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事業継承コンサルティング・後継継者育成サポート

事業承継と事業継承の両輪で企業の価値を損なわずバトンを渡す

2020年頃には数十万の団塊経営者が引退の時期に差し掛かるといわれており、後継者難による廃業の可能性も今後増えていくことが予想されます。今後近いうちに、経営者の平均引退年齢である70歳を超える中小企業経営者は約245万人に到達、またそのうち約半数の127万人は後継者が決まっておらず、利益が出ていても廃業するというような大廃業時代が到来すると言われています。

その影響により、2025年までの10年の累計では、約650万人の雇用が失われ、さらには約22兆円のGDPが失われる可能性があるとみられています。

■事業承継に向けた準備の必要性

日本政策金融公庫総合研究所が2016年に行った調査によると、60歳以上の経営者の約半数が廃業を予定していると回答している。回答結果は「当初から自分の代でやめようと思っていた」が38%と最も多く、次いで「親族に後継者が不在」が29%、「事業に将来性がない」が28%となっている。ただこれらの企業のうち3割は「同業他社よりもよい業績を上げている」と回答しており、さらには今後10年の業績見通しについて4割は「少なくとも現状維持が可能」と回答しているなど、業績が良好な状態にもかかわらず廃業を選択する傾向があることが見受けられます。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」には事業会社で経営を行ってきた専門家や各領域の専門家が多数登録しており、親族内・親族外継承、M&A による継承など、企業の課題や要望に応じたノウハウやアドバイス、情報提供により 事業承継を支援します。

■事業承継を取り巻く環境の変化

現経営者の高齢化とともに、企業を誰に継がせるか=事業承継が中小企業において大きな課題となっております。事業を継続するため、経営の引き継ぎ方法として、親族、社員、他人 (他社) に承継するなどの方法がとられます。10社あれば10通りの状況や企業風土の違いがあります。KENJINSは事業承継のパートナーとして、現経営者が最良の事業承継方法を選択し、事業を引き継ぐことができる計画の策定、その進捗管理、社長交代、権限委譲のための仕組みづくりとその実行を支援致します。

■なぜ事業承継が必要か?

中小企業や個人事業を経営している場合、ある程度の年齢になったら真剣に事業承継について考えなければなりません。中小企業を経営されている方、後継者問題に悩まれているのではないでしょうか?

日本には優秀な中小企業が多いにもかかわらず、経営者の高齢化と後継者不足によって廃業をやむなくされる例も多く、大変大きな損失となっています。大企業の場合、代表取締役の交代は比較的簡単で頻繁に行われることも多く、代表取締役の候補者もたくさんいます。また、大手企業には特定の経営者に依存する部分が少ないため、経営者(代表取締役)が代わったからと言って、会社の運営が大きく変化したり停滞したりすることは少ないです。

これに対し、中小企業の場合、会社の運営全体が経営者本人に大きく依存していることが多いです。例えば、社長が若い頃に起業してどんどん大きくしてきた中小企業の場合、ワンマン経営になっていて、会社の機能の多くの部分が経営者1人の肩にかかっていたりします。このような会社で経営者が倒れたり交代したりしたら、大きな混乱が生じてしまうのです。

■事業承継の重要性

中小企業経営者の高齢化が進展するなかで、事業承継が行われないことから 、会社が廃業に追い込まれるケースが年々増加しており、事業承継の重要性がいっそう高まっています。

また、事業承継の準備状況に関しても、経済産業省・中小企業庁が行った事業承継に関する調査によると、経営者が60代以上で「準備している」と回答している企業は、全体の約50%以下にとどまっています。70~80代の経営者でも4割以上が「これから準備をする」「現時点で準備をしていない」と回答しているなど、まだまだ準備は進んでいません。このように事業承継は、経営者の意識や後継者となる人材難などで十分に行われず、企業規模が小さくなるほどこの傾向は 高くなっています。

■事業承継に失敗すると大きな損失が発生する理由

未上場の中小企業において事業承継ができないと、その会社は「廃業」せざるをえません。廃業すると、会社の持っている資産をすべて売却し、負債を支払って清算して会社はなくなります。問題は、資産などの個別財産が失われるだけではなく、その企業の持っている「価値」もすべて失われることです。

日本の中小企業には、非常に高度な技術や特許を持った優秀な企業が多いですが、事業承継ができないと、そうした企業が持っている優れた技術や特許、ブランド価値もなくなってしまうので、大きな損失となります。より多くの中小企業が廃業によって消えていくと、日本の競争力自体もどんどん低下して、産業も衰退してしまいます。

■事業承継の際のポイントと課題

事業承継は会社が培ってきた従業員やノウハウ、顧客など「経営権」とされる全ての企業資産を後継者に引き継ぐことです。大別すると以下の3要素となります。

1、人的承継
経営権の承継となります。後継者が創業経営者と同じように経営手腕を発揮し、企業の持つお客様から期待と信頼を得ること 、また社内の社員からも信頼を得て会社を回していくことが重要であり難しい課題でもあります。そのため、後継者の選定や後継者を育成するまである程度の時間が必要とされています。

2、知的資産承継
経営者が持つ経営理念などの事業展開ノウハウや信用、従業員が持つ技術・技能、顧客や協力企業などの人脈などの知的資産を継承します。知的資産の継承は、継承後の存続・発展を左右する大きな「鍵」となります。しかし、社員数が少なく、一人あたりの業務が細分化しにくい中小企業では業務が属人的になっている場合が多く、例えば、熟練の技術者が辞めた途端、製造現場が回らなくなるケースもあります。

