海外向け越境ECの魅力と課題、その解決策とは?

投稿日: 作成者: KENJINS運営元代表 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

越境ECサイトという、国境関係なくオンラインで買い物が出来るシステム。現在世界中で拡大傾向にあり、アメリカと中国を中心に、様々なサイトが制作されています。越境ECサイトに期待される効果は、「来日せずにインバウンド消費をしてもらう」こと。海外の消費者は、自国にいながらインターネット経由で買い物が出来る仕組みです。

■越境ECとは?
越境ECとは、インターネットの通信販売サイトを通じて行う国際的な電子商取引(EC)のことです。基本的には日本国内よりも、海外の消費者に向けて国内の商品を販売することを目的としています。越境ECとは、国境を超えて行われるECサイトの取引のことを意味します。

近年、ECの利用者数の増加に伴い、越境ECが盛んに行われるようになってきました。日本製の商品は高品質で安全な上、海外で取り扱っていないものも多いため、外国人から支持されている点も理由のひとつです。現在、日本の会社が海外で人気のECモールに出店をしたり、越境ECの支援サービスを提供する企業が登場したりするなど、越境EC市場が活性化しています。

■越境ECの市場規模
近年はインターネットショッピングの利用が世界中で増加し、国内にいながら海外の商品を購入することも可能になりました。年々拡大している越境ECの市場規模についてご紹介します。

■日本・米国・中国の3カ国間における越境電子商取引の市場規模
経済産業省の調査によれば、平成29年度の日本の消費者による米国・中国事業者からの越境EC購入額は2,570億円で、前年比7.3%増となっています。一方、米国の消費者による日本・中国事業者からの越境EC購入額は12,070億円で、前年比15.9%増。中国の消費者による日本・米国事業者からの越境EC購入額は27,556億円で、前年比26.8%増という結果です。

■越境ECサイト制作で抱える5つの課題
越境ECサイト制作にあたって、多くの企業が抱える5つの課題をお伝えします。

その1:商品の販売場所
商品の販売場所を、自社で構築したECサイトにするか、他社のECサイトにするか。この販売場所によって、サイト構築の難しさや商品の購買率が変わります。自社ECサイトと他社ECサイトの定義は、以下の通りです。

1、【自社ECサイト】自社で構築したECサイトでの販売。例えば、ケンコーコムやトーキョーオタクモードなど。
2、【他社ECサイト】他社運営のECサイトで、一部スペースを借りながら販売。例えば、楽天市場やAmazonなど。

自社サイトは自分たちで一からサイトを構築し、集客しなければいけません。しかし、自由度が高く、出店費用を抑えることがメリットです。対して、他社サイトは出店自体に費用がかかり、販売利益に対して手数料がかかることもあります。また、モール内での競争も避けて通れません。ただしその分、集客に手間がかからず、早い段階から商品を購入される確率が高まります。

販売場所の選択にあたっては、インバウンドの消費動向を確認しながら、どんな場所で何が売れるのかを考えていかなければいけません。

その2:言語の違いや翻訳の難しさ
そもそも、海外と日本では使用言語が違います。それは翻訳機能を使うことで、言語の問題はある程度解決します。

しかし、翻訳機能だけでは機械的な言い回しばかりになったり、間違った言葉遣いをしてしまったりすることも。また、言語を英語で統一するという手もありますが、もちろん消費者全員が英語が出来るわけではありません。現地語に対応していないことで、消費者に商品やサイト自体を見つけて貰いにくくなってしまいます。

その3:通貨や決済方法の違い
そもそも国によって、使用通貨が違います。さらには、決済方法も異なり、国独自の決済方法が発達している可能性も考えられます。より多くの国で販売するためにも、多通貨決済への対応は避けられません。

例えば、中国ではAlipay(支付宝)やWeChat Pay(微信)が浸透しています。この2つの決済方法が一般的になりつつあり、現金はほとんど使われていません。中国の消費者向けにサイトを展開するならば、これらの決済方法への対応は必須と言えるでしょう。

