事業ドメインとは?経営者が事業ドメインを設定する重要性とは?

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

会社が事業ドメインを定義して置かないと経営資源の投資対象は自然に拡散していきます。それゆえ、経営者に求められることで最も大事なことは、事業の選択と集中です。

選択した事業領域において、いかにして競争優位性を構築して行けるかが成長の原動力になります。

そこで今回は、経営者が事業ドメインを設定する重要性について解説します。

■事業ドメインとは?
事業ドメインとは、経営者がステークホルダーに対して「企業が持続的な成長を可能とする自社特有の事業活動の領域」を規定したものです。端的に言うと企業の持続的な成長を可能とする自社特有の事業活動領域のことを指します。

企業が継続的に成長していくためにも事業活動の範囲を設定し、必要な経営資源を投資するための重要な経営戦略と位置付けられています。また、ステークホルダーに対しても共通認識が得られるものが求められます。

そこで、事業ドメインの設定とは、自社の持つ強みを踏まえて、市場を新しく括り直し、市場への働きかけを行うことによって成長機会を発見することになります。

企業は持続的な成長を実現していく上では、外部環境の変化や自社の競争優位を的確に捉え、現在および将来において自社が行うべき事業領域を選択し、企業独自の事業ドメインを明確に定義することです。

その理由は、事業ドメインを明確にし集中戦略を効果的に使えば、少ない資源で最大の成果を出すことが可能になるからです。

一部の市場に対して資源を集中投下すれば、経営資源を様々な市場に分散させている大手企業にも勝てる可能性があるということです。全体の経営資源で大手企業に負けていても、一部の分野だけでも大手を上回っていれば、大手企業からシェアを奪うことも可能となります。

■事業ドメインの重要性
事業ドメインを定義することで、ビジネスの方向性が明確になります。事業ドメインの設定が重要視される理由として、過度な経営資源の投入や分散を防ぎ、不必要な多角化を避けることが挙げられます。

それゆえ、事業ドメインの設定をすることは、単に既存事業の領域を規定するものではなく、企業の成長の方向性を示唆するものが含まれていることが求められます。

そもそも事業ドメインの設定は、会社の主力事業を把握・選択したうえで、経営資源を重点的に投下する目的で行います。そのため、事業ドメインを適切に設けると、経営資源の無駄な投入・ノンコア事業への不必要な分散などを防止できるのです。

ドメインを定義する考え方として、1980年にD・F・エイベルは、顧客層(市場)、顧客機能、技術の3つの次元で事業を定義することを提唱しました。

顧客層(市場)は企業が価値を提供する対象、顧客機能は企業が提供する価値で満たすべき顧客のニーズ、技術は企業が価値を提供する手段を表します。

これらの3つの次元を用いて、事業の広がりや企業独自の価値を決定することで、ドメインに企業の成長の方向性を示唆するものを盛り込むことが望まれます。

また、企業はドメインを定義することで、ステークホルダーに対して実現したい価値を明らかにし、企業とステークホルダーの間で共通認識を得られることが求められます。

事業ドメインを設けるには、事業の将来性・所有する技術や設備・顧客などの幅広い情報を把握・分析する必要があります。

この定義されたドメインに対する両者の共通認識部分のことを「ドメイン・コンセンサス」と呼びます。

1967年にトンプソンは「ドメイン・コンセンサスは、組織が何をし、何をしないかということについて、組織メンバーならびに彼らと相互作用の関係にある人々の双方の期待集合を規定する」と定義し、「ドメイン・コンセンサス」の重要性を指摘しています。

■事業ドメインの見直しや再定義の必要性
近年、コロナ渦による影響や少子高齢化、グローバルな競争の激化など、外部環境の厳しさに加え、法規制が整備されたことから、企業統合やグループ再編を通じて、事業を再構築する企業が増えています。

事業ドメインの活用次第では企業の成長に貢献するような多角化を図れる点にあります。これにより、新たな顧客の獲得や新しい分野に進出するきっかけの創出などが可能です。

つまり、事業ドメインを適切に設けると限られた経営資源を最大限に生かした多角化が図れるため、企業の安定的で継続的な成長の実現につなげられます。

限られた経営資源を効率よく投入・分散するためにも、コア・コンピタンスとケイパビリティを適切に理解・把握し、入念な市場調査を行ったうえで、最適な市場を選択しなければいけません。

これらの企業が、事業の再構築後も組織の一体感を持って、持続的に成長していくには、ステークホルダーに対して共通認識を得られる事業ドメインを再定義し、自社の進むべき方向や提供価値を社内外に明示することが求められます。

自社の事業活動の領域を定める事業ドメインの決定は、会社の経営を担う経営陣の非常に重要な職務になると言えるのです。

■まとめ
事業ドメインを設ける際は、特定分野にフォーカスし一番のポジションを獲得することが欠かせませんが、狭すぎず広すぎない範囲で長所を生かす意識を持つ必要があります。

なぜなら、事業ドメインの設定は、企業の主力事業を選択して経営資源の投入先を決める作業に他ならないからです。

事業ドメインは、企業の成長を占う分水嶺として機能するため、トップダウンで経営陣が必要に応じて再定義したり、拡大することが必要です。

事業ドメインの提唱者であるセオドア・レビットはディズニーを例に挙げて、「ディズニーは映画制作会社ではなくエンターテインメント会社として自己を再定義したために成長した」とも語っています。

ディズニーはエンターテインメント会社と再定義したために、映画のみならずテーマパーク・グッズ販売などで幅広い顧客の獲得に成功しました。

つまり、事業ドメインは、狭すぎても広すぎてもいけません。

範囲が狭すぎると市場の成長が即座に止まって、それ以上の発展が望めなくなります。その一方で、範囲が広すぎると経営資源の投入が遅延してしまい、即座に枯渇してしまう恐れがあるのです。

社会や市場は常に変動しますが、変化に対応するには限られた経営資源を効率的に運用しつつ、会社の成長に貢献する多角化を実行できるかどうかが重要なカギを握っているのです。

■最後に
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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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