3、資産承継
企業の根幹となる「株式」をはじめ、事業展開に必要な不動産や設備などの資産を承継します。企業の資産価値は株式の価格に反映されるため、株式の譲渡が代表権を承継することになり、株式譲渡にかかる相続・譲渡など税金の問題が発生します。

【事業承継にかかる期間】
全体の承継期間は、「1年未満: 55.1%」、「1~2年: 27.9%」、「3~4年: 8.5%」、「5年以上: 8.5% 」となっており、承継の準備から実行までに中長期にわたり時間を要するケースが多いのが現状です。

【事業承継選択者の承継先】
事業承継先ごとの各割合は以下のようになっています。
1、親族内承継: 55.4%
2、役員、従業員承継(親族外): 19.1%
3、社外承継: 16.5%

■事業承継(しょうけい)と事業継承(けいしょう)の違い

一見して同じような意味があると思われる承継と継承ですが、実は多少ながら意味が違います。承継とは、先代の人から「地位・精神・身分・仕事・事業などを受け継ぐ」という意味があり、法律的な意味合いが強いとされています。

一方で継承とは、先代の人から「義務・財産・権利などを受け継ぐ」という意味があり、双方において受け継ぐという意味では同じでも、抽象的なものか、あるいは具体的なものかによって細かい意味の違いが生じます。実際の使用例として紹介すると、次のようになります。

・前任者が築き上げた会社を承継する
・王位継承が行われる

このように、承継は前任者が築き上げてきた「理念・思想・精神」といった抽象的なものを受け継ぐという意味合いが強くなります。一方で、継承とは前任者が得た経済的価値や資格といった、具体的なものを受け継ぐという意味合いが強くなります。

ここまでの解説で、「事業承継ではなく事業継承が正しい」と判断した方が多いかもしれませんが、実は事業承継の方が正しい用法になります。その理由としては、承継は継承よりも法律予後として適切な表現と考えられており、承継は権利や義務を引き継ぐことを指す法律用語であり、円滑化法(中小企業における経営の継承の円滑化に関する法律)や事業承継税制など、条文や契約書でも承継表記が多用されているからです。前任者から法律上の手続きを経て、事業を引き継ぐという性質からも事業承継の方が正しいと言えます。

■事業承継と事業継承の使い分け

以上の解説でも、事業承継と事業継承に使い分けについて理解が難しい点もあります。そこで、それぞれの使用ケースを想定して、言葉の使い分けについてご紹介します。

事業承継を使うケースとしては、先代の経営者が設立した会社の経営理念や経営ビジョンを受け継ぐという場合に使用します。後継者が先代の経営者の理念やビジョンを引き継ぎながら、業績の安定化の事業の発展を目指していくケースでは、事業承継が適切だと言えます。

一方、事業継承を使うケースとしては、後継者が先代の経営者が持つ経営権などを引き継ぎ、新しい経営者として従事していくことを考えている場合に使用します。理念やビジョンといった抽象的なものを引き継ぐというよりも、経営者としての地位を引き継ぐという意味合いが強くなります。

こうした明確な使い分けはあるものの、会話の中ではどちらの言葉を使用しても混乱することはまずないでしょう。従って、「法律上の話で使用する場合は事業承継の方が正しい」ということを念頭に置いておけば、どちらを使用しても問題はないと考えられます。

■事業承継において外部の専門家を活用するメリット

前述の承継を全て社内で完結させるには高い専門性が必要となり、非常に工数がかかるため、スムーズに進めるのは困難です。そのため、専門家のノウハウを活用することにより、より自社に適した形で社内の承継を進めることができます。

資産承継に関しては、税理士などに依頼して アウトソースできる部分は多いです。一方、人的承継と知的資産承継に関しては、企業固有の事情に合わせた対応が必要であり、かつ、個別の専門性が必要となるため全てアウトソースすることは難しいといえます。そのため、人的承継と知的資産承継に関しては、それぞれのテーマに合わせて外部の専門家に社内に入り込んでもらいサポートを受けることが有効です。

■人的承継

人的承継に関しては後継者の選定、育成がポイントとなります。
育成を行う場合は各領域の専門家を顧問として活用することも有効です。経営者に求められる能力としては、経営戦略の立案・実行スキル、キャッシュ管理、人事、企業特有の技術知識が重要です。

これらに加え、今後は労働力不足の加速が予想される中、中小企業でもIT技術の活用は必須になることが予想され、IT技術に関する知識も必要となります。企業特有のノウハウに関しては承継ができるとしても、移り変わりの激しいIT技術に関する知識が社内にあるとは限りません。
そのため、一例としては、ITスキルに関して専門の顧問の指導からノウハウを得ることも有効です。

■知的資産承継

知的資産承継に関しても、外部の専門家の活用が有効です。
競争力の源泉である人材、技能、知的財産(特許など)、組織力、顧客とのネットワークなど、財務諸表には表れてこない経営資源のため、現経営者および後継者と主要社員で情報整理(知的資産経営報告書の作成など)を行う必要があります。しかし社内の人材だけで行うことは、前例を踏襲するあまり非効率な点が改善されないという問題もあります。

そのため、外部の専門家の第三者的な観点から業務の分析を行うことで、スピーディーに業務整理ができます。また、技術ノウハウの伝承に関しても、社内の人材が育つまでの期間、外部の専門家のノウハウを活用することにより、社内の技術力が維持・向上することを期待できます。

中小企業は知的資産を築いてきたノウハウが経営者個人に集中していることが多いため、 日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を活用し、必要な期間、必要なノウハウを持つ専門家を活用することにより、固定費がかからず、よりスムーズな事業承継が期待できるといえます。


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