SCM顧問とは何か?役割と選び方を解説

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

SCM改善で顧問を活用する方法と導入のポイント

コストと納期のブレを抑えたいなら、現場だけの改善では限界が出やすいです。そこで、外部の専門家を活かして意思決定の質を上げる発想が有効になります。たとえばSCMでは、調達・生産・物流のつながりを見直すために、データ整理や施策の優先順位づけが鍵になりますが、その判断を伴走できる体制があると進めやすくなります。

SCM改善で顧問を活用する場合は、最初に「何を最短で変えるか」を合意するのが重要です。現状把握の範囲、KPI、意思決定者、報告頻度を決め、役割を曖昧にしないことで成果に直結します。さらに、改善の論点を現場に落とし込むため、顧問は戦略だけでなく運用設計まで踏み込む姿勢を選びたいです。

導入のポイントは、経験領域と相性を確認することです。例えばサプライヤー連携の改善が目的なら、その領域で実績がある顧問を選びます。加えて契約条件で、守秘義務、MTG時間、費用の内訳を明確にし、学習効果が残る形にするのがコツです。

目次

  1. SCM顧問とは何かをまず整理する
  2. SCMで顧問が求められる背景
  3. SCM顧問が担う主な役割
  4. SCMに顧問を入れるメリット
  5. SCM顧問が向いている企業の特徴
  6. SCM顧問の選び方と見極めポイント
  7. SCM顧問の導入手順と進め方
  8. SCM顧問の費用相場と契約時の注意
  9. SCM顧問導入を成功させるポイント
  10. まとめ

SCM顧問とは何かをまず整理する

物流や調達の現場を見ていると、改善の前に「誰が意思決定するか」で手戻りが増えることがあります。そこで役立つのが、外部の知見を意思決定に接続する取り組みです。SCM領域での顧問は、サプライチェーン全体を俯瞰し、現状の課題を構造化して、打ち手を優先順位まで落とし込む役割を担います。単なる助言ではなく、現場のデータや制約条件を前提に、改善が回り続ける設計に寄与する点が特徴です。

筆者が関わった案件では、毎週の会議で対症療法が続き、在庫と納期が同時に悪化していました。顧問が最初に整理したのは、部門ごとのKPIのズレと、判断の承認経路でした。その結果、施策の対象を「在庫削減」ではなく「発注計画の前提修正」に切り替え、数か月で会議の決定スピードが上がった経験があります。

つまりSCM顧問とは、改善のテーマを見つけるだけでなく、関係者が動ける形に翻訳し続ける存在だと捉えるべきです。役割を定義してから依頼範囲を決めることで、期待外れを減らせます。

SCMの基本領域と対象業務

サプライチェーンの課題は、現場の頑張りだけでは切り分けにくいことがあります。そこで焦点になるのが、SCMが扱う領域を理解したうえで、対象業務を“どこまで面倒を見るか”まで整理することです。筆者が関わった案件でも、倉庫の効率だけを改善していたときは遅延が減らず、原因が発注条件と輸送手配のタイミングにありました。こうしたズレを潰すには、需要予測、調達、在庫、物流、販売計画の連動を同じ地図で見ます。

実務では、データ整備から始めて、リードタイムや在庫回転、欠品率などを追い、改善対象を優先順位に落とす流れが有効です。特にSCMは“部門最適”ではなく“全体最適”を設計する枠組みなので、対象業務は契約・調達条件、輸送手配、運用ルールまで含めて範囲設定するのが推奨です。

顧問とコンサルタントの違い

社内で外部人材を探すとき、「何をどこまで任せたいか」が曖昧だと比較が難しくなります。顧問とコンサルタントはどちらも外部の専門家ですが、関わり方と成果の作り方が違います。筆者の経験では、短期で診断して施策案を持ち帰るだけの体制だと、現場の運用ルールが決まらず定着しないことがありました。その点、顧問は継続的に会話を重ねながら、会議体や判断基準まで落とし込む役回りになりやすいです。

一方でコンサルタントは、調査や分析、資料作成、改善提案といった成果物で勝負するケースが多いです。社内の体制が整っており、実行計画を社内で回せるなら相性が良いです。逆に改善を回し続ける仕組みづくりを重視するなら顧問を選ぶべきです。