対して、欧米ではPayPal(ペイパル)、東南アジアではまだまだ代金引換が主流など、エリアや国によって決済方法は異なります。より多くのインバウンド消費を促すには、決済方法を幅広く用意しなければなりません。

その4:商品の配送方法
海外へ商品を発送する場合、日本ほどスムーズに荷物が届くとは限りません。国際配送サービスを利用するなど、配送方法の選択も慎重になるべきです。

もちろん、自社で配送することは可能です。しかし、手間とコストがかかり、税関の手続きについても配慮しなければなりません。手間を省きトラブルを防ぐためにも、できるだけメジャーなサービスを利用する方が安心です。

その5:トラブル時の対応
海外向けに販売を行うと、商品が届かない、入金が確認出来ないなどのトラブルがないとは言い切れません。問題が起きた時に、言語の違う相手とのやり取りを想定しておく必要があります。

言語が違うと、相手の意見を汲み、対応するだけでも大変です。時には、言いたいことが上手く伝わらず、返品に繋がってしまうことも。トラブル時にしっかりと対応するために、多言語を話せるスタッフを用意するなど、対策を事前に準備しなければいけません。

■ECの需要は確実に増加している
日本が越境ECに関する調査を行っているのは、日本・米国・中国の3カ国のみです(平成30年現在)。欧米では、和服などの日本ならではの民芸品の人気が高い傾向にあり、中国では日本の家電製品や衛生用品がよく購入されています。

また、タイやインドネシア、台湾などでは、「クールジャパン」と呼ばれるサブカルチャーや、自国にはない高品質の日本製商品を中心に越境ECのニーズが高まっています。例えば、台湾では日本の医薬品、タイでは日本メーカーの化粧品が多く購入されています。日本製の家電製品、お菓子、衣類などもさまざまな国で人気があり、今後は日本・米国・中国以外の国々でも越境ECの需要の増加が予想されています。

■越境ECサイト制作で解決する4つのこと
インバウンド向けに越境ECサイトを制作する場合、課題がたくさんありました。しかし、自社のみで対応するのが難しい場合、制作会社に頼むと安心です。依頼することで、多言語化、多通貨決済、サイトデザイン、SEO対策といった4つの課題解決に繋がります。

1、サイト内の多言語化
越境ECサイト内は、より多くの言語対応を行うのがおすすめです。多言語化するだけでも、商品が地域問わず認知されます。英語のみの使用や翻訳だけでは、商品の魅力や日本語特有のニュアンスは伝わりません。さらには、翻訳に時間もかかります。越境ECに強い制作会社に依頼すると、現地語でサイト制作をしてくれて翻訳に時間を取られません。

2、多通貨決済の導入
多通貨での決済方法を取り入れることで、購入のハードルが下がります。決済プラットフォームの導入も、制作会社に依頼すれば自分たちで準備する必要がありません。

日本円での決済のみでサイトを作ることも、もちろん可能です。しかし、日本円での決済は消費者からすると正直面倒であり、レートも良いとは限りません。自国通貨が決済に使用出来ないというだけで、消費者が離れてしまうこともあるようです。多通貨に対応した決済サービスを導入することで、売り上げを円に両替した状態で受け取ることも出来ます。消費者はもちろん自国通貨で支払い可能で、ストレスがありません。

3、見やすいサイトデザイン
サイトデザインも、越境ECサイトでは重要です。国によって好まれるデザインは異なるものの、より多くの国にアプローチするには、すっきりとした見やすいデザインにする必要があるでしょう。

言語や文化が異なるからこそ、見やすいデザインが必要です。商品の魅力を引き出しながら、より伝わりやすいデザインとなるサイトを作成してもらいましょう。

4、SEO対策で検索エンジン最適化
制作会社は、SEO対策も行ってくれる所もあります。SEO対策で上位にサイトが表示されることで、より認知度や購買率も上がるかもしれません。SEOとは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略。Googleで特定のキーワードを検索したときに、サイトが表示される順位のことです。この表示順位を上げるほど、人目にも付きやすくなります。

