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海外進出コンサルティング・実行支援サポート

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■海外進出を目指す中小企業の増加

人口減少や取引先の海外移転等による国内需要の減少に伴い、大企業だけでなく中小企業においても成長著しいアジア等の海外需要を取り込むため、海外展開が拡大傾向にあります。また、海外展開を行っている企業は、海外展開を行っていない企業より国内の従業員数を増加させる傾向にあり、海外市場で自社の強みを発揮することにより、国内事業を活性化している多くの事例がありま
す。

一方、中小企業が海外展開する際には、国内とは異なる特有の課題やリスクに対応しなければなりません。中小企業庁の委託調査「海外展開による中小企業の競争力向上に関する調査」によると、現地法人が直面している事業環境
面の課題・リスクとして、「人件費の上昇」、「為替の変動」、「現地人材の確保・育成・労務管理」、「法制度や規則の複雑さ、不明瞭さ」等が上位に挙げられています。

また、中小企業の海外現地法人が、各国・地域において、多様な課題・リスクに直面した結果、現地からの撤退を選択する事例も存在します。(独)中小企業基盤整備機構が実施した「中小企業海外事業活動実態調査」によると、撤退・移転の理由として「現地の販路開拓の困難性」や「品質管理の困難性」、「生産コストの上昇」等が上位に挙げられています。

このように、海外進出の際に、現地人材の確保、育成、労務管理や、品質管理、法制度への対応といった経営上対応すべき課題・リスクが多く指摘されており、これらについては、それぞれの企業の取組の中でしっかり対策を講じていくことが必要です。

また、為替を始めとする経済情勢の変化や、政情不安・自然災害のように、個社の取組では十分回避しにくい事象もあり、これらについては予めできるだけ情報を収集し、進出に当たって万が一の場合も想定して取組を進める必要があります。

■海外進出のリスクを考える必要性とは?

海外での事業は、日本とは法律、商慣習、言葉等が異なり、日本では考えられない様々なリスクが存在します。
また、その対処方法を誤るとさらに大きな問題につながることもあります。一方で、そのような課題・リスクを克服し成功している企業も多くいます。

これから輸出に取り組もうとする企業や現地に進出しようとする企業の方々が、海外展開に伴う様々なリスクの把握と対応策の検討を通して、課題とリスクを見極め海外展開に取り組んで頂くことが欠かせません。

海外展開を開始するにあたっては、まず、海外展開の目的を明確にし、自社の分析等を十分に行うことが重要です。また、海外展開の実施を決めた後も、個別の課題・リスクについて十分に把握する必要があります。

実際に海外展開に取り組んでいる企業が、課題やリスクとして挙げることの多い、①政治・経済・社会情勢、②法規制、③労務、社内管理、④ビジネスパートナー、⑤マーケティング、⑥人材、⑦資金、⑧知的財産の側面から海外進出を展開する前に意識的に検討することが、海外進出の成功には欠かせない要素になります。

■海外進出の目的の明確化

海外展開を考えるにあたっては、まず国内でできること(新規取引先の開拓、新分野への進出や異業種連携等)を十分行ってきたか確認し、海外展開の目的を明確にする必要があります。海外展開事業が、自社(本社)の事業の中でどういう位置づけにあるのかを理解するためには、自社自身のことを理解しておかなければなりません。

ところが、自社の経営環境を客観的に整理・分析する機会もなく、自社について分からない海外事業担当者もいます。自社のことを理解するにあたっては、以下の項目について整理を行いましょう。

・企業のビジョン、経営方針、経営課題、経営戦略、財務状況
・自社の業務の流れ(ビジネスモデルの明確化: 商流、物流、金流、情報流)

経営課題が抽出された後、その解決策のオプションとして、海外事業展開があることを確認しましょう。

海外展開の目的は様々ですが、主に以下の3つのケースがあります。

①コストの低減
競合他社との価格競争において、国内コストでは自社の価格優位性が保てない場合に、原材料や労働コスト等を低減するため。もしくは、現在、製品を輸出中だが相手国の関税障壁を回避するため。

②取引先の海外進出
自社としては海外進出の計画はなかったが、取引先から海外進出要請があり関係を継続するため。もしくは海外進出した取引先からの受注量が減少しているところ、海外進出要請はないものの、進出して受注量を回復させるため。

③海外市場への参入
国内市場が頭打ちであり、海外で何とか活路を見いだすため。または国内で目標シェアを維持確保しているが、国内マーケットが縮小していることから将来を考えて新たに海外マーケットに参入するため。もしくは海外マーケットからの引き合いが増加傾向にあり、本格的に参入するため。