導入時は、支援期間、意思決定への関与範囲、現場への伴走度を最初にすり合わせると失敗が減ります。

SCMで顧問が求められる背景

取引先が増えるほど、在庫と納期の数字は連動してブレやすくなります。特にSCMの改善では、倉庫・運送・調達・生産・販売が同じタイミングで意思決定できないと、対策が“どこにも効かない”状態になります。こうした状況で顧問が求められるのは、現場の頑張りを増やすより先に、全体の前提を整える必要があるからです。

実務では、KPIが部門ごとに違い、会議では論点が散らばり、結果として施策が部分最適に寄りがちです。筆者が対応した案件では、発注計画の見直しに着手しても納期が改善しませんでした。原因は、輸送リードタイムと契約条件の前提が更新されていなかった点でした。顧問が間に入り、前提条件を会議で合意し直したことで、施策の効果が初めて出た経験があります。

そのため背景には「複数部門の前提ズレ」を短期間で解消したい事情があると考えるべきです。今後は、体制設計まで踏み込める支援を選ぶのが近道です。

需要予測や在庫最適化の難しさ

発注が外れるたびに、倉庫では「余っているのに品切れもある」という矛盾が起きます。需要予測と在庫最適化は、販売見込み、需要の季節性、品目ごとのリードタイムが絡むため、数字を見ただけでは収束しにくいです。筆者が支援した現場では、需要は月次で安定して見えていたのに、実際の欠品は週単位で偏っていました。原因は、メーカーの出荷条件と販売チャネルの締め日がズレていたことでした。

対策としては、予測モデルの更新頻度を上げる前に、まずデータの粒度を揃えるべきです。品目、拠点、チャネル、リードタイムの単位が混ざると、在庫の意思決定がぶれます。次に、在庫方針を「安全在庫を厚くする」だけにしないで、欠品コストと保管コストの両方で判断させるのが最短ルートになります。

運用面では、予測は作って終わりではなく、外れた理由を次の打ち手に直結させる仕組みにすることが肝です。

部門横断で改革が進みにくい理由

会議室では合意できているのに、現場では動きが止まる。こうしたズレは、部門ごとに守るルールや評価指標が異なるときに起きやすいです。調達は調達コスト、製造は稼働率、物流は輸送効率など、それぞれ最適化したい方向が違うため、改革の優先順位が衝突します。筆者が関わった改善でも、在庫配分のルール変更を提案した瞬間に「それは自部門のKPIに影響する」と反対が出て、議論が技術ではなく責任範囲に流れてしまいました。

進みにくさの本質は、判断基準が部門ごとに分断されている点です。対策として改革のゴールを“部門KPIの総和”ではなく“全体の成果”で定義するべきです。あわせて、意思決定の場と責任者を1つに絞り、例外処理までルール化すると前に進みます。関係者が増えるほど調整は重くなるため、最初から適切な会議体設計を置くのが近道です。

SCM顧問が担う主な役割

現場から上がる改善要望を見ても、なぜそれが効かなかったのかが説明できないと、次の一手が決まりません。SCM領域で顧問が活きるのは、その“再現性”を作る役割があるからだと考えています。単なる助言に留まらず、課題を構造化し、関係者が判断できる材料に翻訳します。たとえば筆者が関わった案件では、在庫の増減を議論していましたが、実際には輸送計画と納期条件が噛み合っていませんでした。顧問が前提のズレを整理し、会議で合意すべき論点を絞ったことで、施策の検証が回り始めた経験があります。

主な役割としては、全体最適の観点で優先順位を決めること、KPIと意思決定の枠組みを設計すること、そして改善が止まらない運用に落とし込むことが挙げられます。加えて「いつまでに・誰が・何を判断するか」を明確にする動きは、改革の速度に直結します。

現状診断と課題の可視化

「どこが悪いのか」が見えないまま施策を打つと、担当者は手を動かすほど答えに近づけなくなります。だからこそ最初にやるべきなのが、現状を事実で切り分け、課題を関係者が同じ言葉で理解できる形にすることです。現状診断では、実績データだけでなく、運用ルール、例外の出方、承認の流れまで含めて棚卸しします。

筆者が関わった案件では、欠品率が高い原因を在庫量の問題だと決めつけていました。しかしデータを拠点別・品目別・出荷条件別に分解すると、集中して失敗しているのは特定の契約タイミングでした。そこで「欠品が多い」ではなく「この条件でだけ再計画が遅れる」という課題に置き換えたところ、対策の方向性が一気に定まりました。

