本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「世界が変わると信じていれば、自分がその一端を担えると信じるのはごく自然なことだ。」
<ジェフ・ベソス>Amazon.com創設者
最強の組織作りや営業部隊を構築するために必要なことは、取締役、マネージャー、営業に「一人一人が社長」だという経営者的な感覚を植え付け、組織全体を「エンパワメント」することです。
なぜなら、全員が「起業家精神」を持ち合わせ、自立した考えで事業のスケールアウトに挑む人がいる会社は、いかなる困難があっても途中で投げ出すことなく、大きな目標達成に向けてアグレッシブに取り組む「最強の組織」だと言えるからです。
「エンパワーメント」とは、組織を構成する一人ひとりがチカラを身に付け、自ら意思決定し、自発的に行動を起こして行こうとする自立型の人材を育てていく考え方になります。
私が新卒でジョインした「日本食研」という食品メーカーでは、あらゆる社員の机の上には、「○○商店社長」という個別の名前で立て札が常に置かれていました。
あなたの名前が本田なら、「本田商店社長」という具合です。
営業マンの場合には入社してから3ヵ月程度で一人で200件以上の得意先の担当を任せれ、既存顧客への提案型営業と並行しながら、毎日、3件の新規顧客を開拓を行っていました。
自ら考えて行動することが当り前で、営業から代金の回収までを行い「前年対比」で、営業成績と回収率が良いと評価されます。
「前年対比」で自分が叩きだした昨年の売上を100%とし、130%程度に上げることが「ノルマ」として課せられ、自分自身が達成した昨年の売上を超えることが、人事の「評価基準」として見事に確立していたのです。
更に「大相撲コンテスト」という仕組みがあり、毎月、日本全国の1000人以上の営業の数字が取り組みの「番付表」として配布され、過酷な競争環境に常に置かれるため、毎日、毎月、毎年、継続して成果を上げないと生き残れない、過酷なサバイバルモードが続きます。
ですが、ほとんどが新卒入社で、他社と比較することが出来ないので、これが普通なのだと皆考えます。慣れと言うものは不思議なもので、厳しい環境の中で数年連続で「自分を超える」大きな結果を出せば、提案スキルや新規開拓のノウハウも身に付き、昇進もします。
営業当時は、そんな厳しい中でも楽しみながら活動が出来ていたので、経営者になると理想の会社なのかも知れないと思いようになりました。
上からの指示がないと何の行動も起こせない「マニュアル人間」や「ヒツジの群れ」が1000頭が集まる企業よりも、社員全員が考え行動を起こす「一匹オオカミ」的な「野生」の感覚を持つメンバーが集まり、社内競争のある企業が成長するのは、至極当然の結果だと言えるでしょう。
「自律型組織」を実現するには、現場に「権限委譲」のみならず、一人でも生き抜くスキルを与えること。すなわち、「自ら適切な課題を設定して、企業のイノベーションを興す人材を育成する」ことが持続的繁栄には欠かせません。
あらゆる企業が今後も生き残るためには、「企業の理念や哲学、価値観をベースに、「社員一人一人」が主体的にビジネスを考え、経営革新を促すために「社内起業家」を育てるべきなのです。
一人一人が社長である意識を持たせ、自立型人材を育ててますか?
<本田季伸>