これらの目的に加え、既に海外で行っている生産、販売活動について、製品の品質向上等のため、製造委託先と新たに提携を結ぶなど、海外展開を加速するための取り組みもあります。目的が明確でない場合は、なぜ海外展開をするのかよく考えてみましょう。

■海外事業プランの策定

海外展開の目的を明確にしたら、その目的を達成するための事業プランを構築することになりますが、その事業プランが、自社の経営資源(人材・資金等)や売り上げ等の規模と比較して、適正かどうか検討する必要があります。

海外展開には多大な労力が必要となりますが、大企業と比べ、経営資源の限られる中小・小規模企業の海外展開には、より大きなリスクが伴います。目的に照らして、自社の基礎体力、経営資源、海外展開に伴うリスク等を総合的に勘案し、場合によっては、当初想定していた事業規模を縮小することや、最初から現地に進出(直接投資)するのではなく輸出や生産委託から開始するという選択肢を持つことも重要です。

また、将来の海外展開に備え、海外留学生を受け入れ、育成するなど、長期的な視野で事業展開計画を立て、実現していくことも考えられます。

■海外進出のSWOT分析

海外展開を進めるにあたっては、自社の製品・技術・サービスの強みを客観的に把握し、アピールポイントを明確にする必要があります。たとえば、御社の製品等は海外からの引き合いの経験や、特許などの知的財産権、一定のマーケットシェアを有していますか? 権威ある賞等の受賞歴や周囲からの評判も参考になります。

強みのない製品や技術の海外展開は困難が伴います。また、海外でのライバル企業との厳しい競争下では、常に現地市場価格を把握し、自社製品の価格ポジションを理解しておく必要があります。現地企業と価格面で争わないのではなく、場合によって対抗できる価格弾力性は必要です。

また、海外での基準を満たさないと製造・販売できない商品やサービスがあります。海外展開する前に、市場調査など、準備すべきことがあることも留意しましょう。自社の製品・技術・サービスの競争力を分析するには、「自社の強み」・「自社の弱み」と「外部環境にある自社にとってのチャンス」・「外部環境にある自社にとって不都合なこと」の4つの観点から情報を整理(SWOT分析してみてください。

自社が初めて海外進出する場合には、SWOT分析の中で、先行同業他社に対して自社は後発であることを認識して、先行している同業他社に対して、または市場の中でどのような差別化戦略を取り入れるかよく検討すべきです。自社が後発であることを考えると、先行している同業他社と同じようなことをやっても成果は見込めません。SWOT分析はこれを検討するためのひとつの有用な手段です。

■海外進出の決断

海外展開にあたっては、個人的な興味や印象に惑わされることなく事実を重視し、自社の経営戦略の中での海外展開の位置づけを明確にして検討しましょう。社長自らが海外展開にコミットし、検討開始から立ち上げ、運営と、全社を挙げて体制を構築し、協力して目標に向かう必要があります。後日「なぜ海外展開したのか」との発言が出ないように、社長や一部の役員だけでなく、海外展開に関係する担当者の合意を得ておきましょう。

なお、海外展開には国内事業にも増して様々なリスクが伴い、臨機応変な対応が求められます。このため、事業が予定どおりに進まない事態も想定しておき、そうした状況に直面した際にどのような行動をとるかをあらかじめ検討しておくことが重要です。

スケジュールの遅延、合弁相手とのトラブル、業績の悪化、累積損失・債務超過等に加えて、カントリーリスク等自らコントロールできないリスクの顕在化などの事態が発生した場合には、撤退も含めた事業計画の迅速な見直しを行うことが必要です。

■KENJINSの海外進出コンサルティング

KENJINSの海外進出コンサルティングサービスは、経験豊富なコンサルタントおよび150ヶ国、30,000名にわたる国内外の日本人および外国人専門家スタッフが、プロジェクトの各段階でこれらの課題に対し、各クライアント様のニーズに合わせて、プロフェッショナルなサービスをご提供いたします。

■現地情報の収集

海外市場の概要(統計、産業構造)、市場規模の調査
海外市場の商品・価格動向、競合商品の現地調査、カタログなどの収集
企業概要(年次報告書)、与信情報の調査
特定産業(企業)の定点観測(新聞情報、プレス発表資料などの定期的な収集)
海外市場の法規制、政策動向、関税など貿易関連情報の収集

■特定企業調査・現地市場調査

商圏調査、海外市場の消費者への個別インタビュー、グループインタビュー、街頭アンケートの調査票作成・翻訳、実施、集計、分析および報告書の作成
アポ取り(アポイントメント取得)、アテンド、通訳等

KENJINSの海外進出コンサルティングサービスは、海外進出をご検討されている企業様、さらには、既に海外進出され事業運用を行っておられる企業様が必要とされる一連の業務をワンストップでご提供するサービスです。


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