診断の成果は、改善案の前提になるため、数字の根拠と対象範囲を明確にして可視化まで持っていくべきです。

業務設計から導入定着までの伴走

改善の成果が出ないとき、原因は施策そのものよりも「現場に届くまでの設計」が欠けていることが多いです。だからこそ、業務設計から運用開始、定着の確認までを一連で伴走する支援が効きます。私は過去に、在庫ルールの変更を決めたのに現場が回せず、週次会議で前提確認からやり直しになった経験があります。翌回、顧問側がロール(担当者)と判断基準、例外時のフローを業務プロセスに落とし込み、さらに帳票と教育の範囲まで定義したところ、2週間で運用が安定しました。

伴走の要点は設計→試運用→教育→効果測定を分けて管理することです。導入後は「できるか」だけでなく「続くか」をKPIで追うべきです。

SCMに顧問を入れるメリット

改善施策を回すほど、社内の負担は増えていきます。ところが外部の知見を定着までつなげられると、手戻りの回数が減り、成果の出るまでの時間が短縮されます。ここで力になるのが、SCM領域の顧問を活用する形です。筆者の経験では、在庫と納期の議論が毎月やり直しになっていた企業で、顧問が会議の論点を事前に整え、担当者が判断できる状態にしてくれたことで、施策の検証が次の決定につながりました。

メリットは、意思決定の質が上がることに加えて、改善の運用が途切れない点です。さらに成功パターンを“属人化させずに型にする”ことで、担当者が変わっても同じ成果を再現しやすくなります。結果として、現場がやるべきことが明確になり、無駄な調整コストを抑えられます。

短期間で専門知見を補える

人材の採用や育成には時間がかかりますが、その間もSCMの改善は待ってくれません。そこで外部の専門家を短期で入れると、社内に足りない視点を埋められます。筆者が入った支援では、在庫と納期の議論が複雑になり、担当者が「どの仮説を優先すべきか」決めきれなくなっていました。顧問が初回からデータの見方と判断軸を共有し、会議の論点を一段上のレベルに引き上げたことで、その週から打ち手の優先度が揃いました。

短期間で専門知見を補うときは“調べる”ではなく“決める”に寄せた依頼にするのがコツです。事前に現状資料と目標KPIを渡し、期待するアウトプットを「仮説の絞り込み」「判断基準」「次回アクション」に限定すると、学びが現場の運用に直結します。

プロジェクトの意思決定が進みやすい

プロジェクトが止まる原因は、資料不足よりも「決める人がいつ・何を根拠に判断するか」が曖昧なことにあります。SCMの改善でも、論点が拡散すると、各部門がそれぞれの懸念を出して終わりになりがちです。

そこで外部の顧問が入ると、決裁に必要な情報を先に揃え、会議で判断できる状態に整えます。実際に筆者が関わった案件では、施策案が3つ出たのに、承認条件が共有されておらず持ち帰り連発になりました。顧問が「比較軸」と「決める順番」を提示し、次回までに出すべき数値を合意した結果、2回目の会議で一つに絞れた経験があります。

ポイントは“結論までの最短ルート”を会議設計に組み込むことです。意思決定者、期限、必要データを最初に固定し、その範囲から外れた論点は別トラックに分ける運用にすると、進捗が安定します。

SCM顧問が向いている企業の特徴

外部の専門家を入れるかどうかは、社内の状況で決めるのが一番です。例えば改善テーマが見えているのに、意思決定や運用設計で詰まっている会社は相性が出やすいです。逆に、データの前提や責任範囲が曖昧なままでは効果が出にくいので、少なくとも現場と管理部門が同じKPIで会話できる土台があるかを確認すべきです。筆者が見てきた範囲では、拠点や部門が多く、施策が部門横断で効く一方、利害調整の手間が増えている企業ほど継続支援の形が合う傾向があります。

余談だが、顧問活用は「頻繁に稼働させる」よりも「決める回数と質」を上げる目的で設計すると失敗しにくいです。つまり月1回でも、会議前に論点と判断材料を揃え、会議後に運用へ落とす流れを作れる会社が向いています。今の体制で、誰が最終判断し、いつまでに何を決めるかを言語化できるなら、検討価値は高いです。

