これからの時代、コロナ渦による在宅勤務やオンライン会議の普及などを受けて、従来の営業活動は急速に変化していくことが予想されています。
そんな新たなワークスタイルに翻弄されないためにも、営業マンとして基本的なスキルをアップさせておくことが大切です。
そこで、今回は、営業マンのスキルマップとは何か、営業に必要な能力と評価基準について解説します。
■営業マンのスキルマップとは?
営業のスキルマップとは、営業マンのスキルを管理するために多くの企業で幅広く使われているとてもオススメなツールです。在籍中の社員もしくは新規採用時にそれぞれのスキルを可視化した人材の能力管理表という位置付けになります。
営業マンは商品やサービスを売ることが仕事ですので、売るという結果が出ないと仕事が評価されません。
仕事が評価されないということは、やる仕事が楽しく無くなります。その結果、営業数字が下がるという負のスパイラルに陥いってしまいます。
そのため、営業活動に携わる評価制度を営業マンのモチベーションが上がるように上手に整備することができれば、会社全体の売上アップにも繋がります。
また、営業マンが「自分を高く評価してくれている」と感じれば、自社で長く働いてくれる可能性も高まります。
営業は結果に対して厳しく評価されることを反映してか、世の中では営業職というと、「ノルマがきつい」、「お客様に振り回される」、「インターネットで売れるから営業マンなんて今時いらないのではないか」とネガティブなイメージが多いです。
営業マンの評価制度と営業のスキルマップを作ることは、人事評価やマネジメント、人材採用、人材育成などの様々な人事業務に活用できます。
営業のスキルマップは営業マンに必要となるスキルの状況を把握できるため、営業力の強化と計画的な人材採用を図るためには、人材評価、人材育成に役立つツールが必要になるとも言えるのです。
■営業マンの評価基準として用いられる4つの要素
1、営業成果
仕事の成果を評価するものです。成果は数字で見て分かるので、誰の目で見ても分かりやすい評価制度だと言えます。
また、営業の成果には短期的成果と長期的成果があります。どちらか一方を評価するのではなく、バランスよく評価することが大切です。
また、自己分析をしないまま営業メソッドを学んでも、その方法論が自身のタイプにあった内容でなければ意味がありません。
書籍を読んだり先輩・上司からテクニックを学んだりといったインプットにより効率的にスキルアップするためにも、まずは自己分析をしっかりと行う必要があります。
2、営業能力
顧客のニーズに応えたり、適切な解決策を提示したりなど、営業マンにはさまざまな能力が必要です。
業務における目標を明確化することで、「何をすべきで何をすべきではないのか」の基準が生まれ、目標を達成するための現実的な手段を考える習慣が身につきます。
結果、日頃の営業活動が洗練されたものとなり、より早く成果を生み出せる人材に成長します。これらの能力が秀でていることも、大きな評価基準となるでしょう。
3、営業姿勢
結果を残すにあたって、どのような取り組みをしてきたのかという姿勢も評価しましょう。
意欲を持って業務に挑めているか、綿密な計画が立てられているか、責任感を持って仕事に向かっているかなど、仕事に対する姿勢を評価することが社員のモチベーションアップにつながります。
「初めから常に成功している営業パーソン」は存在しません。どれほど優秀な人であっても、過去には多くの失敗を経験しているものです。失敗したことを悔やみ続けるのではなく、学びに変えて昇華する流れを習慣化しましょう。
4、先輩や上司の真似をする
すでに成果を出している、あるいは経験を豊富に積んでいる先輩や上司は、まさに「生きる教科書」です。
まずは良い部分を観察して取り入れ、考えても分からない部分は質問するなどして効率的なスキルアップを目指しましょう。
また、社内教育の一環として指導を受けるだけでなく、一歩踏み込んだ距離感でコミュニケーションを取れば、学びの質は飛躍的に高まるはずです。
■営業の最前線で活躍する優秀な営業マンの6つの特徴
優秀なトップセールスの特徴を見ていきましょう。
1、将来的なスケジュール管理まで徹底できる
できる営業マンは、タスクに追われてどんなに多忙でも、先を見通したスケジュール管理を完璧にこなしています。
今期の営業目標を達成しようと思うと、日々のアポイントや提案資料作成に必死になり、目先の数字ばかりを追うようになってしまいます。この状態になると、一年後の目標や将来的な見込み顧客の育成などが後回しになります。
しかし優秀な営業マンは、毎日行う営業活動をこなしながら、見込み顧客の創出活動を行ったり、自己研鑽として勉強会に参加したりと、先を見通して逆算し、スケジュールに落とし込み、今できることを着実に実行しています。
2、とにかく早さ(速さ)を意識している
メールが来たら、すぐに返信する。質問されたら、素早く要点を得て的確に回答をする。こうした「はやさ」を意識して行動できている営業マンは優秀です。