しかし、海外向け越境ECサイトでは、言語ごとに独自のURLを付けるなど、言葉の違いを乗り越えた対策が必要。多言語化でも述べましたが、機械的な言い回しよりも、現地で使われる言葉の方がよく検索されます。海外向けのSEO対策には言語も関わってくるため、制作会社へ依頼する方がより効果が期待出来るでしょう。

■越境ECはインバウンドを上回っている
越境EC率の高い中国を見ると、2014年に中国人が日本から越境ECで購入した商品の合計金額は6,064億円でした。一方、同じ年の中国人によるインバウンドの購入金額は4,020億円です。

以前、訪日中国人が日本製商品を大量に購入する「爆買い」が話題となりました。しかし実際は、中国人は日本に来て買い物をした金額よりも、インターネットを通じて購入した合計金額のほうが高いということになります。

■越境ECが拡大している4つの理由
世界中で、越境ECのニーズが高まっています。その主な理由を4つご紹介します。

1、スマートフォンの普及
世界中にスマートフォンが普及したことで、どこにいても買い物ができるようになりました。端末が安価で簡単に手に入るようになったこともあり、多くの国でスマートフォンからインターネットを閲覧できるようになっています。つまり、スマートフォンさえあれば、多くの人が自分で海外のECサイトにアクセスし、自国商品などと比較しながら、より低価格で高品質なものを購入できるというわけです。越境EC拡大の背景には、スマートフォンの普及によって、ショッピングモールなどが近くにない地域に住んでいる人でも手軽に海外の商品を購入できるようになったことが影響しているのは確実です。

2、訪日外国人のリピート購入
訪日外国人が日本で家電製品や衛生用品、食料品、衣類などを購入して、帰国後に使用したところ大いに気に入り、越境ECを利用してリピート購入するというケースがあります。自国の店頭では取り扱いのない商品も、越境ECなら手に入れることができます。

また、一度も日本に来たことがない外国人でも、日本を旅行した友人・知人にお土産としてもらったり、Webサイトで商品を知ったりしたことがきっかけで、日本製の商品を購入することがあります。そんなときでも越境ECなら簡単です。

3、コストを軽減できる
越境ECなら、外国で直接出店する必要がありません。現地で外国人向けの商品を販売する際に大変なのは、出店申請の手間や家賃、現地スタッフの人件費です。十分なマーケティングを行わなければ、出店できたとしても失敗してしまうリスクがあります。
その点、ECサイトなら実店舗を持つよりも大幅に初期費用を抑えることができます。サイトの作成やシステムの導入などを含め、数万円~数十万円程度でスタートでき、低コストで始められます。

4、商圏を拡大できる
人口減少などの理由から、今後の日本の消費は低下が予想されています。越境ECならば、簡単に海外進出が可能です。日本の商品を購入できる場が少なかったり、潜在的な顧客が多かったりする国はまだたくさんありますので、新規顧客獲得も見込めるでしょう。ネット上で外国人顧客向けの店舗を持つことができるため、日本にいながら海外市場が開拓できます。

■越境ECを始める前に知っておきたい3つの注意点
メリットの多い越境ECですが、日本国内向けのECサイトとは異なる点も少なくありません。越境ECを実施する上での注意点を理解しておきましょう。

1、配送料や手数料が国内ECよりも高い
越境ECの場合、インターネットサイトを通じて注文があった商品は、日本から海外へ輸出することになります。配送料や手数料は日本国内よりも高額になるため、結果としてユーザーが負担する金額は大きくなってしまいがちです。そのため、「低価格」「お得」などを売りにした販売戦略は難しい場合があります。

