特化したコンサルタントの強みと選び方

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

特化した領域で価値を発揮するコンサルタントとは

売上の伸び悩みや業務の停滞が続くと、社内の努力だけでは原因を見極めにくくなる場面があります。そんなときに頼りになるのが、特定の業界や業務に深く入り込んだ知見を持つコンサルタントです。幅広く相談に乗る相手とは違い、特化した支援者は市場構造や現場の課題を踏まえて、実行しやすい打ち手へ素早く落とし込めます。

この記事では、専門分野を絞った支援がなぜ成果につながりやすいのか、総合型との違いはどこにあるのかを整理します。あわせて、業界特化と機能特化の考え方、依頼先を選ぶときに確認したい実績や支援範囲、費用の見方まで掘り下げます。自社の課題に合う相手を見極めたい方は、判断の軸をつかむところから読み進めてください。

目次

  1. コンサルタントが特化するとはどういう意味か
  2. 特化型コンサルタントの主な種類
  3. 特化したコンサルタントを選ぶメリット
  4. コンサルタント選びで失敗しない比較ポイント
  5. コンサルタントへの依頼が向いている企業と向いていない企業
  6. コンサルタントを活用する流れと依頼前の準備
  7. コンサルタントに関してよくある質問
  8. まとめ

コンサルタントが特化するとはどういう意味か

同じ経営課題でも、業界や企業の置かれた状況によって、取るべき施策は変わります。たとえば、人材不足への対応一つを見ても、製造現場では生産工程の見直し、医療機関では資格者の配置、IT企業では採用と定着の仕組みづくりが中心になります。こうした違いを踏まえ、対象を絞って知識や経験を蓄積することが、コンサルタントの特化です。

特化の対象は、大きく二つに分けられます。一つは製造業や医療、金融など、特定の業界を対象にする方法です。もう一つは、事業戦略、業務改善、情報システム、人事、財務など、特定の機能や課題に焦点を当てる方法です。前者は業界特有の規制や商流への理解に強く、後者は業務プロセスや専門手法を深く掘り下げられる点に特徴があります。

単に対応できる領域を狭めるだけでは、十分な専門性とはいえません。過去の支援事例、現場で使える分析手法、関係者を動かす進め方まで蓄積されていることが必要です。特化とは、知識の範囲を限定することではなく、特定の課題に対して成果へつなげる力を磨くことです。

依頼を検討する際は、相手が何を専門としているのかを確認しましょう。業界名だけで判断せず、自社と近い規模や課題の支援実績、担当者が持つ実務経験まで確かめると、専門性の実態を見極めやすくなります。

業界特化と機能特化の違い

支援を依頼する際は、専門家が「どの業界に詳しいのか」と「どの業務を得意としているのか」を分けて確認する必要があります。似たように見える専門性でも、課題の捉え方や提案の方向は大きく変わるためです。

業界特化は、製造業、医療、金融、不動産など、特定の業界に対象を絞る形です。業界特有の法規制、商流、顧客ニーズ、競争環境に詳しく、同じ分野で蓄積した事例を生かしやすい点が強みです。業界の構造そのものを見直したい企業に向いています。

機能特化は、経営戦略、営業改革、人事制度、情報システム、財務改善など、特定の業務領域を深掘りする方法です。業界が異なっていても、共通する業務上の課題に対して専門的な手法を適用できます。業務プロセスを再設計したい場合や、特定部門の成果を高めたい場合に有効です。

分類主な着眼点適している課題
業界特化市場、規制、商習慣事業モデルの見直し、業界構造への対応
機能特化業務手順、組織、専門技術営業改善、人事改革、財務や情報システムの整備

自社が新規市場への参入を検討しているなら業界特化、営業部門の生産性向上を急ぐなら機能特化が選びやすいでしょう。両方の知見を持つコンサルタントなら、業界事情と実務改善を一体で扱えます。依頼前には、解決したい課題が市場にあるのか、社内業務にあるのかを整理することが最初の判断材料です。

総合型との違いでわかる専門性の価値

相談内容がまだ明確でなく、経営全体を見渡しながら課題を整理したい場合は、幅広い領域を扱う総合型の支援が適しています。戦略から業務、組織、情報システムまで横断して検討できるため、問題同士のつながりを把握しやすいからです。窓口を一本化しやすい点も、総合型ならではの利点です。

