OKRとは?高い目標を達成するためにOKRを導入するメリット

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

組織のパフォーマンスを最大化するには、目標設定に「OKR」を導入することが効果的だと言われています。

OKRは、インテル社で誕生し、GoogleやFacebookなど、シリコンバレーの有名IT企業が取り入れていることで、注目を集めています。

生産性や社員の士気の低下は、目標の設定の方法と目標管理、社内コミュニケーション不足に起因することも多く、そうした企業の改善策としてOKRが非常に有効です。

そこで今回、OKRとは何か、高い目標を達成するためにOKRを導入するメリットについて解説します。

「高い目標を設定すれば、当然道は険しくなります。だからこそ、自分が人生を賭けてもいいと思えることに取り組まなくてはいけません。自分を騙して、やりたくないことを無理に続けてはなりません。」

<河原成美>

■OKRとは?
OKRとは目標の設定・管理方法のひとつで、高い目標を達成するための目標管理法のことを指します。OKRは、英語では「Objectives and Key Results」。

日本語では、「目標と主要な結果」の略称です。

OKRのOとは、組織が達成を目指す「Objectives」(目標)を意味します。

OKRのKRとは、「Key Results」(主要な結果)であり、Objectiveへの進捗を図るための具体的な指標を意味します。

OKRは、1970年代にインテル社が採用したことに続いて、今ではGoogleやLinkedInなど多くの名だたる企業で導入されています。

OKRの主な特徴は、従来の計画方法に比べて高い頻度で設定、追跡、再評価することにあります。

単なる目標設定の形式だけではなく、目標管理を通じて組織で成果を挙げる取り組み全般を含めた組織マネジメント手法をOKRになります。

また、OKRのゴールはすべての従業員が同じ方向を向き、明確な優先順位を持ち、一定のペースで計画を進行するにあるとされています。

OKRは、企業内のあらゆる組織・チームが同じ重要な課題に全力で取り組むための組織マネジメントを可能にします。

高い頻度で設定、追跡、再評価を実現する場合には、 評価制度を効率よくサイクルを回すことが重要です。

■OKRによる目標設定の基本的な考え方
OKRは一つのO(目標)に複数のKR(主要な結果)が付随するという形で成り立っています。Objectives は「目標」、Key Resultsは「主要な結果」のことです。

それぞれを企業⇒部門⇒チーム⇒個人という階層ごとに設定します。

これだけでは、従来の目標管理とそれほど変わりがないように見えますが、OKRの特徴は、個人と企業の目標をリンクさせています。

目標設定⇒進捗確認⇒評価という一連の流れを高い頻度でPDCAを行うことです。

1.企業全体の重要な「達成目標」と「主要な成果」を決定。
2.企業の達成目標とリンクさせながら、チームのOKRを決める。
3.個人のOKRの順に細分化しながら設定して行く。
4.企業が求めている結果がチームの目標にする。
5.チームが求める結果が個人の目標と重ねる。
6.企業と個人の目標の方向性が統一される。

これにより組織目標を階層別にブレイクダウンし、スピーディーな目標達成が可能となります。

OKRは、設定した目標を達成するための計画を立て、進捗状況を共有しながら業務を進めるというシンプルな組織マネジメント手法だと言えます。

■OKRとKPI・MBOとの違い
OKRと特に混同されやすいのが、KPIとMBOです。

KPI(重要業績評価指標)は、最終目標(KGI)達成にいたるまでのプロセスをチェックする中間指標です。

KGIを達成することが主眼となるため、KPIは現実的な数値を置きます。達成することに意味がある指標なので、評価にも活用されます。

一方でOKRは、企業が一丸となって目標を達成するための手法になるため、「高い目標設定」をすることに意味があります。また、評価に活用されることはありません。

MBO(目標管理制度)は、より「評価制度」としての意味合いが強いものです。MBOは報酬の決定にも使われ、定量的・定性的ともに考慮します。

レビューサイクルは毎年、あるいは半年に1回とやや長めです。また、OKRは報酬の決定には使われませんし、定量的な項目のみを測定対象とします。レビューサイクルも、OKRの方がMBOより短いという違いがあります。

■OKRの3つの特徴
OKRには主に3つの特徴があります。

1、目標を高く設定する(ムーンショット)
OKRで設定される目標は、60~70%の達成でも十分なほどのチャレンジングな目標を設定します。

OKRによる目標設定では、基本的に大きな目標を立てるため、60~70%の達成で成功とみなされます。敢えて困難な目標を設定することによって、イノベーションの余地が生まれ、大幅な業績UPにつながる可能性があります。

