KPIとは?新規事業ではKPIを作り目標達成への評価が必要な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

新規事業の売上低迷の課題を解決するためには、「KPI」を設定することでその問題が引き起こされた、本当の原因を「特定」することです。

なぜなら、良い面も悪い面も結果をもたらした根本的な問題となるボトルネックを見つけることができれば、課題解決に必要な事項の80%は解決することが出来るからです。

そこで今回、KPIとは何か、新規事業ではKPIを作り目標達成への評価が必要な訳について解説します。

「質問を呈する勇気と、考え抜いて出した答えの深さによって、我々は世の中に意味合いを見出すことができるのである。」

<カール・セイガン>天文学者、作家

■KPIとは?
KPI「Key Performance Indicator」とは、「重要業績評価指標」です。目標を達成するプロセスでの達成度合いを計測したり監視したりするために置く定量的な指標を意味します。

KPIは、目標の達成に向けた行動を評価するための指標として多くの企業で採用されています。

事業目標を達成するために実行すべきプロセスが、適切に実施されているかを数値化して評価するものです。KPIの達成状況を確認することは、目標までの進捗を把握することを意味します。

ビジネスではチーム内でKPIを共有し、目標に対する到達率を数値で把握することで適切に組織活動を行うことができます。

例えば、営業の現場では、訪問件数や受注件数、解約件数などがKPIとして設定されることが多いです。KPIを具体的に設定すれば、目標に到達するための進捗度合いを正確に把握できます。

■新規事業立ち上げ時にKPI設定が大事な理由
新規事業を立ち上げた際に、企業が目標を達成するためには、KPIを設定することが非常に重要です。

なぜなら、KPIは定量的な数値が用いられるため、評価基準を統一することができるからです。

KPIで達成すべき目標を社内で共有することで、組織全体のモチベーションが上がり、生産性向上につながります。KPIは「新規顧客獲得数」「新規受注獲得数」など、マーケティングや営業の現場でよく使われます。

KPIは一般的に、一定の期間を定めて計測されます。通常は月次、スピードの速い組織では週次、日次で目標設定をするケースもあります。期間ごとにパフォーマンスを評価し、成績が悪い場合は改善策の策定と実施が必要です。

目標達成のプロセスにおいて課題が発生した場合は、すぐに共有でき、社員全員で課題に立ち向かえるので、結束力が高まり、組織全体での相乗効果が期待できます。

■KPIを設定する3つのメリット
KPIを設定する主なメリットは、以下の通りです。

1、課題抽出を抽出し改善に繋げることができる
結果と原因を分析することで、改善の材料になるため、次のアクションに活かせるヒントを得ることができます。

最終目標を達成するために、KPIを継続的に測定・監視し、業務の振り返りを行うことで、日々の活動の課題の抽出と、具体的な改善が行われます。

2、目標達成に向けてメンバーの意志統一ができる
チームでKPIを共有すると、「自分のチームはどこに向かおうとしていて、順調に進んでいるのか」が分かるようになります。

KPIを設定する最大のメリットは、組織内における共通の指標を用いることでメンバーの意思統一が図りやすくなる点です。

また、評価基準が客観的になり、チームとメンバーに対する評価を公平に行うことができます。

3、メンバーのパフォーマンス向上に繋がる
目標に向けたアクションが明確になり、「いつまでに・何を・どれだけ」行えばよいか分かるようになります。

生産性が上がり、達成感が向上します。客観的な目標設定によりメンバーのモチベーションが向上し、組織全体のパフォーマンス向上に繋がることもKPI設定のメリットだと言えるでしょう。

■KPIとKGI、CSFの違い
KPIのほかに、KGIという指標もよく使われます。それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

1、KGIとは?
KGIは「Key Goal Indicator」の略称で、「重要目標達成指標」と訳されます。組織として最終的に達成したい数値目標になります。

例として「期末までに利益◯円達成」「売上目標◯円達成」が挙げられます。

組織の売上や利益、課題の達成レベルなどがKGIの例です。KGIとして設定される指標は、組織の規模や業種などによって異なります。

2、KPIとKGIの関係性
KPIは目標達成の進捗状況を管理するために使われ、KGIは企業や事業全体の目標を管理するために設定されます。

KGIは組織が目指すべきゴールを数値化した指標、KPIはKGIを達成するためのより細かな目標を数値化した指標と言ってもよいでしょう。

例えば、新規事業のKGIを「売上目標1億円」に設定したとします。このKGIを達成するために定められるKPIの例は以下の通りです。

・新規問い合わせ件数1,000件
・新規商談件数100件
・新規顧客獲得件数20件
・平均受注単価500万円

売上や利益の目標金額など、大まかなKGIを設定する企業は数多くあります。しかし、KGIを定めてもKPIを設定しなければ、目標達成のプロセスを管理できません。

KPIを導入していない場合、KGIを実現するための取り組みとしてKPIを設定するとよいでしょう。

3、KPIとCSFの関係性
CSFとは、「Critical Success Factor」の略で、KGIを達成するために必要な要素になります。CSFは、経営目標の達成に影響を及ぼす経営戦略上、重要となる管理項目のことを指します。

