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ISO規格・標準仕様書の更新・QMS体制構築コンサルティング

VDA対応、海外工場の不良品率低下など多角的に品質向上をサポート

品質や性能に関する偽装・虚偽申告など、この10年ほどで日本の製造業の根幹を揺るがす事案が増えてきています。製品のライフサイクル が短くなり、次々と新製品を出さなければならない中で、後手対応となった品質課題を抱えている企業が多い傾向にあります 。

■製造業における「品質向上」とは?

製造業に関わる方にとって品質向上とは、常に意識される身近な課題となります。しかし、品質向上と一口に言っても対象によって意味が異なるので、議論する場合などには「何に対する品質向上か」を明確にしておかないと齟齬が生じる恐れがあります。

1、製品の「品質向上」
品質マネジメントを評価するISO 9000シリーズでは、製品の品質を「本来備わっている特性が要求事項を満たしている程度」と定義しています。また、日本品質管理学会(JSQC)が定める品質管理関連用語一覧では、製品が「使う人にとっての使用目的を満たしているか知るための評価の対象(固有の性質・性能の全体)」とされます。

つまり、製品の品質向上とは、その製品の機能・特性が使う人のニーズにこたえ、より満足感をもたらすために改善されること、と定義することができるでしょう。

2、業務の「品質向上」
一方、業務に関する品質の場合は、対象とする内容が異なります。製品の場合は品質向上する対象が製品そのもので、「利用する人に満足してもらう製品」を作ることが目的でした。しかし、業務の場合は、誰でも同じ品質で、失敗せず効率的に業務を行えるようプロセスやルールを改善するのが目的になります。

つまり、業務品質向上とは、業務をスムーズに実行できる状態を作ること、属人的な要素を減らして誰がやっても同じ結果を出せるようにすること、スタッフごとのバラツキを失くして業務を平準化すること、と定義することができるのです。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」には、大手製造メーカーでの品質管理・品質保証の実務経験が豊富な顧問やプロフェッショナル人材や品質管理の専門家の登録が多数いるため、ハードウエアやソフトウエアなどに関する品質の専門的なノウハウの提供が可能です。

■製造業における品質管理の重要性

経営者が「弊社は品質最優先のメーカーであり、一番関心があるのは品質管理部門である。品質改善を強化する。」と言うものの、 具体的な方針提示やリソースの集中投下などは逡巡されるケースが多く見られます。日本の製造業がハードウエア中心だった時代は、現場に依存していても、品質管理が大きく破綻することはありませんでした。

しかし、今後、経営者には以前にも増して品質管理へ積極的な関与と実行が求められていきます。これまでは生産活動のなかで供給するハードウエアの「品質」のみを追い求めていれば良かったのですが、今後は、ハードウエア納入により付帯的に生じるサービス業務の「質」も維持しなければなりません。品質に携わる部門は、自社が顧客に提供する全てのものに対して目を光らせるほどの気概がないと務まるものではなく、また顧客から高い評価を得ることも難しいといえるでしょう。

現状として、品質不良問題に対して後手対応が続き、モグラ叩きが定常的な業務になり悪循環から抜け出せず、品質不良発生を繰り返し続けてしまうケースも多くあります。
また、会社全体で 品質問題が設計部門と製造部門に起因していることが理解されておらず、品質保証部門は社内外に対して守りの態勢になってしまっている企業も見られます。

■不良品を出さない品質管理部門/品質保証部門を構築するポイント

品質関連情報が全従業員に対して可視化されており、前工程の情報が加工対象物と一緒に次の工程に流れ、素性を把握した上で加工が行える状態にする。それにより、品質のフィードバックとフィードフォワードの両方が機能していることがポイントです。

品質管理部門の主なミッションは「不良品を作らない」ことであり、不良品をつくらないためには、相応の仕組みが必要で、その仕組みに沿って社内をチェックすることがメインの業務です。

