中小企業やベンチャー企業を問わず、企業が売上を上げ、持続的な成長を実現するためには、既存顧客をフォローしながら、定期的に新規顧客を開拓し続ける必要があります。
ですが、新規開拓が大事だとは言え、あらゆる企業に対してに無差別にアプローチしても良い成果は出ません。
そこで役に立つのが、「営業リスト」を作り上げることです。
なぜなら、営業リストを作成することで、理想とする自社の顧客層が明確化できるため、効果的な営業活動を行うことが可能になるからです。
そこで今回、営業リストとは何か、新規開拓を行う際の営業リストを作るポイントについて解説します。
「正しい結果を与えてくれる最も簡単な分析は何か。最も簡単な道具は何か、を問わなければならない。アインシュタインは、黒板よりも複雑なものは、何も使わなかった。」
<ピーター・ドラッカー>
■営業リストとは?
営業リストとは、営業活動を行う上で必要となる顧客情報が記載されており、新規顧客になる可能性を秘めた「セールスリスト」のことを指します。
「ターゲットリスト」や「アタックリスト」と呼ばれることもあります。
毎日多くの営業活動を行う中で、アポイントの獲得や成約のカギとなるアプリ―チ先を選定することは必須になります。
特にテレアポを実行したり、新規顧客の開拓を推進するには、なんらかの企業情報ソースが必要です。
そのような先に活躍するのがターゲット企業を集約した「営業リスト」になります。
新規顧客の候補企業をデータベースに一元化することで、新規顧客を探す際の基準になるため、効率よく営業活動を進められます。
営業リストに記載される主な内容は、下記のとおりです。
・企業名
・代表者名
・電話番号
・住所
・担当部署
・担当者名
・メールアドレス
・企業の経営状態
・企業の課題の把握
・案件の受注確度
営業リストは、営業活動を効率的に進める上で必要不可欠な存在です。
なぜなら、営業マンが、電話営業や訪問営業、DM送付などを行う際に「営業リスト」が新規開拓の起点となるからです。
■営業リストを作成する5つのメリット
営業リストを作成すれば、いくつかのメリットを享受することができます。営業リストを作成する具体的なメリットをご紹介します。
1、営業活動を効率化できる。
営業リストを作成することにより、スピーディーにターゲットへアプローチできます。
営業リストを作成して、新規顧客へのアプローチ情報を一覧で確認できるようにすれば、営業活動を効率化することができます。電話やメールによるアプローチをスピーディーに行うことができますので、リード獲得数アップに繋がります。
2、受注件数を増やすことができる
営業リストを確認して、受注確度が高い顧客に優先的にアプローチすることで、受注件数を増やすことができます。
また、受注確度の低い顧客へのアプローチに、時間をかけてしまうといったリスクも回避することが可能です。
データが蓄積されて行くと、顧客が抱えている課題やニーズが見えてきます。それらを把握することができれば、次にどのようなアプローチをすれば良いかも考えやすくなるでしょう。
3、顧客情報を蓄積できる
多くの人と関わることが多い営業ですが、特に新規開拓の場合は不特定多数にアプローチします。この場合、いつどの顧客にアプローチしたのかを細かく覚えておくことは困難です。
しかし、顧客情報をリスト化しておくことで、すぐに過去を振り返ることができます。
一つのリストに情報を集約しておけば、情報をあちこち探し回る手間もありません。
4、顧客へのアプローチ情報を共有できる。
営業マンがそれぞれのやり方で個別に顧客管理をしてしまうと、進捗状況などをすぐに把握することは困難になります。
セールスに携わる営業マンの数が多い会社の場合、同じ顧客に対してアプローチしてしまう可能性があります。
そのような場合、顧客からのクレームに繋がることもあります。
そのような際に、営業リストがあれば、顧客情報を営業部門全体で共有する仕組みがあれば、複数の営業マンが同じ顧客に重複してアプローチするといったトラブルを回避することが可能です。
5、営業担当者が次に行うべきことを把握できる。
営業リストの案件の進捗を確認すれば、営業担当者は次にやるべきことをすぐに把握できます。
例えば、初回でコンタクトした際に話したときの手応えや、会話で見えたニーズなどを記録しておくことで、より精度の高い見込み客を見極めることが可能になります。
一人の営業担当者が複数の案件を同時進行している際に、優先順位を決めることもできます。精度の高いホットな見込み客を見極めることができれば、成約率も自然にアップしていくでしょう。