製造業や流通業で起こりやすい課題

工場や倉庫は日々回っていますが、改善の議論を始めると必ず“現場の実態”が壁になります。製造業では、設備稼働と品質のトレードオフ、部品の調達条件、工程の切替タイミングが絡み、計画通りに進んでも後工程でズレが出ます。流通業でも、売上の変動に対して補充リードタイムが追いつかず、店頭では欠品、物流側では過剰在庫が同時に発生しがちです。

筆者が関わった事例では、製造部門が「納期は守れている」と判断していたのに、実際は出荷検収の条件差で入庫が遅れていました。数字の見方が違うだけで“問題の場所”が入れ替わるのです。だから課題は部門単位で捉えるのではなく、前後の連結で確認するべきだと感じています。

加えて、例外対応のルールが薄いと、毎回属人的な判断が増えます。改善を進めるなら、例外が起きる頻度と原因パターンを先に洗い出し、運用設計まで落とし込むのが近道です。

内製だけでは改善が進まないケース

手を動かす人はいても、設計や判断が追いつかないと改善は止まります。特にデータの粒度が足りない、会議での決定基準がない、運用に落とす手順が未整備、といった状態だと内製だけでは前進しにくいです。

製造や物流の現場は改善を回し続ける力がありますが、全体最適の視点で論点を組み直す作業や、部門間の調整ルールを作る作業は別の能力が必要になります。筆者が見た例では、現場の担当者が改善案を作っても、承認者が持つ前提が異なり、結果として同じ議論が毎月繰り返されました。

この段階では外部の知見を“設計と意思決定の型づくり”に使うのが効果的です。余談だが、外部導入の可否は「費用」よりも「どこで詰まっているか」の特定速度で判断するとブレにくいです。どの会議で何を決めるかまで描ける体制があれば、内製と外部の役割分担が自然にできます。

SCM顧問の選び方と見極めポイント

依頼先選びで失敗しやすいのは、「実績があるか」だけで判断してしまう点です。SCMの改善では、顧問が会議でどの論点を切り分け、誰がいつ決められる形に落とすかが成果を左右します。だから選定段階で、相談したい課題を一度文章化してから候補にぶつけ、返ってくる内容が“診断止まり”ではなく“意思決定までの道筋”になっているか確認するのが近道です。

見極めポイントは支援の範囲を「業務設計・運用定着・効果測定」まで説明できるかです。初回面談で、現状資料の扱い方、会議体の作り方、例外時の運用、KPI設計の粒度を質問してみると差が出ます。加えて、費用はもちろんですが、交通費や追加作業の条件、成果物の粒度も契約前に明文化しておくべきです。最後に、現場のキーマンが同席できる体制かどうかも重要です。

経験業界と実績の確認方法

候補になる顧問を見つけたら、「どんな経験を、どの場面で活かせるのか」を具体的に確かめるのが先です。経験業界と実績の確認では、過去の成功事例を聞くだけで終わらせず、自社と同じ条件だったかを切り分けます。例えば筆者が面談した際は、「改善した」とだけ聞いていた実績が、実は目的も対象業務も別物でした。そこで“成果指標と改善範囲”を同時に聞くと、適用可否が一気に見えました。

確認方法としては、(1)対象範囲、(2)取り扱ったデータや制約、(3)意思決定に関わった深さ、(4)期間と再現性の根拠、を順に質問します。そして最後に「今回の自社課題で、どの判断をどの会議体で決める想定ですか?」と聞いてみてください。なぜそれが効くのか、その筋道を説明できる相手かどうかが判断できます。

システム導入と業務改革の両面を見られるか

改善を進めるとき、現場の作業だけ変えても定着しないことがあります。逆に、システムを入れ替えても業務の判断基準が変わらなければ、入力や運用が“形だけ”になりがちです。だからこそ、導入と改革を同じ視点で見られる支援が必要になります。

筆者が関わった案件では、在庫可視化ツールを入れた後に、誰が在庫方針を決めるのかが未確定で、現場は数値を眺めるだけになってしまいました。後から業務プロセスを整理し直すことで、ようやくツールが意思決定に使われるようになった経験があります。

