ABMで進めるアライアンス戦略の基本

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

ABMとアライアンスを連動させて成果を高める方法

複数社での共創を「やみくもに連携」しても、商談の歩留まりは上がりません。そこでABMの考え方を核にし、相手のアカウント選定から共同施策までを一気通貫で設計します。まずは狙う業界・企業規模を揃え、優先度の高いターゲットに対してアライアンス先の役割を明確化します。

次に、共同ウェビナーや共同提案書のように、両社の強みが同じ課題に刺さる打ち手へ落とし込みます。成果が見えない期間は企画ではなく測定設計が原因なので、主要KPIを前提に初期から検証できる流れにします。最後に、商談化した案件の学習を次のターゲットへ転用し、連携の質を積み上げていきます。

目次

  1. ABMとは何かをアライアンスの文脈で理解する
  2. ABMでアライアンス戦略が注目される背景
  3. ABMでアライアンスを進めるメリット
  4. ABMを軸にしたアライアンス設計の進め方
  5. ABMとアライアンスの成果を測るKPI
  6. ABMを活用したアライアンス施策で失敗しやすいポイント
  7. まとめ

ABMとは何かをアライアンスの文脈で理解する

「狙う相手」を明確にするだけで、提携の成果は変わります。ABMは特定の企業(アカウント)を中心に据え、決裁者や現場の課題に合わせて情報提供を組み立てる手法です。アライアンスを検討するときは、ただ同じ業界にいる会社を選ぶのではなく、共同で解ける課題がどこにあるかを先に定義するべきです。

たとえば、あるアカウントに対して自社が得意な領域と、アライアンス先が強い領域が重なる場面だけを優先します。すると、営業とマーケティングの打ち手が一本のストーリーでつながり、連携が「活動」ではなく成果の再現に近づきます。

ABMの基本概念と従来のリード獲得施策との違い

広告を打って問い合わせを増やすやり方だけでは、温度感のズレが起きやすいです。ABMでは、ターゲット企業を先に固定し、そのアカウントで起きている課題に合わせてメッセージと情報経路を組みます。従来のリード獲得は母数を広げるほど成果を説明しやすい一方、合わない層に配信して工数が膨らみます。

もちろん「まずはリード数を取りに行くべきだ」という意見もあります。しかし要は、受け皿と営業判断が揃う前に件数だけ追うと、商談化率が伸びないことが多いからです。実務では、アカウント別に理想の接点設計を作り、スコアリングも企業単位で再定義します。すると、打ち手が競合比較よりも課題解決の会話に寄っていきます。最後に、見込み度の高い相手の行動データを次の施策に反映し、改善サイクルを回すのが基本です。

アライアンスがABMと相性がよい理由

同じ予算で提携を増やしても、売上につながらないことがあります。ここで効いてくるのが、アライアンスとABMが噛み合う構造です。ターゲット企業を起点にすると、連携先は「何となく補完し合う会社」ではなく、特定アカウントで勝てる役割を持つ相手に絞れます。すると共同で作る導入ストーリーが、両社の営業接点とマーケティング配信を同じ方向へ揃えます。

もちろん「提携は広く取るほど有利」という考え方もありますが、ABMのようにアカウント単位で投資判断をするなら、重要なのは数ではなく勝てる条件の一致です。結果として、商談化までの時間短縮と、成約後の説明コスト削減が狙えます。最後に、共同施策のKPIを先に固定し、学習を次のアカウントへ転用すると効果が再現しやすくなります。

ABMでアライアンス戦略が注目される背景

取引先探しに時間をかけても、商談が量産されないと感じた経験はありませんか。今、ABMとアライアンスの組み合わせが注目されるのは、ターゲット企業に対して「刺さる理由」を共同で作れるからです。単発の営業活動では短期の問い合わせは出ても、決裁者が動くまでの筋道が途切れやすいです。

そこで、アカウント別に課題と購買プロセスを整理し、提携先の提供価値を同じシナリオに組み込みます。もちろん「提携先を増やせば自然に伸びる」という見方もあります。しかし少ない接点で品質を上げる方が、学習が積み上がりやすいです。結果として共同の打ち手が社内外の整合を取り、再現性のある成果に近づきます。

購買関与者の増加でABMの個社最適化が重要になった

意思決定までの距離が長い案件ほど、購買側の関与者が増える実感はありませんか。かつては担当者の合意で進んだのに、今は稟議を通す複数部署の確認が必要になり、同じ提案でも刺さる相手が分かれます。ここでABMを個社最適化しないと、資料は届いても判断材料が足りず、次アクションが止まります。

