経営戦略の立て方を基礎から実務まで解説

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

経営戦略の基本と策定手順をわかりやすく解説

売上が伸びない時ほど「何を捨てるか」に着目したくなります。限られた人・時間・資金で成果を出すには、判断基準が必要です。ここで土台になるのが経営戦略の考え方で、目先の施策ではなく、狙う市場と勝ち方をつなげて考えます。

まず現状把握として、顧客、競合、自社の強みを整理します。次に目的を数値と期限で置き、部門ごとの取り組みが同じ方向を向くように設計します。私の経験では、戦略は資料を作る作業よりも、意思決定の選択肢を絞る作業として扱うとブレが減ります。

その後、施策をロードマップに落とし込み、KPIと責任者を決めて運用します。最後に、実績から原因を点検し、戦略そのものを更新する流れを作りましょう。たとえば「考える→決める→実行する→検証する」を回せる体制が、実務で効くポイントです。

目次

  1. 経営戦略とは何か
  2. 経営戦略が必要な理由
  3. 経営戦略の種類と全体像
  4. 経営戦略の立て方と進め方
  5. 経営戦略で使える主要フレームワーク
  6. 経営戦略を成功させるポイント
  7. 経営戦略のまとめ

経営戦略とは何か

「競争に勝っているのに売上が伸びない」「施策は増えたが成果が揃わない」と感じたら、まず整理したいのが経営戦略の役割です。経営戦略とは、限られた資源をどこに集中し、どんな勝ち筋で提供価値を作るかを決める考え方です。部門の施策を単発で終わらせず、意思決定の方向を一本化します。

戦略がない組織は、会議のたびに判断軸が変わりがちです。一方で経営戦略が定まっていると、顧客選定、価格帯、チャネル、採用する人材、投資の優先順位までつながります。私の経験でも、最初に「狙う市場」と「勝ち方」を言語化できている会社ほど、現場の判断が速くなります。

では策定はどう進めるべきでしょうか。最初に現状と課題を把握し、次に目標と前提条件を置きます。そのうえで選択と集中を基準に施策を並べ、最後に検証できる指標まで決めて回していく流れが現実的です。

定義と目的

経営の意思決定で迷ったとき、軸になるのが経営戦略の定義です。定義とは、誰に何を提供し、どの条件で勝ち続けるかを結論として置くことだと捉えます。目的はその定義を通じて達成したい状態を明確化する役割を持ちます。たとえば、売上拡大なのか利益率改善なのか、顧客満足を優先するのかで打ち手の優先順位が変わります。

実務では、定義と目的をセットで短い文章にして現場に共有すべきです。私は「定義は一文、目的は三行」のようにフォーマット化すると、会議の議論が散らかりにくいと感じています。

なお余談だが、戦略の言葉が長すぎる会社ほど、実行の際に解釈が分かれて成果が揺れます。ちなみに目的指標は先に決め、あとから施策を割り当てる順序が最も運用しやすいです。最初の定義と目的を、行動に落とせる形まで具体化していきましょう。

戦略と戦術と経営計画の違い

会議で「戦略でお願いします」と言った瞬間、現場が動く速さが変わります。ここで押さえたいのが、戦略と戦術と経営計画の役割分担です。私のおすすめは、戦略を“勝ち筋の設計図”、戦術を“その場の実行手順”、経営計画を“期限と予算を含む実行予定”と整理する方法です。たとえば「特定顧客に絞る」が戦略で、「営業資料の差し替え」「商談スクリプト作成」が戦術になります。

一方、経営計画にはKPI、投資枠、担当部署、四半期ごとのマイルストーンまで落とし込みます。判断がぶれる会社は、戦術を戦略だと勘違いして優先順位が崩れやすいです。

なおちなみに、言葉を揃える最短手段は、資料の見出しを「戦略:方向」「戦術:やり方」「計画:いつまでに何を」で統一することです。そうすれば経営戦略の整合が取りやすくなります。

経営戦略が必要な理由

部門ごとに頑張っているのに、会社全体の成果だけが揃わない。そんな状態では、判断をバラバラにせず束ねる仕組みが要ります。そこで頼りになるのが経営戦略で、投資や採用、価格、チャネルといった経営上の選択を同じ方向へ揃える役割を担います。