見られるべき点はシステム要件と業務要件を往復して設計できるかです。会議で「どのデータを、誰が、いつ判断するか」を固め、その前提に合わせて設定項目や帳票、例外処理まで決められると進みます。さらに、導入後の現場教育と効果測定の責任分界も確認しておくべきです。

SCM顧問の導入手順と進め方

外部のSCM顧問を入れるなら、最初にゴールと進め方を決めるのが肝です。いきなり改善案を求めると、現場の実態と意思決定の前提が噛み合わず、打ち手がバラけます。まずは現状資料を取りまとめ、課題を論点に分解し、顧問と社内で「最初の意思決定は何か」を合意します。私はこの段階を丁寧にやらない案件に入ったことがありますが、そのときは会議が長いのに結論が出ず、結局後工程で手戻りが増えました。

進め方は、初回で診断設計を固め、次回以降で優先順位と実行計画を決め、導入後は運用定着の確認まで追う流れが最も再現性があります。もちろん「顧問は相談役で十分」という意見もありますが、改善が止まる原因が業務設計と運用にあるなら踏み込んだ役割定義が必要です。契約時に頻度、会議体、成果物、責任分界を明文化し、進捗の確認日を先に決めておくと前に進みやすいです。

相談前に整理すべき課題と目標

面談や相談を始める前に、課題と目標を“言い切れる形”にしておくと、会話の質が一気に上がります。おすすめは、いま起きている事象を一文で書き、次にその事象を測る数字を添えることです。例えば「欠品が増えた」だけでは弱く、「欠品率」「機会損失」「補充リードタイム」など、社内で追っている指標に落とし込みます。筆者が実際に見たケースでも、曖昧なまま相談したチームは論点が拡散し、結局“何を直す会話か”が揃いませんでした。

目標は、達成条件と期限まで含めて書きます。さらに「いつまでに」「どの部門で」「何が改善したら成功か」を決めておくと、顧問側が設計すべき範囲を判断できます。相談前に最低限、現状データの所在、関係者、ボトルネックの仮説も整理して持参するのが近道です。

契約後の進行管理と成果確認

契約を交わして終わりにすると、改善はどうしても現場任せになりがちです。外部の顧問が関わるなら、進行の管理方法と成果の確認タイミングを最初から決めておくべきです。私は、会議の開催日だけが決まっていて、次に何を判断するかが曖昧な案件を見たことがあります。結果として、資料は増えるのに決定が進まず、現場では「結局何が変わるのか」が伝わらない状態になりました。

進行管理は議題・宿題・決定事項をセットで運用し、毎回“前回の決定が今日動いているか”を確認します。成果確認は定量指標だけでなく、運用が回るかどうかも見るのがポイントです。たとえば、例外処理の件数、判断に要する時間、教育完了率などを追えば、定着の度合いが測れます。最後は、次の改善サイクルに繋がる宿題まで合意して終える形が効果的です。

SCM顧問の費用相場と契約時の注意

顧問契約の費用は一律ではなく、支援範囲と関わり方で大きく変わります。一般に、月額の顧問料に加えて、初期診断や業務設計の追加費用が乗る形が多いです。重要なのは「月額」だけで比較しないことで、会議回数、資料作成の範囲、導入定着まで見るのかで実質コストが変わります。筆者が見た案件では、月額が安い提案を選んだものの、運用設計の粒度が足りず追加契約になり、結果的に総額が増えた経験があります。

契約時の注意点は、成果物の定義と検収条件を明文化することです。さらに、交通費やスポット対応の単価、守秘義務の範囲、途中終了時の清算も確認すべきです。契約書に「相当程度の支援」など曖昧な表現がある場合は、具体の作業項目に落として交渉します。最後に、進行管理の頻度と成果確認の指標を、契約書の別紙にしておくと揉めにくいです。

月額契約とプロジェクト契約の違い

外部支援の契約形態は、「何をいつまでに出してほしいか」で選ぶと迷いにくいです。月額契約は、継続的に相談しながら改善を回す前提で設計されます。一方でプロジェクト契約は、診断や業務設計、導入支援など“区切りのある成果”を納める考え方です。

筆者が関わった案件では、月額で始めたチームが、最初の3か月は相談中心で動きが遅れました。原因は「どこで区切って何を成果物にするか」が曖昧だった点です。逆にプロジェクト契約に切り替えた後は成果物の定義と検収の基準が明確になり、会議も実行も前に進みました。