ただし、特定分野の課題を短期間で解決したいときは、専門領域を絞ったコンサルタントのほうが力を発揮します。特定業界の規制や商習慣、特定業務の進め方に精通していれば、一般論ではなく現場に即した提案が可能です。問題の発見から施策の実行まで、判断の根拠が明確になります。

比較項目総合型特化型
得意な支援経営課題の整理と横断的な改革特定業界や業務の深い改善
強み複数部門をまとめて検討できる専門知識と実務事例を生かせる
向いている状況課題が複数あり全体像を整理したい場合解決したいテーマが明確な場合

これは病院でいえば、総合型が全身を診る医師、特化型が目や心臓などを診る専門医に近い関係です。全身状態を確認したいときは前者、特定の症状を深く治療したいときは後者が頼りになります。

専門性の価値は、知識の多さではなく、自社の課題に対する判断と実行の精度で決まります。依頼時は知名度だけで選ばず、課題の範囲と緊急度を基準に、総合型と特化型を使い分けるべきです。

特化型コンサルタントの主な種類

経営課題の種類を整理すると、依頼すべき専門家の方向性も見えやすくなります。特化型コンサルタントは、企業の成長段階や抱えている問題に応じて、支援する領域を明確に絞っています。幅広い相談に対応するのではなく、特定分野で蓄積した知識や事例を使い、解決までの道筋を具体化する存在です。

代表的な分類には、経営の方向性を定める戦略系、業務の流れを改善する業務系、情報システムを整備する情報技術系、人材に関する課題を扱う人事系、資金や収益性を分析する財務系があります。業務領域ではなく、製造業や医療、金融など特定の業界に対象を絞るタイプもあります。

種類主な支援テーマ相談に適した課題
戦略系事業方針、市場分析、成長計画新規事業や事業再編の方向性を定めたい場合
業務系業務手順、営業、生産、購買現場の無駄や部門間の停滞を改善したい場合
情報技術系システム導入、データ活用、業務のデジタル化情報基盤を整えて業務効率を高めたい場合
人事系採用、評価、組織づくり、人材育成人材の確保や定着、組織運営に課題がある場合
財務系収益改善、資金管理、企業価値向上利益率や資金繰りを見直したい場合

実際には、戦略と業務、人事と情報技術のように複数領域を組み合わせて支援するケースもあります。名称だけで判断せず、何を対象に、どこまで支援するのかを確認することが選定の第一歩です。次の段階では、専門領域ごとの特徴を自社の課題と照らし合わせ、依頼先を絞り込む必要があります。

戦略・業務・IT・人事・財務で見るコンサルタントの専門領域

企業が抱える問題は、売上や利益の数字だけを見ても全体像をつかめません。経営の方向性、日々の業務、人材、情報基盤、資金の流れが互いに影響しているためです。コンサルタントを選ぶときは、社内のどの領域に変化を起こしたいのかを先に整理すると、必要な専門性が明確になります。

戦略分野では、市場や競合を分析し、事業の成長方針や新規事業の計画を描きます。業務分野の支援者は、営業、生産、購買などの手順を見直し、作業の重複や部門間の停滞を減らします。情報技術分野では、システム導入やデータ活用を通じて、業務を効率化する仕組みを整えます。

人事分野の専門家が扱うのは、採用、評価、育成、組織づくりなどです。人材の定着率を高めたい企業や、管理職の育成に課題を持つ企業に適しています。財務分野では、収益構造、資金繰り、原価、投資効果などを分析し、利益を生み出す体質への転換を支援します。

専門領域主な支援内容相談に向く課題
戦略市場分析、事業計画、成長方針将来の方向性を定めたい
業務営業、生産、購買の改善現場の無駄を減らしたい
情報技術システム導入、データ活用業務をデジタル化したい
人事採用、評価、育成、組織設計人材の確保と定着を進めたい
財務収益改善、原価、資金管理利益率や資金繰りを見直したい

専門領域を選ぶ基準は、名称の知名度ではなく、解決したい課題との距離です。複数の問題が絡む場合は、中心となる課題を一つ定め、必要に応じて他分野の専門家と連携できる体制を確認するのが効果的です。