目標達成においては、CSFの洗い出しをもとにした資源投下が必要になります。

例えば、売上げアップがKGIの場合、売上を構成する要素として「提案数×販売金額×受注率」のように要素を分解できます。この中で、目標(KGI)を達成するために最も重要な要素をCSFに設定します。

CSFをいつまでに、どの程度実施すればKGIを達成できるのかを数値で表したのがKPIです。KPIを達成していればKGIも達成できている、という関係性になります。

■新規事業のKPIの運用設計の手順
新規事業立ち上げのKPIの運用設計の手順は、下記の通りです。

1、設計の準備を整える。
最初に、設計の準備を整えます。運用設計の準備では以下に取り組むと効果的です。

KPIを設定することで、目標達成のために社員それぞれがどのような行動をすればよいのかわかりやすくなります。

やるべきことが明確なので行動もしやすくなり、業務スピードも向上します。

・社内でKPIに対する認識を共有するため、指標の定義を確認・整理する。
・KPIをスムーズに測定するため、データ取得方法を確認する。
・KPIの運用をより柔軟性の高いものにするため、代替案となるKPIの検討する。

2、運用のルールやプロセスを設計する。
次に、運用のルールやプロセスを設計します。

個でもチームでもKPIに基づいて実行・管理をすることで、業務において最大限の成果を出すことができるでしょう。

・誰がどのタイミングで何をするかといった、PDCAのプロセスと会議体の設計
・組織メンバー一人ひとりに運用時の役割を設計
・KPIを可視化するためのルール、ツールといった仕組みの設定
・KPIの結果を振り返るための場所や振り返り方法の設定

などを設計していきます。設計した内容は、組織内でしっかりと共有していきましょう。

3、補足的な検討事項を確認する。
最後に、補足的な検討事項を確認します。ルールやプロセスを設計しても、何らかの漏れが生じることはよくあるものです。

KPIを設定した後は、KPIに基づき日々の業務においてPDCAサイクルを回します。

業務の細分化することでPDCAが高速化し、効率的なプロジェクトの進行を実現します。

・社内外への情報開示に関する共通のルール
・バッティングしたKPIへの対応方法
・PDCAを活かした振り返りの結果、KPIや目標値を見直すプロセス
・外部環境といった状況変化への対応方法
・個人の目標管理・評価制度との関係

などについては、事前に検討しておく必要があります。KPI設定は、社員の行動指針に加えて、組織全体のモチベーション向上の効果も期待できます。

しかし、適切なKPIを設定し事業を軌道に乗せるためには、ノウハウやスキル、充分なリソースの確保も必要になります。このことから、KPIの導入が難しい場合もあるでしょう。

■まとめ
KPIの導入は企業における問題解決に有効な手段となります。なぜなら、ビジネスの本質は、「最小の投資で最大の効果を上げること」だからです。

そして「最小の投資で最大の効果を上げる」ためには「何に資源を集中させれば効果は最大になるのか?」という選択と集中が欠かせません。

そのため、「現状の課題を解決する」あるいは「現状のビジネスの強みを活かす」ためには、KPIに基づいた現状分析は欠かせないステップになります。

その数値は、実現可能であり、従業員にやる気の出る数値であることが必要です。ですが、余りに高い目標値を掲げても、従業員は初めから諦めの気持ちになり、チーム全体のモチベーションの低下に繋がるからです。

そのような結果にならないためにKPIを導入前には、導入の意義、効果、必要とする作業、成功例、失敗例などについてステークホルダーに十分な説明をすることが大切です。

KPIを設定する際には、要因毎に過去の数値と比較し、現状の取り組みを分析した上で必要な改善点を見つけ、客観的かつ論理的な数字を設定することが必要です。

新規事業に適切なKPIをすることが設定できれば、ビジネスの現状は可視化され「KPIの時系列比較分析」や「競合比較分析」によって、ビジネスの課題や強みを見出すことが可能になるのです。

■最後に
あらゆるビジネス活動は投資を伴う以上、より少ないリソースで、より高い目標を達成する必要に迫られます。

そのためには、何らかの形で「目標の設定」「戦略の実行」「達成水準の評価」「次のステップに向けた改善活動」は、必要不可欠な要素になります。

スタートアップは、人々の悩みや不満、既存の仕組みの問題点を発見し、どんなものがあれば解決できるか?を徹底的に考え抜くことが、付加価値を創造する原点になるのです。

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本田季伸のプロフィール

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