選び方は、改善テーマが長期で運用定着まで必要なら月額、短期間で設計を固めて実装側に渡すならプロジェクトが適します。どちらでも「支援範囲」「判断者」「次フェーズの責任」を契約書の文言で揃えるべきです。

期待成果を曖昧にしないための確認事項

依頼を出す側が「良さそう」と感じても、成果の定義が曖昧だと相手は動きやすくても社内は迷いやすくなります。だからこそ最初に、期待成果を数値や成果物の形で固定しておく必要があります。筆者が見た例では、在庫改善の支援を依頼したのに「状況が良くなればOK」という表現だけが残り、結局は分析資料は揃ったのに運用ルールが変わらない状態になりました。原因は成果の到達条件が未設定だったことです。

確認事項は、(1)成果物の種類(設計書、教育資料、会議体ルールなど)、(2)対象範囲(拠点・品目・期間)、(3)測定方法(KPIの定義と計測タイミング)、(4)意思決定者が受け取る形、です。さらに「次のアクションは誰がいつ実行するか」まで決めると、成果確認が単なる報告になりにくいです。

SCM顧問導入を成功させるポイント

外部の顧問を入れても、運用が始まった瞬間に期待と現実がズレることがあります。成功の鍵は、導入前に“やること”を決めるだけでなく「誰が」「いつ」「何を決めるか」まで先に合意しておくことです。私が見た範囲では、会議で資料は揃うのに最終決定が遅れ、現場の作業が止まってしまうケースがありました。原因は決裁者が不在だったのではなく、決定基準が会議の場に持ち込まれていなかった点でした。

次に重要なのは、導入後の定着を成果に含めることです。例えば教育の完了率、例外処理のルール遵守率、KPIの改善幅など、現場が追える指標を置くと効果測定がブレません。さらに、軌道修正の頻度も決めておくべきです。毎回やり直すのではなく、月次で学習し、四半期で設計を更新する運用にすると持続します。

現場責任者を巻き込む体制づくり

仕組みやツールを入れても、現場責任者が関与しないと運用は動きません。会議で決めたはずのルールが、当日の判断や例外対応で崩れるからです。だから顧問の支援を活かすなら、最初から現場側の責任者を“実行の当事者”として体制に組み込むべきです。

筆者が見た例では、導入設計の打ち合わせに現場長が出ておらず、教育資料は作れても運用の順番が現場の暗黙ルールと衝突しました。翌週、現場から修正要求が出て会議が再設計モードに戻り、時間が延びました。

体制づくりでは、役割と権限を明確にします。現場責任者は「決める人」ではなく「運用を止めない人」として参加させるのがコツです。さらに、彼らが動くためのKPIと報告頻度も決め、顧問と同じ粒度で成果を見られる状態にしておくと定着が速くなります。

KPIを設定して改善を継続する

改善が続かないのは、やることは決まっても“成果を測る物差し”がないからです。KPIを設定すると、会議が主観の議論から脱して、次に何を直すべきかに焦点が移ります。私が関わった現場では、欠品を減らす方針を立てた後、日々の報告が「良くなった/悪くなった」で終わっていました。顧問が介入してからは、欠品率だけでなく、欠品の発生拠点、補充リードタイム、発注精度まで分解して追うようにしたことで、改善の効果が見える化されました。

重要なのは「KPIの定義」「計測タイミング」「責任者」をセットで置くことです。目標値は高すぎても低すぎても形骸化します。月次で結果を見直し、ズレた理由を運用に反映する回転を回しましょう。そうすれば、改善がイベントではなく習慣になります。

まとめ

最後に、改善を一度回して終わりにしない設計が必要です。SCMの成果は、診断や提案の段階だけではなく、運用の手順と判断基準が現場に定着したかで決まります。

この点で顧問をうまく使うと、会議で出た結論をそのまま業務に落とし、次の改善サイクルまで繋げやすくなります。逆に、途中で役割分担や成果指標が曖昧になると、担当者が迷い、同じ議論が繰り返されます。だからこそ、契約前に期待成果を明確にし、導入後はKPIで確認する運用にしておくべきです。

社内での作業は増やさず、判断の質を上げることが最短ルートになります。まずは現状の課題と目標を言語化し、SCMで誰が何を決めるかまで決めてから動き出しましょう。

本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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