もちろん「まずは一社向けの汎用コンテンツで十分」という意見もあります。しかし筆者の経験では、価格や導入手順の観点が違うと、準備すべき根拠も変わり、個社で整える必要があるのが現場です。具体的には役割別に論点と必要データを分けることで、関与者それぞれに次の一手を促せます。結果的に商談から決裁までの期間が縮みやすくなります。

単独施策では届かない顧客接点をアライアンスで補完できる

見込み顧客に一度届いても、次の検討段階で情報が途切れることがあります。こうした「届いたが前に進まない」問題は、単独施策ではチャネルや役割が偏りやすいことが原因です。そこでアライアンスを組み、片方が持つ導線ともう片方の専門領域をつなげます。

たとえば、自社が比較検討向けの解説資料を用意し、提携先が現場導入の事例や運用設計を提示する形です。もちろん「自社のリソースが減るなら意味がない」という意見もありますが、実際には共同で作ることで制作期間と手戻りが減り、必要なタイミングで必要な情報を出せます。結果として顧客接点の空白が埋まり、次回商談の提案精度が上がります。最後は、接点ごとの反応を記録し、どの補完が効いたかを次の対象アカウントへ反映してください。

ABMでアライアンスを進めるメリット

同じ提携でも、進め方で成果が大きく変わります。ABMでアライアンスを進めると、ターゲット企業ごとに「なぜ今この2社が必要か」を設計できるため、営業の会話が筋道立ちます。一般的な共同施策は認知目的に寄りがちですが、アカウント起点なら、比較検討の論点や意思決定者の関心に合わせて情報を出せます。

たとえば共同資料では、導入効果の根拠と運用イメージを一体で提示し、案件ごとの前進条件を揃えます。もちろん「連携コストが増える」という不安はありますが、筆者の経験では準備の重複を減らす設計に切り替えるだけで吸収できます。結果として、商談化率の底上げと、次のターゲットへの再利用が進みます。

営業とマーケティングの連携精度が高まる

施策の反応は取れているのに、商談の質が伸びないとき、起点は営業とマーケのズレにあることが多いです。アライアンスを絡める場合はなおさらで、同じ顧客でも提案する順番や論点が揃わないと、相手は情報を整理できません。

だからABMでは、ターゲット企業を軸に誰が・いつ・何を出すかを設計し、マーケのコンテンツを営業の会話に接続します。担当別に学習ポイントを共有し次の一手を同じ定義で動ける状態にするのがコツです。もちろん「連携に時間を割くと忙しくなる」という見方もあります。しかし、事前に型を作れば運用負荷は下がります。結果として、リード獲得から提案、フォローまでの一貫性が高まります。

ターゲット企業への提案価値を拡張しやすい

提携先を選ぶとき、相手の強みを「追加の武器」にできるかが分かれ目です。アライアンスを組み、ABMのターゲット企業に合わせて提案価値を拡張しやすくすると、同じ商材でも相手の意思決定要件に合う形へ整えられます。たとえば自社は課題整理の観点、提携先は運用設計の観点を担当し、双方の成果物を1セットのストーリーにします。

これは料理でいえば、味付けだけでなく下ごしらえまで押さえるようなものです。もちろん「価値が増えるほど説明が複雑になる」という不安もありますが、要件マップで役割を固定すれば、説明順はぶれません。結果として提案の説得力が強まり、次回面談へ進む確率が上がります。最後に、拡張した価値がどの決裁者の関心を動かしたかを記録し、次のアカウントへ転用すべきです。

ABMを軸にしたアライアンス設計の進め方

まずはターゲット企業を決めるところから始めます。ABMを軸にアライアンスを設計する場合、提携先の候補は「付き合い」ではなく、案件の成立条件に合わせて選ぶべきです。次に、同じアカウント内でも役割別に必要な情報を洗い出し、自社と相手で分担します。

たとえば自社は課題整理と価値仮説、相手は導入時の運用設計を担当する形です。こうして役割と成果物を固定すると、共同ウェビナーや提案書の内容がぶれません。もちろん「最初から細かく決めると動きにくい」という考えもありますが、私は設計を先に固めてから試すやり方が最短だと考えます。最後に、KPIと計測ポイントを共同で合意し、次のアカウントへ学びを転用します。

対象アカウントの選定とパートナー候補の整理

提携を始める前に、相手の名前を並べるだけでは決まりません。まずはABMで狙う対象アカウントを絞り、社内の優先条件に合うかを点検します。取引規模だけでなく、購買プロセスの長さや既存の導入状況、意思決定者の動きやすさまで確認すると精度が上がります。

次にパートナー候補をリスト化し、自社が提供できない領域を埋める相手かを評価してください。たとえば「比較検討に強い会社」と「運用設計に強い会社」を分けて考えると、連携の役割が衝突しにくいです。私は選定基準を早めに言語化し、誰が見ても同じ判断になる状態にするべきだと感じます。最後に、候補ごとの前提条件と想定阻害要因をメモし、共同提案に進むか判断します。