製造業・医療・SaaSなど業界に特化したコンサルタントの特徴

業界ごとに、収益の生まれ方や現場の判断基準、守るべき規制は異なります。そのため、業界に特化したコンサルタントは、一般的な経営理論を当てはめるだけでなく、その分野で実際に起こる課題を前提に支援します。専門用語や商習慣を理解しているため、初回の相談から話が進みやすい点も特徴です。

製造業向けでは、工場の稼働率、品質管理、在庫、調達、設備保全などを対象にします。現場の作業工程を確認し、改善案が生産計画や安全基準に無理なく組み込めるかまで検討します。医療分野では、診療報酬、医療安全、職種間の連携、患者対応などへの理解が欠かせません。経営改善だけでなく、医療の質や職員の負担にも配慮した提案が求められます。

クラウド型ソフトウェアを提供する企業向けでは、利用者を増やす営業活動、契約後の継続利用、機能改善、顧客一社あたりの収益性などが主な論点です。製品を販売して終わるのではなく、利用状況を分析しながら契約継続につなげる仕組みを整えます。

対象業界主な課題求められる知見
製造業品質、生産性、在庫、調達工場運営と現場改善
医療収益、職員配置、安全、連携制度と医療現場への理解
クラウド型ソフトウェア顧客獲得、継続利用、製品改善利用データと契約管理の分析

業界特化の価値は、業界名を掲げていることではなく、現場で実行できる提案を出せることです。依頼前には、自社と同じ業界の支援実績だけでなく、企業規模や課題が近い事例も確認すると、専門性を正しく見極められます。

特化したコンサルタントを選ぶメリット

社内だけでは判断が難しい課題でも、専門分野を絞った支援者に相談すると、検討すべき論点が早い段階で整理されます。業界の動向や実務上の制約を理解しているため、表面的な症状ではなく、成果を妨げている原因に目を向けられるからです。

特化したコンサルタントを選ぶメリットの一つは、課題解決の精度が高まりやすいことです。過去に似た状況を支援した経験があれば、分析の手順や確認すべき指標が明確になります。提案も一般的な理想論に偏らず、自社の人員や予算、業務の進め方を踏まえた内容になりやすいです。

意思決定が速くなる点も見逃せません。専門家が論点を整理し、選択肢ごとの効果やリスクを示せば、経営層が判断に必要な情報を短時間で確認できます。社内で調査を繰り返す負担が減り、決定後の実行準備にも早く移れます。

実務知見を活用できることも強みです。似た課題を解決した事例から、導入時に起こりやすい反発や運用上の問題を先回りして把握できます。成功例をそのまま移植するのではなく、自社の事情に合わせて調整することで、施策の再現性を高められます。

ちなみに、専門家への相談は問題が深刻化してからでなくても構いません。新規事業の検討や組織変更の前に第三者の視点を入れると、見落としを減らせます。依頼時は知名度よりも、自社と近い課題を扱った経験と、実行段階まで伴走できる体制を確認すべきです。これが成果につながる選定の基準です。

課題解決の精度が高まり意思決定が速くなる

会議を重ねても結論が出ず、担当者ごとに異なる意見が並ぶ状態では、施策の開始が遅れてしまいます。専門領域を持つコンサルタントに依頼すると、まず事実と推測を切り分け、課題の原因と優先順位を整理できます。議論の土台がそろうため、感覚的な判断に流されにくくなります。

業界や業務の知識がある専門家は、確認すべき指標や見落としやすい論点を把握しています。たとえば利益率が低下している企業に対して、単純な値上げを提案するのではなく、原材料費、製品構成、作業時間、顧客ごとの採算まで分解して調べます。表面に現れた数字の裏側を分析できる点が、解決策の精度を高めます。

提案内容が具体的であれば、経営者や担当部門は選択肢を比較しやすくなります。実施した場合の効果、必要な費用、想定されるリスク、開始までの期間が示されることで、判断を先送りする理由も減ります。専門家が論点を整理し、意思決定に必要な資料作成まで支援すれば、社内調整の時間も短縮できます。

ただし、速さだけを求めてはいけません。十分な調査を省けば、短期的には決定できても、実行段階で問題が発生します。精度の高い分析と、判断に必要な情報の簡潔な提示を両立させることが、意思決定を速める最も確実な方法です。