特に現場は、毎日発生する課題に追われがちです。すると目の前の改善が増える一方で、勝てる土俸から外れてしまいます。経営戦略があると、何を続け、何を止めるかを基準として説明できます。私は戦略を「判断のルール」として扱う会社ほど、迷いが減り、会議時間も短くなる印象です。

運用面では「方向を決める」だけでは足りません。目標、優先順位、責任者、検証頻度まで落とし込むべきです。だからこそ、策定後はKPIで進捗を確認し、ズレたら早めに更新する流れを作りましょう。

市場変化と競争優位への対応

顧客の買い方が変わったのに、やり方だけを同じにしていないでしょうか。市場の流れが速いほど、後追いの施策では追いつきません。そこで必要になるのが、変化を前提にした判断基準であり、経営戦略として競争優位を守り、必要なら作り直す発想です。

たとえば規制変更で入手経路が変わるなら、商品の特徴だけでなく供給の強みも再設計します。競合が値下げしてきたときも、値下げ額の議論で終わらず「なぜ自社が選ばれるのか」を再確認するのが先です。私の経験では、ここを言語化しているチームほど、改善案が散らずに済みます。

ポイントは市場変化の兆しを早めに取り込み、打ち手の責任範囲と期限を決めることです。ちなみに、データを見る順番は「顧客の行動→競合→自社の制約」にすると、優位の根拠が見えやすくなります。

経営資源の配分を最適化する意義

業務が増えるほど「誰が何をやるか」だけ考えがちです。しかし成果を左右するのは、投入した時間とお金をどこに寄せるかという配分です。ここで効いてくるのが経営資源の配分で、経営として選ぶべき優先順位を明確にします。資源とは人材、予算、時間、情報、設備などで、同じ量でも向け方で結果は変わります。

配分を最適化する意義は、最短距離で勝ち筋に到達できる点です。たとえば売上に直結する案件へ採用・開発を寄せれば、学習コストが積み上がりやすくなります。逆に効果が薄い領域へ投資が続けば、現場の稼働が分散し、改善も遅れます。私の経験では「投資の優先順位を決める会議」を定例化すると、施策の取捨選択が速くなります。

ちなみに、配分を変えるときは成果指標を先に置くのが鉄則です。そうすれば、変更が場当たりで終わらず、学習として残ります。

経営戦略の種類と全体像

経営の現場では「戦略」と一口に言っても、扱う粒度が違うことがよくあります。どこで勝つかという大枠から、資源の使い方、そして成長の道筋までをつなげて見える化する必要があります。そこで全体像として押さえたいのが、経営戦略の種類を階層で整理する考え方です。

代表例は、全社で方向性を決める全体戦略、事業ごとの勝ち筋を設計する事業戦略、機能部門が実行に落とす施策戦略です。さらに近年は、環境変化に合わせて組み替えるための「再成長の戦略」もセットで検討します。たとえば市場拡大を狙う年と、採算を立て直す年では、同じ施策でも優先順位が変わります。

実務では、全体戦略→事業戦略→施策戦略の順で言葉を揃え、矛盾がないかを確認すべきです。最後に、進捗を追う指標を置けば、種類の違いが理解しやすくなります。

全社戦略・事業戦略・機能戦略

会社の方向性を決める場面で、役割分担が曖昧だと指示が噛み合いません。そこで押さえたいのは、全体から現場までをつなぐ階層設計です。私なら、まず全社の方針を置き、次に事業ごとの勝ち筋を描き、最後に部門が担う具体策まで落とし込みます。こうすると、同じ目標でも誰が何を判断し、何を実行するのかが明確になります。

たとえば全社では事業の優先順位や投資方針を決めます。事業戦略ではターゲット顧客と提供価値、競争上の差別化を詰めます。機能側は営業なら販促設計、開発なら要件定義、管理部門なら資金・コストの管理ルールを整える番です。

ここでポイントを、部門の施策を積み上げただけで終わらせないことです。各機能が、上位の事業戦略に対してどの能力を強めるのかを一言で説明できる状態にしてから動かすべきです。

差別化戦略・コスト戦略・集中戦略

値引きで凌いでいるのに利益が残らない、そんな時こそ「何で差を作るか」を決め直す必要があります。差別化戦略では、同じ商品でも選ばれる理由を作ります。品質、体験、サポート、ブランドなどで優位性を積み上げ、価格だけに依存しない設計が狙いです。

