少子高齢化だけでなくDXの推進や働き方改革など、社会そのものの仕組みが変わり、一昔前と同じような活動をしていては企業が「持続不可能」な時代になりました。
そのような中、近年、「サステナブル」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。
最近では、企業を評価する軸として「中長期的に環境や社会に配慮した取り組みをしているか」が注目されるようになりました。
そのため、公的な存在である企業にとってもサステナブルに取り組むことは、企業を活動を継続させる上で重要な関係性を持つようになっています。
そこで今回、サステナブルとは何か、SDGsによるサステナビリティ経営が大事な訳について解説します。
「社会と企業との間で価値が共有されるようになるのは、社会だけでなく企業も利益を得られます。長い目で見れば、より持続可能な競争上のポジションを企業は作りあげることができます。」
<マイケル・ポーター>
■サステナブルとは?
サスティナブルという言葉は「持続可能な(sustainable)」という意味であり、その後に続く「開発(Development)」の意味も含んで用いられます。環境や社会への配慮を表す言葉として、ビジネス上で扱われます。
サステナブルは持続可能、持続できる、もしくは耐えうるという意味を持つ単語になりますので、昨今、注目を集めているSDGsの根幹となる考え方だと言えます。
・サステナブル (Sustainable:持続可能、持続できる)
・サステナビリティ (Sustainability:持続可能性)
・SDGs (Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)
「Sustainable Development Goals」を日本語にすると「持続可能な開発目標」なりますが、サスティナブルという言葉は、「人々の活動は自然環境が持続可能で人類社会が持続可能な発展をするようなものでなければならない」という意味を持ちます。
環境や社会の問題を解決するのは政府だけではなく、公的存在としての企業の社会的責任でもあります。
企業がその意識を強く持ち、活動しているかどうかの見方がESGです。企業理念や活動目標、行動指針などにこれらを唱え、行動している企業がサスティナブルな企業といえます。
■サステナビリティ経営とは?
事業環境の不確実性が高まるなか、企業の持続的成長を実現するための重要課題として“サステナビリティ経営”が注目されています。
サステナビリティ経営をひと言で定義すると「長期で利益を出し続けるために、リソース配分を行う経営」です。サステナビリティ経営を実践するためには、「環境・社会」と「経済」の関係と構造の理解が必要です。
サステナビリティに着目することは、ESG対応等の機能面では“成長に向けた経営基盤強化”に、そして、事業による社会価値創造という事業面は、“中長期視野での成長戦略そのもの”につながります。
なぜなら、サステナビリティ経営を実践することで、企業は具体的に『競争戦略としての寄与』『リスクヘッジとしての寄与』『従業員ロイヤルティとしての寄与』という3つのメリットを享受することが可能になるからです。
その上で、「環境・社会」の問題がどのように自社の市場や、供給の能力に影響を与え、社会から企業に対する要請を変化させるのかを深く理解し、実践に落とし込む仕組みを構築する必要があります。
そして、「長期で利益を出し続ける」ために必要な要素として次の3つがあります。
・その企業が長期にわたって市場から求められ続けること。
・供給(原材料、知財、人材など)を長期的に維持すること。
・社会から信頼され続けること。
社会から信頼されず、ブランド価値が毀損すると、長期的な事業継続は不可能になります。世界的にも、社会課題に対し企業が関与して解決することへの期待はますます高まり、企業は経営や事業自体の在り方を問われる時代になっているのです。
■サスティナブルの歴史
現在の危機的な環境問題は、産業革命によって起こされました。人が豊かさや利便性を得る代わりに環境破壊が進んだとも言えます。
地球環境の破壊は、地球温暖化や森林減少、海洋環境の悪化などを招き、異常気象を発生させる原因にも。こういった現象は生態系へのダメージを与え続けているため早急な対策が必要になっています。
【生態系への影響について】
森林減少などに伴い年間4約万種類の生物が絶滅。絶滅危惧種のリストであるレッドリストには3万種類以上の生物が登録されています。