ここまで達成すればいい、というノルマ的な目標の立て方ではなく、達成することは困難だが、実現すればインパクトがある目標を立てます。

2、組織の目標を見える化しツリー形式で繋げる
OKRは、チームのモチベーションを高めるような挑戦しがいのあるもので、1カ月から四半期(3カ月)で達成できるような目標であると定義されています。

OKRは透明性が重要とされており、経営方針となる会社全体のOKRから部署、個人のOKRまでを公開しそれぞれのつながりまでを明確にします。

目標が明確化されると従業員のモチベーションが高まり、業務に対してより情熱的に取り組むことができます。OKRは全員で共有されるため、自然とチームを超えた社内でのコミュニケーションも増え、統一感のある企業へと成長していきます。

OKRによって組織の全体図を作ることによって一体感が生み出され、所属するメンバー1人1人が効率的に働けるようになります。

3、高い頻度で目標をスコアリングし振り返る
日本の多くの企業で行われている目標管理は、人事評価制度と紐づいています。その性質上、目標の設定、振り返りや評価は半年~1年という長い期間を経て行われています。

OKRはそれよりも短く、四半期(3ヶ月)単位で目標を設定し、チームミーティングや、「1on1ミーティング」を通じて、週次~隔週の頻度で振り返りを行います。

目標達成に向けて継続的に軌道修正を行い、刻々と変化する状況に対して正しい方向に向かうことができているか、意味のある施策を実行できているかを確認します。

頻度高く振り返ることで、立てた目標とは別の業務にリソースを使っていた、という状況を防ぐことができます。

■OKRを導入する6つのメリット

1、目指すべき方向性を一致できる。
OKRは、企業の規模が大きくなったり、市場の求める企業価値の変化が激しくなる中でも、働く全ての人の方向性を一致させます。

なぜなら、OKRは、会社にとって重要な目標を定め、組織全体の目標とつなげて可視化し、短期間で改善を繰り返すからです。

OKRは目標サイクルが1ヵ月~四半期と短いため、フレキシブルな調整・変更が可能であるほか、革新性を高め、リスクとムダを削減できます。

2、柔軟な調整や変更が可能
従来の目標管理手法と比較しOKRは目標サイクルが通常3ヶ月ごとと短いため、柔軟な調整や変更が可能になります。

企業の中で同じフォーマットで共有されるため、組織内の各チーム間のコミュニケーションを改善します。

OKRでは、透明性が重要になります。すべての目標から進捗状況、結果までを公開し、経営陣や社員など社内の誰もがアクセスして見られる状態にしておきましょう。

3、部門の垣根を超えたコミュニケーションが生まれる
OKRは、会社の全社戦略から実行まで連鎖して作られ、全員に公開されています。

到達できそうなレベルより少し上の「野心的(ストレッチ)目標」を設定することで、挑戦する意欲やチームで協力して乗り越えようとする気持ちが高まります。

そのため、チームの垣根を越えた全体最適のコミュニケーションが期待できます。目標設定の時間を節約し、OKRのO(目標)はシンプルなので、設定に時間がかかりません。

上の階層の目標をもとにするので、ゼロから考える必要はありません。

4、従業員エンゲージメント向上
目標の難易度を上げて明確なゴールを設定したほうが、達成に向けて従業員のエンゲージメントが一層向上する、という研究結果もあります。

OKRは短いスパンで各組織と連動した目標設定が求められるため、質の高い目標をそれぞれが建てられるようになっていきます。

例えば、あるスタートアップ企業にてOKR導入初期は目標設定に数週間かかっていたものが、数年後には数日で設定可能になったという事例もあります。

全社で目標を共有しているため、企業への貢献を従業員一人ひとりが実感しやすいと考えられます。また、そもそもエンゲージメントが向上するような目標にすることが重要です。

5、パフォーマンスを高める
数々の研究により、目標を定めて取り組むと、従業員のパフォーマンスを改善できることが明らかとなりました。

MBOとは異なり、原則としてOKRの達成度は評価に直接的に結びつかないため、野心的な目標設定が可能になります。

難易度の高い目標を掲げて進捗状況を確認できるようにするために 「目標と成果指標」という手法です。

高い目標は、優秀な人材を惹きつけ、職場を活気の満ちた環境に変えます。限られた目標に短期で集中することで、一つひとつの目標により高いレベルで取り組むことができます。