一方でコスト戦略は、売る量や効率の改善で単位あたりの負担を下げ、競争の土俵を変えます。集中戦略は、顧客や用途、地域などを絞り切ってリソースを寄せ、得意領域で勝つ考え方です。ここで重要なのは、どれか一つに固定するより、現状の強みと市場の条件から優先順位を決めることです。

余談だが戦略の言葉を決めた後は、KPIを「売上」だけにせず「粗利」「継続率」「処理時間」など原価や再現性に近い指標へ寄せると、誤差が見つかりやすくなります。

経営戦略の立て方と進め方

勝ち筋が見えないのに施策だけが増えていくとき、最初に見直すべきは「作り方」と「回し方」です。経営戦略の立て方は、まず現状の数字を根拠にし、狙う顧客と提供価値を言語化するところから始めます。次に、競争環境と自社の強みを照らし合わせ、選ばれる理由を一文で固めるべきです。ここまでが骨格になります。

進め方は、決めた後に止めない設計が要です。私は「方針→目標→施策→検証」を順番に並べ、四半期ごとにレビューする運用が最も事故が少ないと感じています。さらに、KPIは売上だけでなく、粗利や継続率、処理時間など因果に近い指標を置くと判断が速くなります。

もし詰まったら、意思決定者が参加する会議で、前提が正しいかを確認し直す場を作ってください。戦略は文章ではなく、更新できる判断として扱うのが近道です。

外部環境分析と内部環境分析

売れる理由が見えないとき、直感ではなく材料を集めるところから始めるべきです。外を見る分析では、顧客のニーズ、法規制、景気、技術の変化、そして競合の動きを並べます。市場が縮むのか、購買の基準が変わるのかで、勝ち方が変わるからです。

次に社内を見ます。商品や営業プロセス、データ活用、採用力、コスト構造など、できることと制約を洗い出します。筆者の経験では「強みは言葉でなく再現性で確かめる」とブレが減ります。例えば受注率が高い理由が個人の頑張りではなく、仕組みと条件にあるかを見ます。

ちなみに、分析は結論から逆算して、比較しやすい観点に絞るのが最短です。外部環境と内部環境が交わる部分に、狙うべき領域が見えてきます。

目標設定から実行と評価までの流れ

「いつまでに、何を、どれだけ」を決めないまま動くと、途中で手戻りが増えます。そこで目標設定から実行と評価までの流れを、最初に型として作るべきです。私は、まず到達点を数字で定め、次に達成の前提条件と使う手段を同時に書き出します。目標は一行で言える形に落とし、関係者が同じ解釈になるように言葉の定義を揃えます。

実行では担当者と期限を割り当て、進捗を週次で見える化します。評価では結果だけでなく、前提が崩れた要因も分解し、次の打ち手に反映させます。実際にある部署で、売上目標と同時に粗利と継続率も置いたところ、施策の改善が早まり、会議が「反省会」から「意思決定」へ変わりました。

この流れを回すコツは、評価の締切を遅らせないことです。締切が先に来ると、実行に手加減がなくなります。

経営戦略で使える主要フレームワーク

判断を速くするには、考え方の枠を先に用意するのが近道です。経営戦略でも同じで、情報を集める段階から論点が散らないようにフレームワークを使うべきです。私は「SWOT」を入口にするのが実務で強いと感じています。外部の機会と脅威、内部の強みと弱みを並べ、狙う打ち手の方向性を素早く絞れます。

次に「3C(顧客・競合・自社)」で競争の構図を固定します。顧客の優先順位、競合の提供価値、自社の再現性を同時に見れば、差別化やコストの判断がぶれにくくなります。成長計画の整理には「Ansoff(成長ベクトル)」が便利です。既存市場で伸ばすのか、新規市場へ広げるのかを明確にできます。

ちなみに、フレームワークは答えを出す魔法ではありません。質問の質を上げる道具として使うと効果が出ます。

SWOT分析・3C分析・ファイブフォース分析

競争の状況を頭の中だけで整理すると、施策が感覚頼みになります。そこで使えるのが、状況を分解して見える化するフレームワークです。まずSWOT分析で外部と内部を切り分けます。機会と脅威は市場側、強みと弱みは自社側で、論点が混ざらないよう整理できます。次に3C分析で顧客、競合、自社を横に並べます。顧客のニーズ、競合の打ち手、そして自社の再現性を同時に確認できるのが強みです。では、どこから手を付ければ迷わないのでしょうか?