一方、品質保証部門のミッションは「不良品を市場に出さない」ことであり、万が一、不良品が市場に出てしまった場合の対応策と、源流対策による再発防止策を顧客と合意まで持ち込むのがメインの業務です。品質部門のトップが両部門の負荷バランスとあるべき姿を設計することが重要です。

■品質管理強化の領域に外部の専門家の知見を活用するメリット

製造業において、電気、電子、機械、化学、ソフトウエアなど多種多様なエンジニアが必要です。しかし、新卒や中途社員を採用したとしても、一朝一夕に専門性を身に付けさせることができません。そのため、他方面の専門性と十分な知見をもった外部の専門家を活用する事により、事業の成長スピードを加速させ、更に新たな視点、気づきを得ることが出来ます。

また、対外的な品質保証責任者は、品質保証部長が担っているケースが多く、職位としても高い位置にあることが多いため、社内に相談相手を求めることは困難です。

ですので、品質関連の専門家が第三者の視点であるべき姿を実現できているかなどをチェックしてもらえることのメリットは大きいです。外部の専門家は、直接業務を進行するわけではないため、日々の進捗対応や定時勤務、お客様対応もありません。そのため、冷静に社内の状況を観察することができます。

第三者視点の気づきから、 品質管理体制強化に向けたガイドラインの策定や見直し、QMSの向上に向けて関連部署と連携をしながら品質マネジメントシステムの再構築、重大な品質問題発生時の対応体制の再整備など、品質保証責任者が求めるアドバイスや提案も期待できます。

後手対応を防ぐ意味でも、 しがらみのない外部の専門家を活用することのメリットになると言えます 。

■業務品質の改善に向けて必要な5つのステップ

その5つの「化」は以下の5つの手順のことです。

1、可視化:現状把握に努め、目指す成果を設定し、目標を見える化
2、定量化:現状を踏まえて必要になる数値を測定し、数値目標を設定
3、課題化:目標達成に必要な要素を洗い出し、課題解決のタスク設定
4、実践化:具体的なタスクを実行し、製造課題の解決に取り組む
5、定着化:タスクの評価・フィードバックを行い、改善内容を定着
※また、新たな取り組みがある場合は1の手順に戻る

この「5つの化」を一連の流れとして循環させることで恒常的な業務品質の改善を見込むことができます。

業務標準化による業務品質の向上には、手順書の存在が不可欠です。業務の手順がひと目で分かり、それさえ見れば誰でも間違いなく業務を遂行することができるマニュアルがあれば、脱属人化やオペレーションの標準化を実現することができます。先述の通り、業務品質の向上は可視化しづらいものですが、手順書の整備により業務品質が向上したことで、クレームが大幅に減少し、クレーム対応コストや人件費が削減できます。

■品質向上の「段取り」は入念に

「5つの化」を実践すれば万全か、と言われるとそう簡単ではないです。
業務品質の向上を図るうえで、その「段取り」を怠ってはいけません。責任の所在や具体的な品質向上の手順を把握しないことには十分な成果を見込むことはできないのです。では、その「段取り」の手順をご紹介します

1、推進部門設立
業務品質を主体となって推進していく部門を設置し、責任者を決めます。この部門がイニシアチブを握り、責任を持つことが大事です。

2、関係部門の責任者決定
業務品質向上にかかわる部門を担当部門に設定し、その責任者を決定します。この担当者が品質向上推進部門と担当部門のハブとなり、進捗管理や連絡を担当します。

3、スケジュール設定
経営幹部を巻き込み、業務品質向上プロジェクトの具合的な進め方を策定します。

4、発信・周知
最後に、従業員にこの取り組みの目的や内容をメールなどで説明・発信します。ここで、経営幹部などの影響力がある層が発信することで、積極的に理解を得ることが重要です。

こうした「段取り」を終えてから本題に入ることが遠回りのように見えて実は近道なのです。


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