■営業リストを作成して活用するための5つのポイント
営業リストを効果的に活用するために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
1、ターゲット層を明確にする
企業情報がただ一覧になっているだけでは、質の高い営業リストとはいえません。
効率の高い営業活動をするためにも、ターゲット層や精度の高い見込み客が絞れる設計にすることが大切です。
そのようなリストを作成するためにも、どのようなターゲットにアプローチするべきか明確にしましょう。自社データや他社を丁寧に分析し、成果の出やすいターゲット層を明確にすることで、より質の高いリストを作成できます。
2、リストを営業部門全体で共有する。
営業リストは作成したら終わりではなく、その情報をしっかりと営業部門全体で共有することが大切です。
営業リストは、ツールなどを使ってデータベース化すれば、規模の多い企業でも簡単に情報を共有することができます。
顧客情報を営業担当者間で共有することで、組織的な営業活動を進めることができます。最新の情報をすぐ把握できるようにすることで、より効果的な営業活動ができるでしょう。
3、営業リストのデータを最新化する。
案件に進展があったり、顧客の担当者が変わったりした場合、営業担当者は営業リストを忘れずに更新する必要があります。
顧客情報が更新されないままだと、担当者の名前を間違えて連絡してしまうなと、失礼な対応をとってしまうリスクがあります。
何度もテレアポでアプローチを行った結果、企業から連絡を控えるように依頼を受けていたにも関わらず、その情報が更新されていなかったらどうなるでしょうか?
知らずにアプローチしてしまい、クレームが来る可能性が高まります。このような事態を避けるためにも、常に最新の状態を保つことを意識することが大切です。
4、案件の進捗・受注確度も記録する。
営業リストには、住所や連絡先など顧客の個人情報だけでなく、案件の進捗や受注確度なども記録することが欠かせません。
顧客の情報のほかに、営業の確度やアプローチの回数や担当者などを記載することもあります。
このような営業リストを活用することで、より効率的に営業が実現します。
営業マンは、案件の進捗や受注確度を確認することで、適切なアプローチの方法を選択できるため、受注に繋がりやすくなります。
5、顧客企業が属する業界の動向も記載する。
営業リストの中には、顧客企業が属する業界の動向なども記載するといいでしょう。
市場動向が分れば、景気が上昇している業界に属する顧客に優先的にアプローチすることで、受注件数が増加する可能性が上がるからです。
新規の営業先を見つけ出す上では、「どの業界が伸びているか」、「どの企業が伸びているか」など、常に新しい情報を競合企業よりも早く察知することで、営業対象先として抽出することができます。
また、ライバルの正確な情報を共有して置くことで、自社との比較や取り組む上での課題を知る手掛かりとなります。
顧客にとって役立つ情報を収集し提供することで、商品やサービスを売り込む際に、話題づくりになったり、課題解決を探すヒントにも繋がります。
■成果の出やすい営業リストを作り上げる大切さ
顧客情報が記載されているだけの営業リストを用意するだけでは、効果的な営業活動は行えません。
効果的な営業活動を行うには、「質のいい」リストを作成し、適切に管理する必要があります。
成果の出やすいターゲットが並んだ営業リストは、社員のモチベーションアップにも繋がります。
なぜなら、精度の高い顧客にアプローチすることは、成功体験を得やすいからです。
興味のない顧客にひたすらアプローチしても、なかなか成約は得られず形だけの営業となってしまうこともあります。
それではモチベーションが下がってしまうのも無理はありません。情報がただ列挙された営業リストで営業すると以下のような現象を引き起こします。
・頑張っても新規顧客が全然増えない。
・新たな売上アップに直結しない。
・営業マンが疲れて疲弊してしまう。
・行動量に対して成果が担保できない。
・時間あたりの労働効率の低下に繋がる。
・人件費の支出に対して収益バランスが合わない。
質の高い営業リストは、成約率にも関係があるため、社員のモチベーションにも大きく影響します。そのため、「成果を上げるための必要なリスト」を作らなければ意味がありません。
■営業戦略を練り上げる重要性
営業リストを作成する前にはまず、自社の営業戦略を構築する必要があります。これは、営業戦略により、必要なリスト業者や情報取得ツールが異なるためです。