お客様の課題解決に向き合う意志があり、解決に最も適した商品をヒアリングから導き出し、お客様が契約を断る理由を見つけられなくなった、契約のベストタイミングでデキる営業担当は意思表示を求めます。
「質より量」として行動量が数字を左右する営業マンだからこそ、頭の回転の速さは重要。他の営業マンとずば抜けて速いことによって、受注までの試行錯誤や改善活動が誰よりも速く、成果を上げやすい状態にあるわけです。
3、ニーズを引き出すヒアリング力がある
ヒアリングのうまさ、傾聴力があることは、営業マンの必須スキルです。
いくら商品やサービスが優れていたとしても、お客様のニーズを正確に引き出せなかったり、警戒心を解くことができないままに提案してしまったり等、ヒアリングの深さによってはその先に進むことができません。
ノルマ達成のための「売るため」のセールストーク一辺倒だとお客様は興味を示してはくれません。大事なことはクライアントが興味をもっている、「買いたいもの」の話をさせることです。
つまり、ヒアリング能力とは話を聞く能力ではなく、相手に話をさせる能力といえるでしょう。
営業は「話し上手よりも聞き上手が良い」と言われることも多いですが、ビジネスにおける「聞き上手」は、相手がどのような人物なのか、何を欲しているのかを聞き出す「質問力」と、聞き出したことを正しく把握・理解する「理解力」が備わっている必要があります。
4、顧客への深い理解、勘所がある
優秀な営業マンは、お客様よりも企業のことを理解していると言われます。企業理念や社史、創業者の想いまでも話すことができるレベルの営業マンもいるようです。
顧客がどんなサービスを展開しているか、またどのような立場でどのような仕事をおこなっているのかを把握することは必須です。
なぜなら、顧客は事業やニーズについて認識したうえでサービスや商品を提案して欲しいと考えているからです。
このことは企業理念などを話せるようにならなければいけない、ということではありません。それほどまでに企業のことを調べ、気にかけ、情報をチェックしているという営業マンの姿勢に、お客様の心が揺れ動かされることがあるのです。
情報収集やコミュニケーションによって、お客様が抱える不安な点を察知して、自然と解決策を提示できるようにもなります。勘所がいい営業マンだと言えます。
5、分かり易い営業資料作成ができる
提案書の資料作成がうまい優秀な営業マンも多いです。見た目だけでなく、中身の整理や伝える順序を考えるところも含まれています。
提案資料は、提案後にメールで送付してお客様にお渡しすることがほとんどでしょう。それを受け取ったお客様は、検討するために資料に再度目を通します。その際、読んだだけでは内容が理解できないような資料では、意味をなしません。
サービスの概要、解決できる課題、検討ポイントや価格など、相手が検討に必要になる情報を項目ごとに整理して、目を通すだけで意味が理解できる分かりやすい資料を作れると、優秀な営業マンに一歩近づくはずです。
6、相手の理解度に合わせて分かりやすく伝えられる
どんな知識レベルのお客様であっても、分かりやすく伝えることができるのが優秀な営業マンです。
常にお客様視点に立ち、聞き馴染みのない専門用語を並べずに、お客様の理解度に合わせて丁寧に分かりやすく伝えます。
その他にも、「結論から述べる」「具体例を用いる」「相手の理解を都度確認する」といったポイントを、何度も繰り返し意識することで、次第に営業トークのレベルが上がっていきます。
■営業マンのスキルマップの6つの評価項目について
スキルマップによって業務に必要なスキルが見える化されます。この業務は誰がよく知っているか、困ったとき誰に聞けばよいかなどが客観的に分かります。
さらにはこの業務は詳しいマニュアルを作成したほうがよい、この業務でどの人員がいなくなると困るのかなど人材配置によるリスクも見える化することができます。
1、概念形成力
営業マンとして「課題発見能力」は特に必要とされます。課題発見力は、商談から「顧客が抱えている課題」を見つけ出し、ピンポイントに突き止めるスキルです。
しかし、課題を見つけただけではデキる営業担当とはいえません。営業担当がお客様の課題を発見し、お客様がその課題を認識しても課題と向き合う意志がなければ、それは課題を発見したとはいえません。
問題解決法の設計ができること、そのために必要な営業計画を立てることができることです。
具体的には、顧客の市場動向を把握し、自社の2~3年後の売り上げ予測ができ、対応策を適切な時期に立案することができること。
そして、収集した顧客情報を分析することにより、今後のアプローチ方法や商談促進の方法を組み立てることができるといった論理的な力があることです。
2、関係構築力
コミュニケーション能力・交渉力とは、営業において相手の話す内容を理解し、同じ目線に立ったうえで意思疎通を図り、提案するスキルです。
お客さまに信頼を与える第一印象を演出することができ、ビジネスパーソンとして信頼され好かれているという自信を持せることが大事です。一方的に話をしてしまう、あるいは何も話せず終わってしまう場合は、コミュニケーション能力の改善が必要です。