依頼前には、決めたい事項、判断期限、使える予算や人員を伝えておくと効果的です。コンサルタントの専門知識を生かしながら、自社が責任を持って決める範囲も明確にすれば、支援が実行につながりやすくなります。

実務知見や事例が豊富で再現性を得やすい

新しい施策を始めるとき、最初から自社だけで正解を探す必要はありません。専門領域に詳しいコンサルタントは、過去の支援で得た調査方法や判断基準、実行時の注意点を蓄積しています。似た課題の事例を参考にできれば、試行錯誤の回数を抑えながら、成果につながる道筋を描きやすくなります。

事例の価値は、成功した結果だけにあるのではありません。どのような前提で施策を実施したのか、現場からどのような反発があったのか、成果が出るまでに何を修正したのかまで確認することで、自社へ応用する条件が見えてきます。業種や企業規模が違っていても、課題の構造が似ていれば、知見を活用できる可能性があります。

ある支援現場では、営業担当者ごとに提案方法が異なり、成約率に大きな差が生じていました。過去事例をもとに顧客の分類、提案前の確認項目、商談後の振り返り方法を整理したところ、経験の浅い担当者でも一定の手順で活動できるようになりました。事例をそのまま導入したのではなく、自社の顧客層と人員に合わせて調整したことが成果につながった例です。

再現性とは、成功事例をコピーすることではなく、成果を生んだ要因を分解し、自社で実行できる形に組み替える力です。依頼時には事例の数だけでなく、支援前後の指標、実施期間、担当者の役割、成果が出なかった施策も確認すべきです。具体的な検証過程を説明できるコンサルタントほど、現場で使える知見を持っています。

コンサルタント選びで失敗しない比較ポイント

契約後に「想定していた支援と違った」と感じる事態を避けるには、依頼先の印象だけで判断してはいけません。自社の課題に近い実績があるか、どこまで支援してくれるのか、担当者に必要な専門性があるか、費用がどのように決まるのかを、契約前に確認する必要があります。

まず見るべきなのは、支援実績の内容です。企業名や案件数だけでなく、依頼前の課題、実施した施策、成果を測った指標まで確認しましょう。実績が自社の業界や規模、課題と近いほど、提案を応用しやすくなります。守秘義務の関係で詳細を公開できない場合は、説明できる範囲や事例の共通点を聞くと判断材料になります。

支援範囲も見落とせません。調査と提案だけなのか、計画の作成、社内説明、実行支援、効果検証まで対応するのかで、必要な社内負担は変わります。担当者が誰になるのか、面談を担当した人物が実務にも参加するのかも確認すべきです。

比較項目確認する内容判断のポイント
実績業界、規模、課題、成果自社との類似性があるか
支援範囲調査、提案、実行、検証必要な工程を含んでいるか
担当者経験、専門性、関与度実務を担う人物を確認できるか
費用体系定額、時間制、成果連動など追加料金の条件が明確か

比較では、料金の安さよりも、得られる成果と自社の負担を合わせて考えることが大切です。複数社から同じ条件で提案を受け、支援内容と費用を並べると、表面的な価格に惑わされにくくなります。

実績、支援範囲、担当者の専門性、費用体系を確認する

依頼先を決める前に、提案書の華やかさよりも契約後の支援内容を具体的に確認する必要があります。実績が豊富に見えても、自社と異なる業界や規模の案件ばかりでは、その知見をそのまま生かせるとは限りません。課題の種類や支援期間、成果を測った指標まで聞き、自社との共通点を見極めます。

支援範囲では、現状分析と提案だけで終了するのか、計画の実行、社内説明、担当者への研修、効果検証まで含むのかを確認します。業務の変革を実現したい場合、提案書の提出だけでは不十分です。現場への定着まで任せたいなら、定例会議の頻度や成果物、相談できる窓口も明確にしておきます。

担当者の専門性は、会社全体の実績とは分けて確認すべきです。面談に出席した責任者が実際に支援するのか、担当者は対象業界や課題にどの程度詳しいのかを尋ねます。説明が抽象的な場合は、過去にどのような分析を行い、どんな判断を支えたのか具体例を求めると判断しやすくなります。

