リードクオリフィケーションとは?リードの絞り込みが大事な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

近年、BtoB企業でもインターネットを駆使し「デマンドジェネレーション」営業機会の創出に取り組むマーケティング部門が増えています。

アメリカのある調査では、企業がオンラインで生成するリードの約73%が営業を受ける段階になく、問い合わせがあった時点では約50%は、直ぐに購入する意思がないという結果が出ています。

つまり、売上アップに繋がる効率的な営業活動を行うためには、問い合わせがあった段階でヒアリングを行い、商談に発展するかどうかを見極めて成約に繋がりそうなリードを振り分ける「リードクオリフィケーション」を行うことが重要になります。

そこで今回は、リードクオリフィケーションとは何か、リードの絞り込みが大事な訳について解説します。

「忙しい人達が、やめても問題ないことをいかに多くしているかは驚くほどである。成すべきことは、自分自身、自らの組織、他の組織に何ら貢献しない仕事に対しては、ノーと言うことである。」

<ピーター・ドラッカー>

■リードクオリフィケーションとは?
リードクオリフィケーションとは、営業部門へ良質な見込み顧客を引き渡すためにBtoBマーケティングにおいて欠かせないプロセスの1つで、購入可能性の高い見込み顧客を選別する活動のことを指します。

同じリードでもそれぞれの関心度合いは様々であり、「現在は購入を考えていないもののそのうち商品の詳細を知りたいと思っている人」や「今すぐ具体的に購入を検討したい人」まで幅広く分布しています。そこで特に関心が高まっている「今すぐ商品を購入したい人」にターゲットを絞り込み、営業部門にリードを引き渡すことをリードクオリフィケーションと呼びます。

リードクオリフィケーションでは、見込み顧客にスコアリングするなどして購入可能性の高い見込み顧客を選別していきます。購入可能性の高い見込み顧客が選別できれば、効率的なアプローチや無駄のないセールス活動が可能になります。

BtoBマーケティングの目的は、営業部門へできるだけ購入可能性の高い見込み顧客を引き渡すことですが、そのためにはいくつかのプロセスを踏む必要があります。リードクオリフィケーションとは、以下の3つのBtoBマーケティングの施策の中で「デマンドジェネレーション」の一部を担うプロセスです。

1、リードジェネレーションによる見込み顧客の獲得
2、獲得したリードを育成するリードナーチャリング
3、見込み顧客を選別するリードクオリフィケーション

この3つのマーケティングプロセスをデマンドジェネレーションと呼び、リードクオリフィケーションは一連の活動の最終プロセスになります。

■リードクオリフィケーションの3つのメリット
リードジェネレーションでは見込み顧客の新規獲得を行います。そしてリードナーチャリングでは、メールなどのコミュニケーションを通じて見込み顧客を育成します。そして3つ目が、育成の結果、検討度合いの上がった顧客を選別する「リードクオリフィケーション」となります。

1、対応の優先順位を決められる
「すぐに購入する可能性が高いリード」と「いつか購入するかもしれないリード」は選別しそれぞれへ適切なアプローチしなければ、非効率なアプローチになったり販売機会を逃したりするリスクがあります。

リードクオリフィケーションを行うことにより、すぐにフォローしなければならないリードと少しずつ関心を高めていくリードを振り分けることができます。

2、営業効率の向上
リードクオリフィケーションをして見込み客を選別すると、営業が顧客対応の優先順位をつけやすくなります。その結果、営業は見込みが高いお客さまへきめ細かくアプローチでき、商談成功率が上がります。

これは、「興味関心が低い顧客への押し売りを避けられる」とも言い換えられ、お客さまにとってもメリットがあります。

さらに、リードクオリフィケーションは営業のモチベーションにも作用します。見込みが高いとわかっているリードへのアプローチなら、営業担当者はモチベーション高く業務に励めます。

3、マーケと営業の連携強化
「営業とマーケが犬猿の仲である」これは、営業とマーケティング部隊を持つ事業会社でよくある話です。

どちらの部門も、最終的には「会社の売り上げに貢献する」というゴールは同じはず。しかし、両部門のKPIやKGIが異なるために局所最適化が進み、担当者の不満につながります。営業とマーケティングの連携に関する悩みや不満は、根拠を持ったリードクオリフィケーションによって解消されます。

■リードクオリフィケーションの流れ
確度の高い見込み顧客を抽出するには、どのように判断するのか基準を定める必要があります。ここでは判断基準設計のために必要なポイントをご紹介します。

1、見込み客の現状把握
獲得したリードが現在どのような状況にあるのかを理解しておかなければ、的確な振り分けは難しくなります。「すぐに商品を購入したい」とは考えていないリードの中にもさまざまな属性があり、セグメントに分けてさまざまなアプローチを行う必要があります。

まずは一人ひとりのリードの情報を詳しく把握し、どのような興味や関心を抱いているのかを知る必要があります。ヒアリングによる現状把握を十分に行うことでリードクオリフィケーションの精度は高まるでしょう。

現状把握をする際、最も重要なヒアリングが「未来×組織」のことを聞く時です。このヒアリング結果は、そのまま提案内容につながります。このヒアリング時に大切なことは、6W4Hが揃っていることになります。

What:何が欲しいのか?何を良くしたいのか?何を避けたいのか?
Who:誰が決めるのか?
Whom:誰にやりたいのか?
When:いつやりたいのか?
Where:どこで必要なのか?
Why:なぜやるべきなのか?
How:どのように使うのか?
How much:いくらで使いたいのか?
How many:どのぐらいの規模でやりたいのか?
How long:どのぐらいの期間でやりたいのか?