6、大胆な目標設定
OKR の使い方は他の目標設定の手法とは異なります。簡単に達成できないような目標を設定するのが OKR の狙いだからです。

OKRは、会社の全社戦略から実行まで連鎖して作られ、全員に公開されています。そのため、今の自分たちの目標が会社にとってどのような意義があるかを確認し続けることができます。

こうした方法で OKR を使用すると、チームは大きな目標を見据えて専心し、完全には達成できなくても予想外の成果を挙げられるようになります。

それが、従業員のエンゲージメントの向上に繋がります。報酬制度とは切り離された目標管理ツールなので、良い意味で失敗を恐れることなく、より高い目標に挑戦しやすくなります。

■OKRをベースにした効果的な目標管理の流れ
OKR の使い方は他の目標設定の手法とは異なります。簡単に達成できないような目標を設定するのが OKR の狙いだからです。

1、四半期の始まりでやること
OKRの作成は部門から個人など、より大きな組織から個人へ行うのが一般的です。そのためには、まず部門のOKRを作成しましょう。

このOKRは、部門長などのトップが決める必要はなく、チーム全体で決めることも可能です。

チーム全体で決める際のメリットは、チームのメンバーがそのOKRに対して納得感を持つことができる点です。OKRは報酬などの評価には結びつけず、組織の目標達成を目的とします。

達成目標は利益や業績を上げる以外にも、顧客満足度を高める、理想を実現するなど、さまざまな目標が考えられます。最重要で取り組むべき目標を絞り込みましょう。

2、チェックインミーティング
OKRの目的は、チームや会社全体が同じ目標に向かって走ることができる点にあります。

そのため、期中にも社員や従業員が、 自身のOKRの進捗を理解し、現場の進捗を認識する必要があります。

そこでおすすめなのが、「チェックインミーティング」です。

チェックインミーティングとは、OKR「O:Objective(目標)、KR:Key results(主要な結果)」という目標設定をした後で、その進捗確認を行うために行う会議のことです。

目標達成のために足りていない部分にフォーカスして確認が行われます。

参加しているメンバーそれぞれの達成度や自信度を確認して、見直しをはかります。今いちばん優先すべきことは何なのかを確認し共有することで、組織のパフォーマンス向上につながるでしょう。

3、ウィンセッション
ウィンセッションとは、週の終わりに今週はどんな結果だったのかを確認し、立て直し策を具体的に決めるまで行うことを主目的にミーティングを指します。

Win Sessionは、期初もしくは、月始に「目標(Objectives)」を掲げます。

「主要な結果(Key Results)」の評価や目標の再設定を通して組織のパフォーマンス向上やベクトルの統一を図っていく「OKR」で行われる代表的な取り組みの一つです。

ここで大切なことは、結果にかかわらず、各メンバーが高い目標に挑んだことを承認し、取り組みについおて賞賛することです。

■OKRを導入する際のポイント
OKRには多くのメリットがありますが、最大限の効果を発揮するためには「達成目標(Objectives)」と「主要な成果(Key Results)」を正しく設定することが大切です。

OKRでは高い目標を掲げることが大切です。しかし、OKRを評価制度に直結させると、目標未達となり昇格・昇進に響くことを恐れ、個人が設定する目標のレベルが低くなる可能性があります。

OKRを評価制度に影響させることは避けたほうが良いでしょう。

定期的にミーティングやフィードバックをする。期限の終わりに成果を確認するのではなく、1週間などの短いスパンで日常的にOKRの進捗状況の確認をし、成果を報告します。

失敗や間に合わないことを責めるのではなく、どうしたら目標達成できるかを話し合い、トライアンドエラーを繰り返しながら目標到達を目指していくことが重要です。

■まとめ
OKRとは「目標と主要な結果」という意味の言葉で、高い目標を達成するための目標管理手法です。この手法には、企業の目標を個人とリンクさせ、コミュニケーションを活性化させるという特徴があります。

OKRを通じて個人の目標は企業としての目標とつながるようになります。

それによって、企業が目指すものがより社員にもわかりやすくなります。各社員が同じ目標と結果を共有しているため、会社全体の動きが具体的にイメージできるようになります。

指針となるべき目標が明確になっているため、タスクの優先順位を決めやすくなります。

社員にとっては、OKRの導入によって「やるべきこと」、「やらなくていいこと」が明確になり、注力すべき仕事に集中することができます。

OKRにより、チームや個人間の意思疎通を容易にし、結果としてコミュニケーションを活性化させ、社員の行動を会社が向かう方向へ促すことにも繋がります。

■最後に
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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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