報酬を払って有名なコンサルティング会社を使うことにこだわる本当の理由は、そこには内部の人間にとっての大事な意味があるからなのです。
<本田季伸>