2、スコアリング
リードクオリフィケーションで優先度の高いリードを選別する際は、具体的な指標を定めておき、「どのリードの関心が高まっているのか」を判断する必要があります。そこでスコアリングを行い、リードの行動を点数化する方法がよく用いられます。

例えば、「見積り依頼(10点)」「セミナー参加(8点)」「資料請求(3点)」「メール開封(1点)」のように、見込み顧客のアクションごとに点数をつけます。また、「役職が部長(10点)」「従業員数100名以上(10点)」のように、会社規模や見込み顧客の役職など、属性ごとに点数をつける場合もあります。

営業スタッフの数が少ないにも関わらず、営業へ引き渡す見込み顧客が多くなれば、営業スタッフは見込み顧客を完全にフォローできません。しかし、スコアリングによってスコアの高い順にアプローチしていけば、営業スタッフの数に合わせて効率の良い営業ができるようになります。

また、「リードスコアが30点を超えたら営業に引き渡す」というように基準を明確にしておけば、見込み顧客のスムーズな選別が可能です。

3、BtoBマーケティングには正しいシナリオ設計が重要
「リードクオリフィケーション」はBtoBマーケティングのプロセスの中でも特に重要な活動ですが、このリードクオリフィケーションで成果を出すには、事前の「シナリオ設計」を入念に考えておく必要があります。

シナリオ設計とは、顧客が商品やサービスと接点を持ち、購買に至るまでの一連のプロセスの設計のことです。つまり、リードクオリフィケーションの前段階であるリードジェネレーション、リードナーチャリングも含めたプロセスの設計を指します。

これら3つの活動は連動しているので、シナリオ設計自体が見当違いだと、どこかでつまづき、最後のステップであるリードクオリフィケーションでも良い結果を出すことができません。設計したシナリオを踏まえ、見込み顧客は「今、どのフェーズにいるのか」「営業へ引き渡すレベルにまで見込み度が上がっているのか」を判断することができます。

■リードクオリフィケーションの3つのポイント
リードの数が増えてきた時に、すべてのリードを営業がフォローしていると工数が膨らんでしまいます。獲得したリードの中で、ニーズが顕在化しているリードや今すぐ客は少数であり、多くの見込み客とは商談に進めないのが一般的になります。これでは工数をかけても非効率です。

1、リードのセグメンテーションを行う
リードクオリフィケーションを行う際は、見込み客を特定のグループに分けるセグメンテーションを行うのが一般的です。ターゲットの業種や業態、所属、関心などさまざまな項目でセグメンテーションを行い、そのセグメンテーションに基づいてスコアリング施策を実行します。

正確なセグメンテーションを行うためにも、顧客の情報はできるだけ詳細に収集しておくことも重要です。

2、数値目標を設定する
リードクオリフィケーションを行う際は、具体的な数値目標を設定しましょう。例えば「注文件数〇件達成」「売上〇%アップ」など具体的な数値を設定することによって、組織全体が一丸となって目標に向かって行動できるようになるうえに、「組織としてどのように業務を進めなければならないのか」が明確になります。

さらに、明確な目標があるとKPIを設定することも可能になります。KPIによって一人ひとりが取り組まなければならない業務も明らかになり、より具体性のある営業活動に繋がると言えるでしょう。

3、PDCAサイクルを回す
リードクオリフィケーションにはシナリオ設計が有効であるとお伝えしましたが、一度設計したシナリオをずっと使い続けるのではなく、運用しながら少しずつ改善していくことも重要です。

「どのようなシナリオを設計すればさらに成果を上げられるのか」を一定周期で振り返り、内容を見直してKPIやKGIの設定もあらためることでよりシナリオの質が向上し、リードクオリフィケーションの精度も高まると考えられます。

リードクオリフィケーション後、営業にトスアップしたら終了ではなく、その後実際に成約まで繋がったのか、効果を検証することが重要です。そのためには、一度作ったリードクオリフィケーションの条件を振り返って見直し、ブラッシュアップを続けることで精度上げていくことができます。

■まとめ
リードクオリフィケーションは、営業部門へ確度の高い見込み顧客を、トスアップするために行うBtoBマーケティングの施策の1つで、検討度合いの高い見込み顧客を選別するプロセスのことを言います。

リードは購買意欲の高さで大きく3つに分かれ、タイミングによってコールドリストになったり、ホットリストになったり、同じ見込み客でも常に変化しています。ホットリスト化した見込み客を見逃さずにフォローするために、スコアリングによるリードクオリフィケーションが効果的な方法なのです。

1、コールドリスト=自社サービスへの関心が低い見込み客
2、ウォームリスト=自社サービスへの関心がある見込み客
3、ホットリスト=自社サービスへの関心が高い見込み客

マーケティングの最終目標である、商談につながる見込み顧客を的確に絞り込んで判断するリードクオリフィケーションが、最も重要なプロセスとされています。

顧客自ら情報収集をする機会も多くなり、従来のような用件を聞き取って商品を用意する営業活動では販売機会を逃しやすい状況となっています。企業主体の積極的なアプローチによって、成約に結びつけることが大切です。

■最後に
法人営業を成功させるためには、担当者ではなく「決裁者」を押さえるのが重要なポイントになります。なぜなら、いくら積極的な営業を行ったとしても、キーマンである決裁者と商談をしないと、決裁の段階で断られてしまうケースは珍しくないからです。

案件の中身が具体的に決定していたとしても、決裁が下りなければその先に進むことはできません。こうした権限のことを「決裁権」、決裁権を持つ者を「決裁権者」と呼びます。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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