費用体系も比較の軸です。定額制、時間単位、工程ごとの料金、成果に応じた料金などがあり、追加作業や契約延長の条件によって総額は変わります。

確認項目確認する質問注意点
実績自社と近い課題の支援例はあるか件数だけでなく成果も見る
支援範囲実行や効果検証まで含むか対象外の作業を確認する
担当者誰が実務を担当するか経験と関与時間を確かめる
費用追加料金が発生する条件は何か総額と支払時期を確認する

四つの項目を同じ条件で並べて比較することが、契約後の認識違いを防ぐ最も効果的な方法です。

自社課題に合うかを提案内容と面談で見極める

提案書を受け取っただけでは、自社に合う支援かどうかを正確に判断できません。書かれている施策が魅力的でも、社内の人員や予算、既存の業務手順に適合しなければ、実行段階で止まってしまいます。提案内容と面談で、課題の理解度や実現可能性を確かめることが必要です。

まず提案書では、現状認識が自社の実態と合っているかを確認します。課題の原因、優先順位、目指す成果、具体的な進め方が一貫していれば、表面的な提案ではないと判断しやすくなります。成果を売上だけで測るのか、作業時間や利益率、定着率なども含めるのか、評価指標を確認することも欠かせません。

面談では、担当者がこちらの話をどれだけ聞くかに注目します。自社の説明を途中で遮って定型的なサービスを勧める場合、課題を深く理解しているとはいえません。反対に、前提条件を質問し、提案の適用条件や想定されるリスクまで説明できる相手なら、支援開始後の認識違いを抑えやすくなります。

確認する場面見るポイント判断の目安
提案書課題の原因と施策のつながり一般論ではなく自社向けに整理されている
面談質問の内容と聞く姿勢前提条件や現場の事情を確認する
成果設定評価指標と測定方法成果を数値や行動で確認できる
実行計画担当者、期限、必要な協力自社の体制で実行可能である

良い提案とは、専門家が話したい施策ではなく、自社が実行でき、成果を検証できる施策です。面談後は疑問点や不安を社内で整理し、追加質問への回答まで確認してから契約を判断しましょう。

コンサルタントへの依頼が向いている企業と向いていない企業

外部の知見を取り入れるだけで、すべての企業課題が解決するわけではありません。依頼する目的と社内の準備状況が合っていなければ、提案を受けても実行に移せず、費用だけが発生する結果になります。自社に不足しているものが専門知識なのか、実行する人員なのかを整理してから判断することが必要です。

依頼が向いているのは、解決したい課題や達成したい目標がある程度明確で、社内だけでは不足する知識や経験を補いたい企業です。事業の方向転換、業務の抜本的な改善、新しい制度の導入など、第三者の分析や実務経験が成果に直結する場面で効果を発揮します。経営層が改革の意思を持ち、現場から必要な情報を提供できる体制も欠かせません。

反対に、課題を整理する時間や担当者を用意できない企業は、すぐに契約すべきではありません。提案を受け入れるだけで社内の問題が解消すると考えている場合や、経営層が改革に関与しない場合も、十分な成果は期待できません。資金繰りが切迫している企業は、継続的な支援費用を負担できるか慎重に確認する必要があります。

企業の状態依頼との相性理由
課題と目標が明確向いている専門知識を施策へ反映しやすい
社内に実行担当者がいる向いている提案後の行動につなげられる
目的が曖昧なまま丸投げする向いていない成果の基準を定めにくい
経営層が改革に関与しない向いていない社内調整が進まず実行が止まりやすい

コンサルタントは、社内に代わって経営判断をする存在ではなく、判断と実行を支える専門家です。自社で担う役割を明確にし、必要な協力体制を整えられる企業ほど、依頼による効果を引き出せます。

コンサルタントを活用する流れと依頼前の準備

依頼を成功させる鍵は、契約後の働き方を想像できる状態で相談を始めることです。最初に自社の課題と目的を整理し、候補先を探します。問い合わせでは、業界や課題、希望する成果、予算の目安、開始時期を伝え、面談で支援内容や進め方を確認します。提案を比較して依頼先を決めた後は、計画に沿って実行し、定期的に成果を振り返ります。