サスティナブルという言葉が使われ始めたのは、1987年に開かれた国連の「環境と開発に関する委員会」の報告書で、持続可能な開発目標のために初めてサステナブルという言葉が使われました。
その後2015年に国連サミットで「持続可能な開発のためのアジェンダ」が採択されて広まりました。
人々の活動が自然環境に与える影響は計り知れないため、環境と社会への配慮を欠かすことなく、持続的にあらゆるものを開発するための考え方がサステナブルになります。
■サステナブルな社会を実現するためのSDGs
サステナブルはSDGsと深く関係しています。SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に開催された国連サミットにて採択された国際目標です。
様々な事柄を健全かつ安全に持続、継続させるための取り組みや運動であり、国家・民間・個人など国境も人種も年齢も越えて、幅広い層に理解が広まっている考え方と言えます。
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略語で、世界全体で2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための開発目標のことです。SDGsは発展途上国から先進国まで参加するすべての国が対象であり、合計17個の目標が立てられています。
・ 貧困をなくそう
・ 飢餓をゼロに
・ すべての人に健康と福祉を
・ 質の高い教育をみんなに
・ ジェンダー平等を実現しよう
・ 安全な水とトイレを世界中に
・ エネルギーをみんなにそしてクリーンに
・ 働きがいも経済成長も
・ 産業と技術革新の基礎をつくろう
・ 人や国の不平等をなくそう
・ 住み続けられるまちづくりを
・ つくる責任つかう責任
・ 気候変動に具体的な対策を
・ 海の豊かさを守ろう
・ 陸の豊かさも守ろう
・ 平和と公平をすべての人に
・ パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsは、現代の問題を解消し、人・社会・地球環境にとって優しい未来を築くことを目標に定められた17の目標と169のターゲットで構成されており、国際社会全体で2030年までにクリアすることを目標に取り組まれています。
■企業活動におけるESGとは?
サステナビリティ経営は、通常の経営戦略に後付けするものではなく、根幹の経営戦略そのものであるという事実になります。つまり、ビジネスの世界では、サステナブルは企業が取り組むべき喫緊の課題であると言えます。
企業におけるサステナブルな活動は、顧客にとってはもちろん、世界が持続可能な社会に向かうために重要なことです。そのため、看過することはできません。
なぜなら、企業規模で行う活動は、地球環境の保全に多大な影響を及ぼし、世界が企業に寄せる期待に応える行動が求められているからです。
更に企業のブランドイメージや社会貢献に対する好感度に多大に影響すること、心地良い就業環境の提供により、従業員の満足度の向上が期待できることも、企業がサステナブルな活動を行う理由です。
いまや企業は、サステナブルな取り組みを単なるCSR活動としてはいられません。グローバル企業では、ESGを踏まえたサステナブルな取り組みが売上に繋がる良い結果を残している事例も出ています。
企業活動におけるESGは、Environment・Social・Governanceを並べたもので、環境・社会・企業統治のことです。環境と社会は分かりやすいですが、企業統治は簡単に言えば、会社や経営者が不正や暴走をしないように企業経営の監視に外の目を入れるということです。
個人にも関係する目標がいくつもあるため、日常生活の中で1人1人が意識して取り組むことが大切です。ビジネスにおいては、SDGsの目標を達成するために企業が取り組む手段として「ESG」が捉えられています。
■企業がSDGsに取り組むことはESG評価を高めることに直結
世界が目指すサステナブルな社会とは、もちろん昔のような原始的な暮らしに戻るということではありません。
ただ単に今の状態を維持するということでもなく、人や社会、地球環境に優しいシステムを取り入れ、新しいサービスや商品を提供して経済活動を行っていくことを重要としています。
すなわち、『環境に悪い影響を与えずに経済を発展させていく』ということです。企業や組織としてのサステナブル化とは、「持続可能な企業や組織」と言えます。