実務では「SWOTで方向性を決め、3Cで根拠を補強する」順が扱いやすいです。例えばSWOTで弱みが見えたら、3Cで競合との差がどこにあるかまで落とし込みます。資料作成よりも先に結論の仮置きを置き、その仮説を検証する使い方をおすすめします。

バリューチェーン分析・VRIO分析

利益が伸びない原因は、製品の価格だけとは限りません。どこでコストが増え、どこで価値が生まれているかを分解すると、改善の優先順位が見えます。ここで役立つのがバリューチェーン分析で、調達から開発、生産、物流、販売、サービスまでを工程として捉えます。どの工程が付加価値を作り、どの工程が無駄を抱えているかを切り分けるのです。

次にVRIO分析で、その価値が競争上の武器になり得るかを確認します。経営としては、価値があるか、有名でもないか、模倣されにくいか、組織が活かしきれているかを見ます。私が手を動かして整理した案件では「強みだと思っていた作業」が実は一般化していて、投資すべきは別工程だと判明しました。

ちなみに、両方をセットで使うと「どこを直すか」と「なぜ勝てるか」が同時に説明できます。

経営戦略を成功させるポイント

戦略は作って終わりにすると、半年後に現場が別の目標へ走り出します。成功させる第一歩は「前提を揃える」ことです。誰が見ても同じ数字、同じ市場観、同じ顧客像を言語化し、会議で前提が揺れない状態にします。私は、方針の説明資料に「前提・除外条件・判断基準」を1ページで入れる運用が効くと感じています。

次に、施策と資源の紐づけが必要です。打ち手を増やす前に、優先順位が変わる条件を決め、予算と人員を動かす準備をします。ここを曖昧にすると、現場は新しい施策に追われるだけで学習が進みません。さらに、実行と評価を短い周期で回し、ズレたら戻る勇気を持つべきです。

ちなみに、評価指標は結果だけでなくプロセスにも置くと、原因が見つかりやすくなります。

現場共有とKPI設計と定期的な見直し

方針が良くても、現場での解釈が揃っていないと実行はばらつきます。だからこそ最初にやるべきは、判断の前提と狙いを短い言葉で共有することです。私は「誰が見ても同じになる説明」を作るよう指導しています。次にKPI設計で、活動量だけでなく成果に近い指標へ接続します。売上だけに寄せると、価格変更や一時施策の影響が見えにくくなるためです。

運用は定期的な見直しが前提になります。月次で数字の差分を確認し、何が想定外だったのかを分解して、必要ならターゲットや優先順位を修正します。実務では、四半期の最後にまとめて振り返るより、月の途中で兆候を掴む方がやり直しのコストが小さくなります。

ちなみに、現場共有はメールよりも朝会の3分説明が効くことが多いです。

経営戦略のまとめ

決めた方針が机の上で止まらず、日々の判断として浸透するかが勝負になります。そこで最後に押さえたいのが、経営戦略を「つくる」「動かす」「直す」まで一連で扱う考え方です。方向性だけで終わらせず、目標・KPI・資源配分・検証の順につなげることで、迷いが減ります。私は、戦略を運用に落とす会社ほど会議が短くなり、決断の質が上がる印象があります。

これは料理でいえばレシピを知っているだけでなく、材料の切り方や火加減まで決めて再現していくのと同じです。経営戦略も同様に、現場が実行できる形に落とし、必要なら前提ごと更新すべきです。

まとめとして、まず定義と目的を一文にし、次にフレームワークで論点を整理し、最後に「回す仕組み」を作ってください。

まとめ

戦略資料を増やすより、使える判断に落とすことが成果につながります。最後にやるべきは、経営戦略の要点を短く固定し、誰もが同じ方向へ動ける状態にすることです。私は「一文で言える定義」と「やる理由が分かる目的」を必ず最初に書き、次に目標・優先順位・指標をつなげる運用を勧めます。

そのうえで、外部環境と内部環境を見直し、フレームワークで論点を整理し直します。実行では現場共有とKPI設計を徹底し、定期的に評価して前提がズレていないか確認してください。経営戦略が機能すると、会議は方向を揃える場になり、改善が積み上がります。ここまで来たら、次の一手は「今期の前提で、最優先の施策を1つ削る」ことです。

本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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