依頼前に準備したいのは、現状を示す資料です。売上や利益の推移、業務の流れ、組織図、既存の計画、現在困っている事実をまとめておくと、専門家が課題を把握しやすくなります。社内で意見が分かれている場合は、各部門の要望も整理しましょう。情報を隠さず共有するほど、提案の精度は高まります。

実際にある支援事例では、依頼前に営業実績と顧客別の採算を整理していたため、面談の初期段階で利益を圧迫している取引条件が見つかりました。支援開始後は課題の調査に時間をかけすぎず、条件見直しの交渉準備へ移れた事例です。準備資料が、支援の速度を左右します。

段階主な内容準備するもの
課題整理目的と困りごとを明確にする現状資料、目標、期限
候補選定実績と専門領域を比較する依頼条件、予算の目安
面談と提案支援範囲と進め方を確認する質問事項、社内の要望
実行と検証施策を進め成果を測定する担当者、評価指標、会議体

依頼前に決めるべきなのは、専門家に任せる範囲と、自社が責任を持つ範囲です。役割と評価指標を契約書や計画書に明記すれば、認識違いを防ぎ、成果を確認しながら支援を継続できます。

コンサルタントに関してよくある質問

初めて外部の専門家へ相談する場合、費用や進め方、成果の考え方に不安を感じるものです。契約前に疑問を整理しておけば、必要な支援かどうかを判断しやすくなり、開始後の認識違いも防げます。ここでは、依頼前に確認されやすい質問をまとめます。

質問:相談だけでも依頼できますか。

回答:可能です。課題の整理や第三者の意見を得るために、初回相談や短期間の調査を利用する方法があります。ただし、無料相談の範囲と、正式契約が必要になる支援内容は事前に確認してください。

質問:費用はどのように決まりますか。

回答:期間、担当者の人数、作業内容によって異なります。一定期間の定額制、作業時間に応じた料金、工程ごとの料金、成果に連動する方式などがあります。追加調査や契約延長の費用まで含め、総額の見通しを確認すべきです。

質問:成果は必ず保証されますか。

回答:売上や利益などの成果は、市場環境や社内の実行状況にも左右されるため、保証されないことが一般的です。契約前に、専門家が担う業務と自社が担う業務を分け、成果を測る指標と確認時期を決めておきます。

質問:小規模企業でも利用できますか。

回答:利用できます。経営全体ではなく、営業改善、人材採用、業務の整理など、対象を一つに絞れば費用と負担を抑えやすくなります。支援期間や担当者数を調整できるか相談してください。

質問:契約後に担当者を変更できますか。

回答:契約条件によります。担当者の経験や関与時間を確認し、変更が必要になった場合の連絡方法を契約書へ記載しておくと安心です。

疑問を残したまま契約せず、費用、支援範囲、成果指標、担当者、解約条件を面談で確認することが、納得できる依頼につながります。回答が曖昧な場合は、複数の専門家を比較してから判断しましょう。

まとめ

判断に迷う場面ほど、何を基準に相手を選ぶかで結果は大きく変わります。この記事では、専門領域を絞ったコンサルタントがどのような価値を持つのかを、業界特化と機能特化の違い、総合型との使い分け、主な専門領域、依頼先の比較ポイントという順に整理してきました。

特化した支援の強みは、一般論ではなく、自社の課題に近い事例や実務知見をもとに、実行しやすい施策へ落とし込める点にあります。課題解決の精度が高まり、意思決定が速くなり、施策の再現性も得やすくなります。その一方で、実績、支援範囲、担当者の専門性、費用体系を確認せずに契約すると、期待した成果につながりにくくなります。

見極める際は、提案書の内容だけでなく、面談での質問の深さや、自社の事情を踏まえた説明ができるかまで確認すべきです。依頼が向いているのは、課題や目標がある程度明確で、社内でも実行する体制を用意できる企業でした。余談だが、支援の成否は提案の質だけでなく、資料準備の丁寧さでも変わります。数字や業務の流れを整理しておく企業ほど、初回面談の精度が上がります。

次に取るべき行動は、自社の課題を一つに絞り、その課題に近い実績を持つコンサルタントを2社から3社比較することです。あわせて、任せる範囲と自社が担う範囲、成果を測る指標、予算の上限を書き出してください。そこまで整理できれば、相談先の良し悪しを具体的に判断しやすくなります。

本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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