企業や組織としてのサステナブル化をさらに深く考えることで、より継続的に、より効率的に最適化された職場環境が整います。
従業員は大切にされ、もちろん顧客も大切にする。社会的にも認められつつ、相互に社会を良くしていこう、良くしていくために考えて行動しようという、健全で信頼性の高い企業や組織を志向することができます。
サステナブル=持続可能な環境とは何でしょうか。ここで注目すべきなのは、企業や組織を形成するのは「人」だということです。
言い換えれば、人を集めて、持続的・継続的・効率的に働ける環境こそが、サステナブルな環境を提供している社会的な企業だと言えます。
■まとめ
サステナブルとは「持続可能な」という意味を持っており、自然環境の維持に役立つ開発や自然環境に配慮した行動などを指す場合に使われる言葉になります。
SDGsの理念は「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」です。
この理念が示すように、SDGsは人類に共通する「普遍性」が特徴で、環境目標とともに社会目標や経済目標に加え、不平等の解決、ジェンダーの平等、平和などが体系的に掲げられています。
今ある資源を守り、今後の地球や社会をより良いものへ変えるためには、サステナブルという言葉を正しく理解し、一人ひとりが意識や行動を見直す必要があります。
とりわけ生命の基盤を支える地球環境の持続可能性としての環境目標(気候変動、エネルギー、生物多様性など)は重要であり、地球環境に配慮した在り方として「サステナブルデザイン」という考え方への意識が高まっています。
業界や規模を問わずあらゆる企業の活動は、人や社会そして環境にも大きな影響を与えます。
例えば、世界にはアマゾン川の領域では違法に金資を採掘する悪徳企業が後を絶たず、水銀汚染により環境破壊と原住民に深刻な健康被害を及ぼしており、大きな社会問題になっています。
利益追求型の企業活動では短期的な利益を上げられても、環境や社会に悪影響を与えれば、持続的に成長することはできません。そのため、企業はビジネスを展開する上で環境保護や社会的貢献、健全な経営や法令遵守などに取り組む必要があるのです。
■最後に
組織として「サステナビリティ経営」を推進するためには、経営陣が関心を持ち、意思決定や評価の仕組みなどでサステナビリティの要素を組み込み組織に浸透させていくことが求められます。
サステナビリティ経営を経営成果に繋げるためには、経営・事業との融合的な戦略策定と実行が必要です。
効果的な検討に向けて、持続可能性に関する専門的知見に加えて、業種・業界特性を考慮することが求められます。
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」には、5000人を超える顧問やプロ人材が集結しており、運営元である当社自体が、「サステナビリティ経営」を実践している先駆者だと言えます。
その理由としては、働き方改革や大企業OBのフリーランス人材の活用、副業のプロ人材のアサインなど、サステナブル経営とSDGsの推進を10年以上も前から取り組み、日本の未来を支える起業家の支援を展開しているからです。
そのため、サステナビリティを踏まえた「SDGs」のアドバイスや実行支援、更には「コーズマーケティング」を取り入れた企業ブランドを向上させるための広報・PR支援のサポートも行うことが可能です。
コーズマーケティングとは、特定の商品・サービスの購入が寄付などを通じて環境保護や社会貢献に結びつくことを消費者に訴求することで、商品・サービスの販売促進、製品ブランドや企業のイメージアップを狙う手法のことを指します。
Cause(コーズ)とは「社会的大義」を意味しており、Cause Related Marketing(コーズ・リレーテッド・マーケティング)と呼ばれることもあります。
あらゆる企業の存在意義は、社会の課題や環境問題を解消する意味もあるため、コーズマーケティングは社会貢献と事業活動の両立ができる方法として活用されています。
サステナブルの取り組みやコーズマーケティングによる競争優位性を生み出す優秀な外部顧問やフリーランスのPRのプロ人材、CxO人材の登用なら、「顧問報酬100%」で「中間マージン無し」でダントツの費用対効果を保証するKENJINSに、是非、一度ご相談ください。
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