お客さまの話す内容を理解し、その内容に反応しながら共感的に会話を進めることができる。 相手の立場に立って話せる力があるかどうかが大切になります。
3、顧客把握力
顧客の業容や組織・課題など、担当顧客に関する状況をよく理解していることです。いかにヒアリングを丁寧に行っても、課題発見に手間取り曖昧な内容の提案しかできなければ、有効な商談にはつながりません。
ロジカルシンキングは、商談中の限られた時間の中でいち早く本質的な答えにたどり着くためのスキルだといえます。
顧客を取り巻く環境変化や業績傾向を把握するとともに、特定部門に限らず各部門の状況を把握している、また顧客の社内的な力関係を組織図に沿って把握しており、最終意思決定の存在を把握しているかどうかが重要です。
4、交渉力
営業活動のあらゆる場面で顧客との合意形成を行うことともに、関係する社内外の人間とも合意を得ることができることです。また、ヒアリング力がないと本質的な課題から外れた話にばかり終始し、望むような成果を得られない可能性があります。
決して無茶な提案を押し通す、という意味ではなく、「断る余地がない提案」をすることです。
営業マンには、顧客の悩みを上手に引き出し、ニーズを聞き出すスキルが必要になります。言い換えると「相手が話しやすい雰囲気」を作るスキルとも言えます。顧客の課題解決のためのものであることを理解させ、提案内容の適切さを相手に納得して貰うことが欠かせません。
また お客さまにわかりやすい文章や口頭表現をすることができると共に、身振り手振り、表情などにより相手を引きつけることができる、などが交渉力です。
5、自律性
営業の現場では、いまだ経験したことのない問題に直面し、その場で回答を求められるケースが多々あります。このような時、直感や感情のままに主張をするのではなく、合理的な思考にもとづいた回答を提示しなければ、顧客の信頼獲得につながりません。
営業としての使命を果たすために、自己責任を持って遂行することができる、顧客訪問を面倒がらず、フットワークがいいこと。
考えるばかりではなく、行動が現実的に伴っている、 数字の目標達成と結びつけて意識して最善の結果を出そうとしていることなどが自律性に当てはまります。
6、知識要件
どんな業界であっても、その市場は日々刻々と変化しています。また、これまでにはなかった新しいサービスやテクノロジーによって顧客のニーズもさまざまに変化します。
そうした変化に柔軟に対応できるよう、常に情報収集をする必要があります。
・営業活動を円滑に推進するために必要な知識をもっている。
・自分の担当する商品領域については、自社や他社を問わず商品概要を確実に把握している。
・世の中の幅広い話題の収集に努め、さまざまなお客さまの世間話に話を合わせることができる。
などが知識要件となります。
■まとめ
この厳しいインターネット環境の中で生き残るためには、営業担当者は常に新しいスキルセットを求められます。営業マンの力量をマップ化し表にしたものを営業マンのスキルマップと言います。
スキルマップの項目には、概念把握力、関係構築力、顧客把握力、交渉力、自律性、知識要件などがあります。どの項目も重要な項目概念なので、自分の強みと弱みを把握しておくことは営業スキルの向上に繋がります。
営業マンは、商談のアポイントを取得しその後企業へ訪問し、商品やサービスの提案をする流れになります。その中でも、商談中の提案は当然最も重要で、営業担当一人ひとりで実力が出る場面ともいえます。
ですが、営業職を取り巻く環境は、IT技術の発達に伴い急激に変化しております。
最近では、セールステックツールといわれ、営業活動支援を目的としたツールが、現在幅広い業種で活用されています。
アメリカではインサイドセールスが増え、フィールドセールス、つまり営業マンの仕事は今後少なくなるという予測も出ています。日本においても最近はインサイドセールスの外注サービスが注目されるなど、この傾向が見られます。
今後、コロナ禍に限らず、ますますインサイドセールスでの営業活動は活発化していくと予想されています。「働き方改革関連法案」が施行され従業員のワークライフバランスを雇用主が見直さなければいけない時代でもあります。
近頃はAIやディープラーニング、RPAというキーワードが流行していますが、意思決定者が人間である限り、「営業」という職業は永遠になくならないものです。
営業マンがアポイントを取得したり、提案活動を行うことは、セールステックツールのみで代替することが最も難しいことの1つです。
営業スキルとは、ロジカルシンキングや課題発見力、傾聴力、コミュニケーション力といったものです。
これらのスキルを身につけるには、本を読む、先輩や上司の真似をする、営業研修に参加するといった方法がありますので、自己分析をしながらセールススキルを向上させて行きましょう。
■最後に
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