共同提案のメッセージ設計と役割分担の決め方

提案内容が途中で散らかるのは、誰が何を語るかが曖昧なまま進むからです。共同提案では、まずターゲット企業の課題を「結論→根拠→導入イメージ」の順で文章化し、相手にはそのうちどの段を担当するかを決めます。役割分担は、営業が話す事実とマーケが用意する資料が同じ論点でつながる状態にするのが肝です。

実際に筆者が関わった案件で、ある提携先が運用詳細だけを前面に出し、意思決定者向けの投資対効果が後回しになったことで失注しました。次回は冒頭で価値仮説を揃え、途中から各社の強みを差し込む順序に直しました。こうすると読み手が迷わず、次アクションも決めやすくなります。最後は、提案書の同席者リストと発話担当を事前に共有して当日ブレを防ぎます。

ABMとアライアンスの成果を測るKPI

「何となく成果が出た気がする」をやめると、ABMとアライアンスの設計は一段クリアになります。KPIはまず、アカウント単位での前進を測ることです。例として、ターゲット企業ごとの商談化率、意思決定者の面談参加率、提案書提出までのリードタイムを置きます。

次に、共同施策なら役割ごとの到達も追うべきです。私が見てきた案件では、片方の露出数だけ見ていたため、失注理由が「社内稟議の材料不足」に残りました。だから失注前の行動を分解し、必要資料の閲覧や再面談の発生をKPIに入れます。最後に、勝ちパターンを次の対象アカウントへ転用する前提で、計測定義を固定してください。

商談化率 受注率 LTVで見る評価指標

KPIを一度決めると、ABMとアライアンスの成果が「やった感」から「数字の裏付け」になります。評価はまず商談化率で見てください。対象アカウントごとに、面談まで到達した割合が上がっているかを確認します。次は受注率です。

ここで伸びないなら、提案価値の言語化か競合比較の準備が足りません。最後にLTVを置くと、短期の獲得数だけに引っ張られなくなります。ちなみにLTVは算出が難しい場合、初年度の粗利と継続率から暫定で見積もる運用が現場では回しやすいです。私は商談化率→受注率→LTVの順で原因を絞るのが最も効果的だと考えます。定義を揃えたら、アカウント別に月次で振り返り、改善点を次の提案へ反映してください。

ABMを活用したアライアンス施策で失敗しやすいポイント

共同で動くほど、失敗の原因は「気合い不足」ではなく設計不足として表れます。ABMを活用したアライアンス施策でつまずくのは、最初に狙いを揃えず、誰の検討段階に何を出すかが曖昧なときです。特に多いのが、作った資料が共有されないまま別々に配信されるケースです。

結果として、顧客側は同じ質問を繰り返し、営業は話し方を変えざるを得ません。もちろん「とにかく早く出せば改善できる」という考えもありますが、私は学習の順番を守る方が効くと感じます。解決策は、共同施策ごとに到達KPIと投入タイミングを固定し、前後の接点をつなぐことです。最後に、失敗ログを次の対象アカウントへ移植してください。

ターゲット不一致と情報共有不足をどう防ぐか

提携しているのに進捗が揃わないとき、原因は「狙いの差」と「共有の薄さ」にあります。まず防ぎたいのはターゲット不一致です。ABMでは対象アカウントを事前に固定し、誰が見ても同じ基準で優先度を付けるべきです。次に情報共有不足です。

共同提案の議論を個人のチャットや口頭に任せると、営業とマーケティング、さらに相手先の認識がズレます。私は決定事項だけを1枚に集約する運用を勧めます。

例えば、誰がどの意思決定者にどの資料を出すか、次回までの前提と懸念は何かを表にせず文章で固定し、週次で更新します。もちろん「細かく管理すると重い」という反論もありますが、最小単位で統一することで後戻りが減ります。最後に、学びは対象アカウント外にも再利用できる形で残してください。

まとめ

最後に押さえるべきは、やりっぱなしにしない運用設計です。ABMの対象アカウントで何が前進し、どこで止まったかを短いサイクルで振り返ると、次の打ち手が具体化します。連携先との共同施策は、すべてを新規で作らず「効いた要素」を再利用するのが最短です。

アライアンスが増えても、意思決定者に届く順番と論点が揃っていなければ成果は伸びません。だから計測と改善をセットにして、商談化率・受注率・LTVの定義を再確認してください。次回は対象アカウントを一段広げる前に、勝ちパターンの条件を文章化してチームで共有するところまで行うのが理想です。これで成果の再現性が上がります。

本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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