営業戦略とは、「どのようなマーケットで、どの顧客に、どの商品を中心に売っていくか」を決めることです。
営業戦術とは、「実際にどのように売るか」ということです。
以下が、営業戦略を立てる基本的な手順になります。
1、目標の確認(売上目標、シェア)
2、環境分析(景気の動向、ビジネス環境、マーケットの変化)
3、競合分析(新商品の動向など)
4、自社分析(強みの発見、現時点での戦力の把握)
5、顧客分析(重要既存顧客の決定、潜在顧客の把握、分析)
6、現状の課題と対応策を決定
7、戦略プラン策定、アクションプラン策定
このように営業戦略と営業施策を構築することで、どのような営業活動を行えば良いのかが明確になります。
経営方針に沿った中長期的な営業戦略を立案することにより、「営業リスト」を作り上げる目的が明確になり、受注精度を高めることにも繋がります。
営業の現場は常に変化しています。
顧客の予算も変われば、他社が優れた新商品を投入してくることもあります。
その中で自社が勝負できる商品やサービスにフォーカスし、どのような顧客を対象にして、どのような売り方をすべきかを決めていく必要があるのです。
■まとめ
営業リストを作成する本来の目的は、作業効率を最低限に抑え、受注件数を最大化させることです。
営業マンは、自社の収益を上げるためになくてはならない存在です。企業にとって営業は必要な存在であり、営業に必要不可欠な存在が「営業リスト」です。
ただし、企業の情報が記載されているだけの営業リストでは、ターゲットを明確にするのは難しいでしょう。
作業効率を上げるためには、営業リストにどれだけターゲット企業が含まれているかが重要です。
ターゲットが絞り込まれていないリストを使うと、営業活動の効率悪化に繋がります。
その理由としては、商品やサービスのニーズが低く、商材が求められていない企業に営業をかけても成果を上げることは難しく、営業リストに費やした時間や労力が無駄になってしまうからです。
そのためには、企業分析が十分にできているかも重要です。
この企業分析は、競合との比較や株価情報などの情報を踏まえて分析するもので、これがあれば営業活動はかなり行いやすくなるでしょう。
例えば、上場企業ではIR情報を分析することで、現在の経営状態や今後の注力する分野のなどの方向性を読み取ることができます。
・現状を踏まえた中長期戦略における経営層の意思。
・新規事業など新たな投資に対して積極的かどうか。
・中長期戦略において経営者が何にフォーカスするか。
これらを踏まえて、自社サービスとの親和性を提案することで、より具体的な実現策やメリットを提案することができます。
■最後に
営業リストを作成する場合、ABMと連携させて営業活動を行うことでさらに効果を発揮します。
ABMを活用してリストを作成することで得られるメリットは下記のような点になります。
・受注確度の高い案件から優先的にアクションできる。
・投資するリソースを限定できるのでROI面から効果的。
・営業マンの工数を適切な状態に保つことができる。
ターゲットの企業に対して、適切なアプローチができた上で受注を獲得することが自社収益への貢献にも繋がります。
収益を最大化させるためのターゲットを理解して、成果をあげるためのリストを作成し、効果的なリストを作成しましょう。
ABMは、アプローチすべき企業をあらかじめ選別して、経営資源を投下する「選択と集中」の考え方です。
成約する見込みの薄い顧客に対して「多額の広告費や人的なリソースを投下したにも関わらず成果に繋がらない」という失敗を回避する可能性が高まります。
少数の顧客に集中的にアプローチを行うため、従来よりも手厚いケアができ、営業活動のクオリティー向上も期待できるでしょう。
「パレートの法則」によると、企業の全売上のうちの80%は、上位20%の優良顧客によって生み出されるという事実があります。
ですが、中小企業やベンチャー企業の場合、営業リストを作成することができたとしても大手企業にアプローチし、決裁権限を持つキーマンとのアポイントを獲得し、有効商談を増やすることは、そう簡単ではありません。
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新規開拓の課題に対して、顧問契約をベースに「人数無制限」でかつ「成果報酬型」の顧問料で大手企業の役員クラスとアポイントを獲得することを実現します。
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