それよりも、外国人に人気のある日本の商品やブランド、海外にはない珍しい商品などを売りにしたほうが、売り上げが見込める可能性が高いでしょう。
また、越境ECの場合は外貨で決済が行われます。そのため、為替レートの変動などによって価格に大きく差が出てしまうという点も理解しておきましょう。

2、販売先の国によって法律が異なる
越境ECでは、物流や決済方法、発送手段、翻訳など、販売国に合わせた対応が必要です。例えば中国の場合、インターネットサイトの開設・運営はすべて許可制となっており、「ICP」と呼ばれるライセンスがなければ、サイトを開設できません。中国で電子商取引を行うためには、ICPライセンスの取得が必須です。ライセンス未取得の場合は違法となり、発覚するとサイトの運営停止や罰金などのペナルティが科せられます。

トラブルにならないよう、海外では日本と異なる法律があることを念頭に置いた上で、事前の調査や対策をきちんと行いましょう。

3、関税など国際輸送における取引は規制が多い
国境を超える取引には、商品やサービスに対して関税が発生します。商品によっては、関税法で輸出入が禁止されているものもあります。例えば、中国では古着の輸入が禁止されていたり、中古機器などの輸入には現地確認が必要になる規制があったりします。

輸出入の許可リストは、各国の税関ホームページに掲載されています。越境ECで取り扱う商品が、販売国で輸出入が禁止されていないかどうかを事前にチェックしておきましょう。

■可能性が広がる越境ECの大きな魅力
越境ECは、インターネットショッピングが当たり前の時代になった現代にマッチしたサービスのひとつです。意外な日本製品が海外で人気があったり、外国人のニーズに合う商品がまだ数多く眠っている可能性があったりして、日本の海外向け越境ECは今後も拡大していくことが予想されます。

ただし、越境ECのビジネスを始めるにあたっては、日本とはルールや規制が異なることに十分注意をすることが大切です。越境ECサイトは来日せずにインバウンド消費を促す方法の1つです。特に海外進出の最初のステップとして、ネットショップの売上拡大と顧客数の大幅な増加を目指すなら、世界中に販売機会を求めることができる越境ECに取り組まない手はありません。

今回は、越境ECのなかでも主要なBtoCについてご説明しました。他にも、企業によるBtoB(企業間の電子商取引)や、個人によるCtoC(消費者同士の電子商取引)を行うために越境ECを始める人も増えており、実店舗と越境ECサイトを連携させてビジネスチャンスを広げるのも有効な手法と考えられています。

越境ECはまだまだ可能性がある新たなマーケットになりますので、単独での取り組みが難しいという企業様は、様々な知見を携えた5000人を超える顧問が揃っており、海外進出と越境ECのプロフェッショナルが豊富な日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」にご相談ください。

本田季伸のプロフィール

KENJINS運営元代表 連続起業家・著者・エンジェル投資家 新卒で日本食研株式会社を経て、25歳で起業。これまでに自身で複数のITベンチャーを創業する。 1997年の起業時は、新宿の高田馬場でWEB制作事業からスタート。その後、インターネット事業プロデュース会社として、日本初の事業であることにこだわり、クーポン専門サイト、地域コミュニティサイト、出前専門サイト、チケット共同購入サイトなど、数々の専門・特化型ポータルサイトを立ち上げる。 クーポンサイトの運営時にバーコードを電子化し、クーポンやチケットとして携帯電話の画面上に表示するアイデアを考案し、20件以上の特許を申請し事業化を推進。2002年に業界で初めて、「携帯チケット」のソリューションを開発。KDDIと共同で歌手の矢井田瞳のコンサートでモバイルチケット入場を実用化させ、電子チケット事業のパイオニアとして一躍注目を浴びる。 2014年プライドワークス株式会社を設立。日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」のプラットフォームを武器に、顧問紹介業界で横行している極端な顧問料のピンハネを撲滅を推進し、「顧問料の中間マージンをゼロ」をコンセプトに業界で唯一、適正価格で顧問紹介サービスを提供している。

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